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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

チドリ目カモメ科アジサシ属

チドリ目カモメ科アジサシ属(Terns)
アジサシはカモメにとても近い鳥で、鳥類学者の中にはこの二つのグループは同属であると考えている研究者もいます。カモメが常に上昇気流や風の流れによって飛翔するのに対し、アジサシは一直線に水平に飛びます。殆どのアジサシは沿岸性の鳥ですが、南極の二種は広大な海の上を、長短さまざまな距離を移動します。キョクアジサシは地球上の動物の中で一番長い距離を移動するので有名ですが、個体によっては繁殖地の北極から南極まで、更に引き返して北極へと最低でも往復35,500㎞を飛ぶものもいます。それに反してナンキョクアジサシはそれほど遠くまで飛ぶことはなく、通年南極の無氷水域に留まっています。

キョクアジサシとナンキョクアジサシは姿も習性も良く似ています。殆ど魚中心の食生活、空中から狙いを定めて海中に落ちるように飛び込みます。獲物を探すときは空中に停止することができ、必要な場合は少しだけ水に潜ることができます。地球の反対側で反対の季節に繁殖するキョクアジサシが夏場に南極を訪れる場合は冬の羽毛をまとっています。

アジサシは主にコロニーを作って営巣しますが、ナンキョクアジサシはまばらで広い隔離された繁殖地区で巣ごもりをするのが普通です。一度に1~3個の卵を産み約3週間の間、雌雄が交代で卵を抱き、餌を与えます。

巣はたいていまばらに置いた石ころの間に簡単な屑類で作られています。巣立ちまでの期間は4~5週間程度ですが、両親はその後もしばらくは雛に餌を与え続けます。卵や雛は灰色の石と同じ保護色をしていて、そうとは知らず近づきすぎると、侵入者を見つけたナンキョクアジサシがすぐさま、やかましく啼き声を発して飛びついて攻撃をしかけます。このような事態になったら即座にもと来た道を引き返してください。危険が去ればアジサシたちは再び卵を抱きはじめるか雛のそばに戻るようになります。

(南極旅行&南極クルーズ6-7-12)