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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

トナカイ

充分論議を重ねた末の2011年1月に政府はサウスジョージアからのトナカイ駆除を決定しました。
ブセン群とバーフ群は広範囲の草を食べる事により植物の疲弊をもたらしました。
タソック草などの原産植物が無くなり土壌浸食も起こりました。
今後さらに氷河が後退するとトナカイの行動範囲が広がったでしょう。
また、トナカイがドブネズミ駆除用に散布した毒入り餌を食べて駆除効果を下げてしまう危険もありました。トナカイが死ぬだけでなく毒入り死骸が死肉漁りの鳥にも被害を及ぼすことにもなります。

世界中の専門家に、最も苦痛が少なく現実的なトナカイ駆除方法を求めて検討した結果、ノルウェーのサミ族(ラップ人)推薦の、トナカイを海岸近くの囲いに追い込んで銃殺する方法が採用されました。
この方法は、回収が容易なので死骸を死肉漁りの動物にさらすことが無く、肉も観光船に販売できるので費用の足しになります。
駆除実行は2013~14の2夏シーズンと政府資金90万ポンドをかけて合計6,600頭を銃殺して、2014年2月に終了しました。
2013年3月に行ったブセン半島では既にタソック草回復の兆しが見え始めていますが、植物が生え揃い海鳥の営巣が回復まで、注意深くモニターする必要があります。

(南極旅行/サウスジョージア島30-2)