オルネハーバー(Orne Harbor) 南緯64°37′ 西経62°32′
ゲーラーシェ海峡に面し、南極半島中部に食い込んだ約1.5km幅の湾で、入り口南側にそびえるスピゴット・ピークの黒い断崖(285m)が目印です。1897-99年ゲーラーシェ探検隊(ベルギー)により発見されました。名前はおそらく1912年頃操業をしていたノルウェーの捕鯨会社所属の船オルン(Orn:鷲)号からと考えられます。
流れ落ちる氷河におおわれた湾内で唯一上陸可能なのはスピゴット・ピーク裏側の急斜面ですが、氷河に大きなクレバスが見つかり、最近まで上陸は見合わせていました。
尾根沿いには水はけのよい急斜面上方に巣を作る傾向があるヒゲペンギンの小群が営巣しています。毎年10月頃に繁殖のために戻った時に既に岩が露出している場所がここだからです。雄がまず、雪解け水が溜まらないような水はけのよい場所に小石や岩のかけらなどで直径約30cmのドーナツ型の巣をつくり、雌を待ちます。交尾後2~3日で生まれる2つの卵は、雌雄両方が交代で下腹の皮膚を付けて33日間の抱卵期間後1月上旬頃孵化します。
ゾーディアックで断崖周辺をクルーズする際に水辺に近い場所にあるキバナウとヒゲペンギンの小規模な巣を見る事もできるでしょう。 ©Rlindblad191215