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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

シロイルカ

シロイルカ(Beluga Whale)
シロイルカは鯨には珍しく明確な首のくびれがあって、頭をほぼ直角まで横に曲げることもできます。
はっきりした背びれが無く、学名のDelphinapterusもラテン語で「翼のないイルカ」と言う意味です。
しかし、背中の半ばから尾にかけて盛り上がりがあり、身体の他の部分よりも黒ずんでいて氷と接するためか傷跡があります。
胸鰭はかなり多彩な動作を行う事ができ、ゆっくりと後ずさりしながら泳ぐなど狭い場所でうまく動き回るのに重要な機能を果たしています。
胸鰭の縁は年齢と共に反り返ります。体色は出生時には灰褐色ですが次第に薄くなり、大体5~6歳の成獣になると純白になります。

シロイルカはかなり多彩な肉体および顔面表情をすることができ、口を大きく開けて釘のように並んだ32~40本の歯を見せる事をします。
見えている部分がずいぶん磨滅しているので獲物も捕らえられないように見えます。歯が2~3歳くらいになって初めて生えて来る事から考えると、歯の主な目的は捕食のためではなく、威嚇のためや、顎を鳴らすためかもしれません。

多彩な音を出すこともできる動物で、空気中でも容易に聞くことが出来ます。
音の範囲は「ムー」、「チュッチュッ」、「ピーピー」、「カンカン」などで、シロイルカの群れが水中で出す音は農家の前庭のようににぎやかです。
昔は海のカナリアとも呼ばれていました。発音能力と反響定位能力に加えて視覚を使ってコミュニケーションを取ったり捕食したりします。
表現の多彩さから見て、シロイルカは微妙な社会的コミュニケーションを取っていると考えられます。

シロイルカは様々な群遊漁、甲殻類、虫、時には軟体動物も食べます。事実、100種類以上の餌を精巧な反響定位を使って捕食します。シロイルカは5頭かそれ以上の連係プレーで魚の群れを浅瀬やなだらかな砂浜に追い込む事も出来ます。その他にも、しなやかな首を使って海底の表面を掃いて、吸引力と水の噴出で獲物を追い立てる事もします。捕食のシーズンに食べたものは脂肪として蓄えられて冬の保温とエネルギー源となります。

シロイルカは5~8歳で繁殖年齢に達し、春の交尾後14ヶ月の妊娠期間後に一子を隔年に出産します。
授乳期間は1~2年です。シロイルカの寿命は35年かそれ以上です。
北極海全域に最も広く分布しているハクジラで、亜北極までも及びます。
アラスカのイヌイットは先住民生存捕鯨として年間200~300頭捕獲していますが、個体数は安定しています。シロイルカはその白い表皮ゆえに珍重されています。

(北極旅行&北極クルーズ6-47)