ヘリテージ社 2021年 北極
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に低かった時代に北米大陸への陸橋が始まった場所である事を示しています。岬の周りの強い潮のせいで、ここは餌が豊富で、この海域には、多くの海鳥とかなりの数のコククジラが回遊しています。今日一日は、ピカ川のデルタ地帯を訪れる事から始まります。ここには、セイウチが生息し、数千頭ものセイウチがビーチで休む(ホールアウト)南部地域でも数少ない場所の一つです。川の崖に沿ってのゾディアッククルージングでは、何千羽ものミツユビカモメを見る事ができます。また、シノリガモやヒメウ、シロカモメも観察できます。以前、訪れた際に、コククジラに遭遇したことがありましたので、私たちはコククジラの探索を続けます。コリャーク海岸に沿って多くの美しいフィヨルド(ブフタまたは湾)がありますが、ブフタ・ナタリィよりも美しいフィヨルドはありません。このフィヨルドは、南から流れ出す2つのフィヨルドから成っています。この2つのフィヨルドの名前は、ヴィトゥス・ベーリングが、1740年秋、オホーツクから出発した2度目の探検の際に使用した探検船「聖ペトロ号」と「聖パウロ号」に因んで名付けられました。ブフタ・パヴラまでクルーズし、上陸をする予定です。これは、ある湾で本船を下船後、ハイキングしながら別の湾で再び本船に再乗船しますが、その間に内陸を探索するチャンスがあります。壮大な山の風景とツンドラの植生は、周辺でよく見られます。また、シベリアビッグホーンが見られる可能性があります。これらのフィヨルドの入り口を守るように位置しているボゴスロバ島には、セイウチのホールアウトがあります。水産加工場と毛皮動物飼育場の周りには、集落が出来ましたが、数十年前にブフタ・ラヴロヴァ20のフィヨルドシステムは放棄され、コベナ半島の南部は、国家保護区と宣言されました。今では、廃墟となり、自然の中に埋もれています。野生動物が豊富で滅多に訪れる事の無い場所は、ギザギザの峰々と崖に囲まれ、滝が谷に流れ込んでいます。ベーリングヒグマやオオワシ、ゴマフアザラシの生息場所となっています。朝のゾディアッククルージングでは、数多くの野生生物との出会いを楽しみます。1978年に水産加工場の沖合で難破したソビエトの冷凍船「Kreche(シロハヤブサ号)」に向かう際、数多くの野生生物との出会いを楽しみます。そして水産加工場と毛皮動物飼育場の廃墟を見学します。今日の午後は、この地域で最も壮観なフィヨルドの1つであるティンティクン・ラグーンを探索する予定です。このフィヨルドは、氷河期の最後の期間に大きなターミナルモレーン(氷河の末端部に形成されたモレーン)によって塞き止められました。ギザギザの山々や氷河、森林に覆われた斜面に囲まれた川がモレーンを突き破り、最も美しい場所の1つにアクセスできるようになりました。ゾディアックボートでラグーンの数か所に上陸しながら、ホシガラス、ムシクイ類、ノゴマ、ヤマヒバリなどを見学します。また、ラグーンの上流に流れ込む河口周辺には、ヒグマの大きな個体群が生息しています。一日の始まりは、カムチャツカ半島の東海岸のノヴォリュトルカ近くのブフタ・ユジナヤ・グルボーカヤの風光明媚な海岸に上陸します。一連の滝や急流が山を流れ落ちる川の近くに上陸し、牧草地を通り、ハンノキが生えている標高の低い場所で野生生物を探索します。流れの端に沿って上流に向かうと、樹木が生えている場所からは下流のフィヨルドの景色をお楽しみいただけます。昼食後、南のプリメットニー岬まで向かいます。ゴベノ半島に位置する保護区は、ヒグマの数から「ベアーガリー」のニックネームで呼ばれていアナディリに到着後、探検船に、乗船します。乗船後、スタッフや本船の紹介、緊急避難訓練が行われます。夕刻、アナディリから「極東ロシアの宝石探検クルーズ」に出港します。クレスタ湾の海岸に位置する小さなエグベキノトの町には、最初に目にする以上のものがあります。ここの港と道路は、1946年に強制収容所の囚人によって、内陸約200㎞にあるルルティン鉱業複合施設に供給する港として、また、鉱山への道路として建設されました。今日、ルルティン鉱業複合施設は閉鎖されていますが、町とエグベキノト港は、ペベックとその関連金鉱への新しい道路の終点となっています。私たちが訪れる予定の町には、素晴らしい博物館があります。エグベキノトは、北極圏から南に数マイルのところにあります。今日は、ウラル(6WDロシアのトラック)に乗ってルルティンへの道路を進み北極圏を横断して、さらにその先まで進む予定です。チュクチの大部分を占めるツンドラを体験します。この海岸線は、海洋哺乳類が豊富で、我々が、特に探しているのはセイウチです。野生生物は、定期的に場所を移動するため、過去に、この場所で見る事が出来ても、また、同じ場所で見られるという保証はなく、運次第です。午後には、メイニビリギノとナヴァリン岬の間にある有名なセイウチのホールアウトを訪れたいと考えています。また、ブフタ・ガヴリイラへの上陸も予定しています。ブフタ(または湾)は、最初のカムチャツカ探検隊のヴィトゥス・ベーリング司令官の船であった聖ガヴリール号に因んで命名されました。広大なビーチの後ろには、水鳥やサギ・シギ・チドリなどの渉禽類を探索できるラグーンが広がっています。チュクチで最も古く、現在放棄されている北極圏最南端の気象観測所を訪れる事もあります。ナヴァリン岬は、海面が現在より遥か●詳細日程第2日目エグベキノト観光第4日目ピカ川観光第5日目ブフタ・ナタリィ観光第3日目ブフタ・ガヴリイラ観光第6日目ブフタ・ラヴロヴァとティンティクン・ラグーン観光第7日目ブフタ・ユジナヤ・グルボーカヤとプリメットニー岬観光21ページに続く第1日目ロシアのアナディリ到着/出港 No.5極東ロシアの宝石探検クルーズ 14日間アナディリ発/ペトロパブロフスク・カムチャツキー着

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