ミケルセン・ハーバー(Mikkelsen Harbor)
南緯63°50′ 西経60°46′

南極半島西岸中部にごく近いトリニティ島の南岸にある捕鯨時代に良く使われた自然の良港ミケルセン・ハーバーはノルデンショルド探検隊(1901-03年)が発見したものですが、1933-34年頃ここを利用していたノルウェーの捕鯨船船長の名前が付けられています。

ミケルセン・ハーバー

氷河に囲まれた海岸の中で唯一上陸可能なのが約1㎢の小島、ダイヌー島(D’hainaut)です。元はボンベイ島など様々な名前で呼ばれていましたが、最終的に近海を測量したチリ海軍のダイヌー船長(Ladislao D’Hainaut Fuenzalida)の名に落ち着きました(1954年)。島にはペロン大統領時代(1946~55年)のアルゼンチン政府が領土権主張の一環として半島部分に51も建設した基地や避難小屋の内の一つが残っています。

避難小屋

上陸地近くに見える平底ボートは母船へ氷河の融解水を運ぶ水運搬船で、母船脇で鯨の皮下脂肪を剥ぐ作業ボートとしても使われました。

平底ボートの残骸

近くには捕鯨初期(1905~31年)の名残であるクジラの骨が多く点在し、頭蓋骨14個中最大の物はおそらく史上最大の生物であるシロナガスクジラの物と思われます。

ゼンツーペンギンとクジラの骨

島の中心部、丘の上のゼンツーペンギン営巣地の中にある人造物は避難小屋を建てた際の目印です。トウゾクカモメが多い風景そして雪の上にはウェッデルアザラシ数頭が昼寝をする風景も良く見られます。波が静かな時には湾外のテトラッド小島群周辺のゾディアッククルージングで思いがけない発見があるかもしれません。

 

◆ミケルセン・ハーバーで見られる動物達◆

©Rlindblad171215