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北極の定義

北極の定義

実際は豊かな生物学上のディテールに満ちた場所。

誰もが抱く北極についての第一印象は、寒くて、生物のすんでいない、空虚な場所・・・全ての荒野に共通する、痩せて、変化に乏しい、静寂な凍った荒野というものです。
しかし調査を行ってみると、それどころか豊かな生物学上のディテールに満ちた場所であることがわかってきました。
その景色の単調さは気象体系によって変化を与えられているばかりでなく、その厳しい環境に適応した動物たちの諸活動によっても単調さが破られているのです。さもなければ只のキャンバスに過ぎない雪原に突然色鮮やかに咲く植物相もまた目を驚かし、楽しませてくれます。その時折は人間が、大昔の人間も現代の人間も両方、紛う方なくいた形跡が見られます。 北極がどれだけ特別なものとして定義されるかは、大いにその人の大局観に係わっています。北極は、一般的には北緯66度33分にある北極圏で線引きされます。しかし、これは純粋に数理的に引いた線で生態学的意味では何ら役立たないものです。例えば、北極圏はグリーンランドを真っ直ぐ突き抜け、グリーンランドのかなりの部分を占める極地の氷床を後に定義上の北極の南部へと走っています。 工学的あるいは地形学的見地から永久表土層をこの定義基準に用いるのでしょうが、それでは連続した永久表土層の不連続の永久表土層との相違がしばしば無視されてしまいます。地球物理学者だと北極の境界を北極光(オーロラ・ボーリエイリス)および磁気嵐が発生する地域周辺に置くことでしょう。

植物、動物たちは極めて厳しい環境下で学び、生き抜く。

北極は極地気候を有する地域で、最暖月の平均気温が10℃(50°F)を超えないところと定義します。実際的な意味では、北極の南限を特定の緯度に置くというよりもむしろ、10℃の7月の等温線の位置に置くことになります。この見方は森林限界線との地理的相関関係を考えた場合とりわけ有効です。(しかし、場所によっては完全に乾燥した風、永久表土層、不毛な土地などの理由から2本の線に分岐して160kmも離れているところもあります。)
この北極の定義によって空中写真や人工衛星の画像を用いて簡単に見分けることができます。尤も、ところどころは森林限界線を明確に定義づけれない事に留意する必要があります。 北極は北極海(これを北アメリカ大陸北辺とユーラシア大陸が囲んでいる)とその外部の島々から成っています。これらの島々には、グリーンランドやノヴァヤ・ゼムリヤの北半分のように、内陸部の氷冠が山のようになっているものもあり、ウランゲル島やカナダ領北極の西部の島々のように標高が低く氷で覆われていないものもあります。それは季節周期的に冬眠する土地なのです。 生物学的生産力はもちろん種の総数も、より南の緯度よりは少ないのです。
強い地表の風が起こって、冬には厳しい風速冷却とたくさんの地吹雪をもたらします。木が繁殖する代わりに草、スゲ、苔、地衣類、潅木などのツンドラの植生がみられますが、これらは全て低くしか生えない植物(短いけれども一気に成長する夏の一時期を除き)一年の殆どの期間を通じ、かちかちに凍っている永久表土で生きているのです。身を守るべき森という恩恵がないため、動物たちはこの極めて厳しい環境を如何に生き抜くかを学ばなくてはならないのです。

海水が温かく栄養分に富んだ亜北極ではセイウチ、クジラ等が増えている。

北極海は地中海の2倍ほどの面積を占める大きな海洋です。シベリア沿岸に広い大陸棚があるものの、深さも相当あり中心部は4,000mにも達します。その大部分が平均3mの厚さのパックアイス(凍った海氷)で覆われていますが、氷丘脈が発達しているところではもっと厚さがあります。氷は風や潮流の影響を受けて北極海盆の回りを漂流していますが、ブリザードの時期にはバラバラに砕けそしてまた凍結します。南方への唯一の大きい排出路はスバールバル諸島とグリーンランドの間です。ベーリング海峡の表層潮流は北へ向かって流れています。夏には氷は薄くなり、パックアイスの縁は北の方へ160km以上も後退します。北極地方で最も寒い場所は北極点(North Pole)ではなくてシベリアであるということがこの海で生じる海洋気候から説明がつきます。海洋生物という点から見ると、北極海域は漂流するパックアイスの層で永久に覆われているため陽光が表層水に深く入り込んで生物の生長を助長し促進することなど決してありません。加えて、海水は垂直方向に安定しており、日のあたった上層の生命が生きていくには不可欠の(燐酸塩、硝酸塩、珪酸塩といった)無機質塩を湧昇させることがありません。この結果、本来の海洋北極海は、冷たいままでそれほど生物もすんでいません。微生物の植物プランクトンからセイウチ、クジラに到る植物連鎖の総合領域を取り巻く動植物の急増が見られるのは、陸地付近かあるいはパックアイスが季節周期的に形成される、海水が暖かく栄養分に富んだ亜北極に限られます。 クォーク・エクスペディションズ社、北極資料より翻訳