ヘリテージ・エクスペディションズ社 2020年 北極(2019年9月改定版)
16/32

15となっています。今日の午後遅くにチュクチ海岸に上陸し、野生生物とツンドラの景色を楽しむ最後のチャンスです。アナディルスキー湾をアナディルに向けて航行します。終日洋上ライフをお楽しみください。朝、アナディリに入港します。午前、朝食後、エクスペディションスタッフや乗組員に別れを告げて下船です。下船後、アナディリ空港またはアナディリ市内中心部ホテルへの無料送迎いたします。衛星写真から見えるほど巨大なこの入り江には、膨大な数の水鳥と渡り鳥が生息しています。鳥類は、入江口近くのベラカスピットに集中しています。それは奇妙で美しい野生の荒涼とした風景です。 砂丘と干潟で、ミドリガンやヘラシギなどの鳥類を探します。コククジラはこの地域を頻繁に訪れ、時々沖合数メートルの所で餌を食べている事があります。早朝、ダイオミード諸島を通過します。ダイオミード諸島は、国際日付変更線をまたいでいるため、時々トゥモローランドやイエスタデーランドと呼ばれることもあります。ロシアとアメリカの国境が最も接近している場所では、わずか4.26km程しか距離は離れていません。ダイオミード諸島を通過する際、ロシア領海を航行します。アメリカがロシアからアラスカを購入した時、米露間の条約では、ダイオミード諸島のビッグダイオミード島とリトルダイオミード島の中間線をまっすぐ北極海へと伸ばした線を国境と定めました。ロシア最東端のビッグダイオミード島には、先住民族のユピック族が住んでいましたが第2次世界大戦の後、ユピック族は、本土に強制移住させられました。今日、ビッグダイオミード島には、居住者はいませんが、ロシアの国境警備隊の基地があります。ここには、ミツユビカモメ、ウミガラス、ハシブトウミガラス、ツノメドリ、エトピリカなど多くの鳥類が繁殖していて重要な島ホッキョクグマは見るべき野生生物のリストの最上位に位置しています。少しの忍耐で多くのホッキョクグマとの出会いが期待できます。 ジャコウウシとトナカイは、1948年と1975年にこの島に持ち込まれましたが、トナカイの数は減少しています。ここは、1913年8月、カ―ルック号が、ハーシェル島のランデブー岬沖で氷に閉じこめられ、ボーフォート海とチュクチ海を漂った末、1914年1月、船は氷に潰され、沈没。乗組員と探検隊員は、最初は氷上で、その後は、ウランゲリ島の海岸で生き残りをはかりましたが、25名の隊員の内、救助される前に11名が死亡するという悲劇がありました。私たちは、カ―ルック号の生存者が、救助されるまで生き延びたドラギ港を訪れる予定です。今日、ウランゲリ島は、ロシア連邦の国際的に重要な自然保護区です。この島の重要性は、ホッキョクグマの繁殖地であるという事です。ウランゲリ島で多くの子供が生まれる事からホッキョクグマの産科病棟とも呼ばれています。また、毎年夏には、ハクガン、シロフクロウ、オオトウゾクカモメ、キョクアジサシ、ヒメクビワカモメ、クビワカモメ、ゾウゲカモメなど数千羽もの鳥類が飛来します。多数のラグーンと入り江がある狭い砂の尾根に囲まれているこのエリアには、この広大な海岸線に上陸して探索します。クジラ、セイウチ、その他の野生生物に目を光らせます。彼らの祖先がそうであったように、厳しい気候の中で生き、アザラシやクジラを狩猟するチュクチ村を見学します。 ●詳細日程 No.4世界自然遺産ウランゲリ島と北極探検クルーズ 15日間第11日目北シベリア沿岸観光第13日目ベーリング海峡とチュクチ沿岸観光アナディリ発着第15日目  アナディリ入港/下船、解散第14日目アナディルスキー湾クルーズ第12日目コリューチン入り江観光

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る