出てくる用語の意味
※多年生草本:二年以上生存する植物
※常緑小低木:一年中緑の葉をつける、樹高が約1m以下のもの
●分類:バラ科/チョウノスケソウ属 ●形態:常緑小低木
●草丈:高さ5~15cm、幅5cm以上
●花弁の数:8~10枚
●花弁の色:白
●分布エリア:北半球の高緯度地方、日本では北海道や本州中部以北
●学名:Dryas octopetala
バラ科。マット状の塊を地表面に作ります。葉はオーク(日本名:ナラ)の葉に似た常緑の葉で、細長い楕円形をしています。花は白色で、花弁は8枚。花の中心には黄色のおしべがあり、めしべ、おしべ共に多数ある。果実は羽毛状で、風で飛ばされます。アイスランドの国花にもなっています。
適潤土壌を好みます。高山の砂礫地にも生息しています。雪がたまるところにもしばしば見られます。
●分類:ユキノシタ科/ユキノシタ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ2~8cm、幅5~30cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:赤紫、たまに白
●分布エリア:北極、北半球の高緯度地域に広く分布。ロッキー山脈やアルプスにも生息。
●学名:Saxifraga oppositifolia
ユキノシタ科。茎が横に伸び、多数に分岐し、それが絡んでマット状の塊を作ります。小さく硬い葉が重なって、四稜形になっています。赤紫色の花が茎の先に1個咲かせ、心地よい香りがします。
乾燥した場所と湿った場所両方に生息し、北極のツンドラを代表する植物です。
●分類:ユキノシタ科/ユキノシタ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ3~12cm、幅3~8cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:白
●分布エリア:北極、北半球の北部広範囲に渡る。
●学名:Saxifraga cernua
ユキノシタ科。茎は直立型。葉は手のひらのような形で葉の先に3~7つの窪みがあります。各葉の根元には特徴的な赤い粒のようなムカゴを付けています。茎の先端に白い花を1個だけ咲かせます。
密な植生の肥沃な湿った場所によく生息します。
●分類:ユキノシタ科/ユキノシタ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ4~10cm、幅4~12cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:クリーム色
●分布エリア:北半球の北部広範囲、北極域全域。
●学名:Saxifraga caespitose
ユキノシタ科。地表に根葉が平らに並んだロゼットから成ります。葉は深い切れ込みがあり、ロゼットの中心から緑から赤茶色の茎が直立して伸びます。茎の先端に1~2個のクリーム色の花を咲かせます。おしべは10本あります。
乾いた場所から湿った場所まで様々な場所で生息しますが、多くの場合地滑りや肥沃な土壌を好みます。
●分類:ユキノシタ科/ユキノシタ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ4~10cm、幅4~8cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:黄色
●分布エリア:北半球の高緯度地方に広く分布します。
●学名:Saxifraga hirculus
ユキノシタ科。茎の葉は小さく、細い線形か笹のような形で、ほとんどの葉は根元に集まり、3~6枚の残りの葉が花茎に広がっています。根葉の塊の中心から茎が伸び、先端に1個の黄色い花を咲かせます。
湿地に生息します。
●分類:ツツジ科/イワヒゲ属 ●形態:常緑小低木
●草丈:高さ5~15cm、幅5cm以上
●花弁の数:5枚
●花弁の色:白
●分布エリア:北半球の高緯度地域、北極ツンドラ地域に広く分布
●学名:Cassiope tetragona
ツツジ科。枝分かれして、地面を這うように伸びています。葉は鱗のように重なり、ひも状を形成し枝に4列に配置します。先端に鐘の形をした白い花を咲かせます。
斜面や酸性の土壌によく生息しています。雪が溜まりやすい所にも生息します。常緑性のため、チョウノスケソウより雪による庇護が必要としていると考えられています。
●分類:ナデシコ科/マンテマ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ2~8cm、幅5~25cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:ピンク
●分布エリア:北半球の高緯度地方
●学名:Silene acaulis
ナデシコ科。葉が密集してドーム型のクッション状の塊を作ります。その大きさは20~30cmにもなります。クッション状の塊の表面を覆うほどのピンクの花を咲かせます。花は最初、クッション状の南側に咲かせるため、「ツンドラコンパス」と呼ばれています。
一般的には寒冷な地域に生息しますが、湿った場所から乾燥した場所まで様々な所で見られます。
●分類:カヤツリグサ科/ワタスゲ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ12~30cm、幅2~6cm
●花弁の数:-
●花弁の色:花びらは無い
●分布エリア:北半球の中緯度以北の広範囲。日本では北海道に分布するが、絶滅危惧種に指定されている。
●学名:Eriophorum scheuchzeri
カヤツリグサ科。直立型で、葉は茎の根元に固まって生えています。花茎の先に一個の花穂(穂のような形で咲く花)を咲かせます。花後、花被片(おしべやめしべを保護する器官)が伸びてそれが綿毛となります。8月の夏の終わりに最もよく見られます。
ミネラルが豊富な平らな湿原によく分布しています。
●分類:タデ科/ジンヨウスイバ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ5~20cm、幅5~15cm
●花弁の数:4枚
●花弁の色:緑
●分布エリア:北半球北部に広く分布。
●学名:Oxyria digyna
タデ科。長い柄に腎形の葉をつけます。花茎の先端に総状花序(柄のある小花が円錐形に並び、下から咲くもの。下の花ほど柄が長いので三角錐状になる。)が咲きます。花は緑色をしています。果実には赤い広い翼があります。葉はビタミンCが豊富で酸っぱく、サラダによく使用されます。
寒冷なツンドラに広く分布します。やや湿った土壌を好みます。
●分類:キンポウゲ科/キンポウゲ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ5~15cm、幅4~10cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:黄色
●分布エリア:北極域
●学名:Ranunculus sulphurous
キンポウゲ科。直立型。楔形の根にダークグリーンの手のひらの様な形をした葉がついています。花茎は褐色で、先に1個の花を咲かせます。少し光沢がある花です。
湿ったツンドラなどの土壌の安定した場所に見られます。肥沃な土壌を好みます。
●分類:アブラナ科/トモシリソウ属 ●形態:二年生草本
●草丈:高さ1~20cm、幅2~30cm
●花弁の数:4枚
●花弁の色:白
●分布エリア:北極海域の島、グリーンランド、ユーラシア大陸北部沿海部
●学名:Cochlearia officinalis
アブラナ科。地表に根葉が平らに並んだロゼットから成ります。根葉に長さ1~3cmの柄があり、先に細長い卵型などの葉が付いています。花茎の先に多数の花を咲かせます。
海の近くや海鳥の営巣する崖の下などによく見られます。肥沃な湿潤地にもよく分布します。
●分類:キク科/タンポポ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ4~8cm、幅5~8cm
●花弁の数:複数
●花弁の色:黄色がかった白
●分布エリア:北極圏、グリーンランドなど
●学名:Taraxacum arcticum
キク科。長さ3~10cm、厚さ2~4mmの葉5~8枚が地表面にロゼットを形成しています。ロゼットの中央に中が空洞の花茎があります。茎はピンクまたは赤で、下向きに湾曲しています。
乾いたツンドラ、北向きの斜面などに分布します。
●分類:ツツジ科/ツツジ亜属 ●形態:常緑小低木
●草丈:高さ4~12cm、幅10cm以上
●花弁の数:3枚
●花弁の色:ピンク又は紫
●分布エリア:北極圏全体
●学名:Empetrum nigrum
ツツジ科。葉が茎に密生するため、マット状になります。果実は直径6~8mmの球状で、光沢のある黒又は紫がかった黒をしています。果実はビタミンなどが豊富で鳥などのえさになっています。
斜面などに生息します。
●分類:ナデシコ科/ミミナグサ属 ●形態:多年生草本
●草丈:高さ5~10cm、幅5~15cm
●花弁の数:5枚
●花弁の色:白
●分布エリア:カナダ北極圏
●学名:Cerastium arcticum
ナデシコ科。茎の根元に楕円の形をした葉が集中しており、地表に密生しています。茎にも葉にも薄い毛が付いています。花びらは英名にもあるようにネズミの耳のような、細長いハートの形をしています。
乾燥した場所から湿った場所まで広範囲に生息しています。
●分類:ヤナギ科/ヤナギ属 ●形態:落葉小低木
●草丈:高さ8cm、幅30cm
●花弁の数:-
●花弁の色:赤
●分布エリア:北半球高緯度地方、北極域
●学名:Salix reticulata
ヤナギ科。地表にマット状に形成します。地面の下に広範囲に枝分かれした地下茎を持ちます。地下茎は黒褐色、地上の茎はより細長く赤茶色です。葉は小さく丸みを帯びていて、表面は濃い緑色でやや光沢があります。裏面は薄い緑色で白い毛が密生しています。和名の通り、表面はちりめん状になっています。葉のついた枝の先には直立した褐色の小花から成っている花穂をつけます。
乾いた場所から湿地まで様々な場所に生育します。