南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

カナダ北極東部

バフィン地方の人口は約11,000人でその内85%はイヌイットです。
一世代ほど前にその生活を根本から覆すような変化が始まりました。
イヌイットは伝統的に家族を中心とした小さなグループで生活をしていました。
今日のバフィン地方のコミュニティの人口は100人台で、イカルイットは3,500人を超えます。大きな町のほとんどは、子供が学校に通えるように大きな住宅プロジェクトに移住させようとする政府によって20世紀後半創られた町です。

初めの頃イヌイットは自給自足のための狩猟と釣りにほとんどに時間を費やしていました。もっともここ数世紀は狩猟の毛皮は交易で南からの物資を購入するための現金収入源ではありましたが。。。ところが最近は昔からのイヌイット式狩猟方法が残酷だと言う論争や毛皮需要の減少のために、既に使う事に慣れ親しんでしまっている南からの食糧、気の利いた器具、その他のぜいたく品を購入するための主な現金収入源が失われてしまいました。彼らは貧困になり機能的には失業状態になりました。
1960年代の終りにはイヌイットはオタワ連邦政府の管轄となり、いわゆる「福祉国家植民地主義」の対象となりました。
バフィン地方を含むカナダ北極はほぼ完全に連邦政府からの移転支出給付金 に依存しています。

こうした変化やそれらがもたらした心理的・社会学的諸問題に即応して憤懣がつのり、20世紀末頃イヌイット民族主義が台頭しました。
活動家の多くは1950年代に強制的に移転させられた家族の出身です。
地方議会へイヌイットの代表を送るのが第一歩でした。祖先の土地の返還要求は解決しつつあります。その中の一つの例がヌナブト準州の設立です。
イヌイットの生活向上のためのプロジェクトは他にも教育改革、芸術家組合の創設、北極大学の創設、ヌナブトの観光開発、エビ漁などがあります。

(北極旅行&北極クルーズ4-16)