ウィルヘルミナ湾(Wilhelmina Bay)
南緯64°38′ 西経62°10′

ゲーラーシェ海峡を挟んでブラバンド島に向かい合うようにあるのが南極半島西岸に切り込んだ幅約27kmの大きな湾です。ゲーラーシェ探検隊(ベルギー1897-99年)により発見され、18歳で即位した当時のオランダ女王の名が付けられました。

ウィルヘルミナ湾

ここは捕鯨時代からよく知られた湾で、湾内に浮かぶ島々には捕鯨母船やキャッチャーボートを舫った鉄の鎖が今も残されています。湾内北部のナンセン島と小さなエンタープライズ島との間にあって、爆薬つき捕鯨砲を発明した(1809年)スヴェン・フォインの名がつけられたフォイン・ハーバーは、湾内の早い海流に閉じ込められたオキアミの群れを捕食するクジラを追って1920年代を中心に捕鯨母船が集まった場所です。近くにある、鯨油を満載したまま火災で沈没したガバナー号(1915年)の残骸は今ではナンキョクアジサシの安全な子育て場所となっています。

ガバナー号の残骸

この湾内はかなり遅くまで定着氷が残っている事が多く、海氷の裏側にぶら下がる植物プランクトンを食べに集まるオキアミを捕食するクジラや各種アザラシ類が良く見られる海域です。ザトウクジラ、ミンククジラ、オットセイ、カニクイアザラシ、ヒョウアザラシそしてそれらを追って狩をするシャチも見られるかもしれません。

 

◆ウィルヘルミナ湾で見られる動物達◆

©Rlindblad191227