南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

コウテイペンギンの営巣地を訪ねる旅

コウテイペンギンの営巣地。

南極大陸のウェッデル海に面した遠隔の氷の大地。ここには、数千羽におよぶコウテイペンギンの営巣地があります。
世界中の愛好家や写真家たちがコウテイペンギンの姿を求めて、遥々とこの遠隔の地にやってきます。コウテイペンギンの楽園を心ゆくまで観察頂ける特別な南極旅行です。

コウテイペンギン

コウテイペンギンの営巣地

南極大陸でのコウテイペンギンたちを堪能。

広大なロンネ棚氷に隔たれたウェッデル海沿岸にあるコウテイペンギンの営巣地へ、スキープレーンを利用して訪れます。現地に少人数でのフィールド・キャンプを設営し、営巣地での活動をお楽しみください。南極大陸でのみご覧いただくことができる氷山・氷壁・氷丘脈を背景にコウテイペンギンの撮影を存分にお楽しみください。トランペット(ペンギンやゾウに特徴的な金管楽器のような発声音)合奏の中で眠り、目が覚めればテントのすぐ近くに集団で営巣するコウテイペンギンたちをご覧いただけることと思います。

氷山をバックにコウテイペンギンの撮影
氷山をバックにコウテイペンギンの撮影

南極の環境に適応した驚くべき生態。

キャンプには経験豊富なガイドとナチュラリストが同行し、営巣地での過ごし方をレクチャーいたしますので、お客様のペースで野生動物との出会いをお楽しみいただけます。このコウテイペンギンの営巣地を訪ねる旅では、南極の環境に適応した驚くべき生態を目の当たりに観察頂ける南極ツアーです。

吹雪に耐えるコウテイペンギン
吹雪に耐えるコウテイペンギン

コウテイペンギン

潜水能力は鳥類最高で、水深500m以上の深さに20分以上潜るとも言われる。他のペンギンと同様に肉食性で、魚類、イカ、オキアミなどを捕食する。いっぽう、おもな天敵はシャチやヒョウアザラシである。

コウテイペンギンの卵

ペンギンは南極にすむと思われがちだが、実際に南極大陸におもな繁殖地を持つのはコウテイペンギンとアデリーペンギンの2種類だけである。アデリーペンギンは夏に地面が露出した海岸で繁殖するが、コウテイペンギンは零下数十度の冬の海氷で繁殖を始める。このためコウテイペンギンは「世界でもっとも過酷な子育てをする鳥」と呼ばれることがある。厳しい冬に子育てを始めるのも、ヒナの成長と餌の量に関連したものと考えられる。

南極では秋にあたる3月から4月の頃、群れは海を離れて繁殖地である定着氷上(海氷上)に上陸する。繁殖地は、開水面際(波打ち際)から50~60㎞入った定着氷上(海氷上)である。これほど海岸から離れる理由の一つは捕食者から逃れるため、また雛が成長する前に海氷が溶けてしまうからであると考えられている。求愛行動およびそれに続く交尾の後、5月から6月にかけてメスは長径12cm、重さ450g程度の卵を1個だけ産む。産卵により疲労しているメスは餌を求めて海へ向かい、繁殖地に残ったオスは卵を足の上に乗せ、抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれる両肢の間のお腹のだぶついた皮を使って、抱卵を始める。抱卵は立ったままで行い、巣はない。

コウテイペンギンのヒナ

オスはブリザード(地吹雪)が吹き荒れて-60℃になる極寒の冬の海氷上で身を寄せ合い、抱卵を続ける。卵は約65日で孵化するが、抱卵中のオスは雪を食べるしかない絶食状態に置かれるため、エネルギー消費量を抑えるため睡眠に近い状態で過ごすものの、孵化する頃にはオスの体重は40%以上も減少してしまう。繁殖地へ移動した頃から数えると約120日間も絶食していることになる。8月頃にはヒナが生まれるが、メスがまだ戻ってきていない場合には、オスは食道から分泌した白色の乳状の物質(ペンギンミルクと呼ばれることがある)を餌としてヒナに与える。メスが海から戻ってくると、ヒナの給餌はメスが行うため、オスはやっと海に出て行けることになるが、遠い海までの道のりで力尽き死んでしまうオスもいる。オスだけが抱卵するのはコウテイペンギン特有であり、他のペンギンはオスとメスが交代で抱卵する。

海へ行ってきたメスはヒナのための食物(イカや魚、オキアミなど)を胃に貯蔵しており、食物を吐き出してヒナに餌として与える。ヒナは最初羽毛も生えていないが、やがてヒゲペンギンを小さくしたような黒と灰色の綿毛が生える。海へ行ったオスは、やはり同様に食物を胃に貯蔵して、数週間後に繁殖地へ戻ってくる。以後、オスとメスが交代でヒナの番と餌運びを行う。ただ、戻ってきてもヒナがなくなっていたりしていると、メスは他のヒナを奪って育てようとする。ヒナの成長につれ、摂取する餌の量が増えていくと、オスとメスが両方とも海に出るようになる。この頃、ヒナばかりが集まって「クレイシ」(フランス語でクレーシュCreche、保育所の意味)という集団を作る。クレイシは子育てを行っていない若鳥などに守られながら徐々に海岸へと移動する。

ヒナが充分に成長する頃にはクレイシも海岸に到達し、南極も夏を迎える。ヒナが成鳥の羽に換羽するのと同時期に、成鳥も冬羽から夏羽に換羽する。なお換羽の間は海に入らず、絶食することとなる。換羽の終わった群れは餌の豊富な夏の南極海へ旅立つ。

「コウテイペンギン」
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。
2013年3月10日23時37分(日本時間)現在での最新版を取得。

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