グリーンランド(Greenland)

〇人口:56,171人

〇国土面積:2,166,000km²

〇最高峰:ギュンビョルン山(3,694 m)

〇地形:険しい岩山の海岸線

 

概要

グリーンランドの醍醐味は岩場やフィヨルドが立ち並ぶ海岸沿いで味わえます。この巨大な島に点在する小さな町を結ぶ道路がないのは、その好例です。海岸は氷山、氷河、深いフィヨルド、山々、広大な荒野の無限のリールのようです。
グリーンランドはデンマークの自治領で独自の議会を持っています。公用語は西グリーンランド語(カラーリット語/Kalaallisut)ですが、多くの人がデンマーク語と英語を話します。グリーンランドの人々はアウトドア派です。実際、グリーンランドはカヤック発祥の地と言われています。
風景は荒々しく、人々は温かく迎えてくれます。
グリーンランドには伝統的なイヌイットのコミュニティ(古代チューレ人の子孫)があり、古い文化を理解することに情熱を持った旅行者には魅力的です。また、ホッキョクグマやジャコウウシ、ザトウクジラ、セイウチ、オオワシ、トナカイなど、他に類を見ない野生生物を見ることができます。そしてもちろん、オーロラと呼ばれる緑、紫、赤の光が夜空に舞う光景も見逃せません。

 

目的地のハイライト(Destination Highlights)

 

●イルリサット・アイスフィヨルド(Ilulissat Icefjord)

世界的に有名なイルリサット・アイスフィヨルドは、グリーンランドの氷床からグリーンランド西海岸のイルリサットの町のすぐ南にあるディスコ湾まで、西に40kmにわたって続いています。アイスフィヨルドは美しいだけでなく、巨大な氷の塊が氷の張った北極圏の海に衝突する「氷河崩落」を見ることができる世界有数の場所でもあります。2004年にユネスコの世界遺産に登録されました。

 

●野生動物(Wildlife)

グリーンランドには世界のジャコウウシの40%が生息していると言われています。また、広大で人里離れた原野や深いフィヨルド、自然保護区には、ホッキョクグマ、シロナガスクジラ、イッカク、ナガスクジラ、ザトウアザラシ、ワモンアザラシ、珍しい北極圏の鳥など、その他の野生動物の自然な生息地となっています。

 

●スコルズビスーン、東グリーンランド(Scoresbysund, East Greenland)

バケットリストには世界最大のフィヨルドの訪問が含まれているでしょう。グリーンランドの東海岸にあるスコルズビスーンの本体は、全長約110km、水深1,450mに達しています。現在のイヌイットの祖先である古代チューレ人は1800年頃までスコルズビスーンに住んでいました。このフィヨルドにはアザラシ、イッカク、ホッキョクグマ、ジャコウウシ、ガン、海鳥などが生息しています。

 

●イルリサット(Illulissat)

グリーンランドの文化を知りたい人にはイルリサット(人口4,905人)がお勧めです。1741年に設立され、ヌーク、シシミウトに次いで3番目に大きな集落で、博物館や美術館が多数あり、グリーンランドの歴史を深く知ることができます。伝統的なコーヒーの集まりであるカフェルニク(kaffernik)に参加できる地元のお店も見逃せません。冒険好きな方は犬ぞりやカヤック、ハイキングなどに挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

●ヌーク(Nuuk)

グリーンランドの首都ヌークは世界で最も小さな首都(人口17,000人)ですが、訪れる人に忘れられない体験を提供しています。街のウォーターフロントにはセルミシアク山(Sermitsiaq mountain)を背景に色鮮やかな家々が並び、絵のように美しい街と言われています。ヌークはフィヨルドの上に位置し、滝や氷山が見える珍しい街です。
グリーンランド国立博物館は考古学的、文化的、歴史的に貴重な資料を展示しています。

 

 

 

見所(Top Things to See)

●オーロラ(Aurora Borealis)

夜空を彩る自然現象としては、オーロラに勝るものはないといっても過言ではありません。オーロラの緑、紫、赤の光は、地上80kmから640kmの高さまで広がっています。グリーンランドでは9月下旬から4月にかけて、この色とりどりの光のショーを見ることができます。

 

●プリンス・クリスチャン・サウンド(Prins Christian Sund)

全長105kmのプリンス・クリスチャン・サウンドは、後にデンマーク王クリスチャン8世となった王子にちなんで名付けられたフィヨルドで、氷河の崩落や切り立った崖、ギザギザの山など、フィヨルドや水路が迷路のように入り組んでいます。グリーンランド南部の水路はグリーンランドの最南端近くにあるサミソク島やファーベル岬群島の他の島々と本土を隔てています。

 

●北東グリーンランド国立公園(Northeast Greenland National Park)

グリーンランドの北東部に位置するグリーンランド国立公園は972,000km²の広さを誇り、世界で最も大きな国立公園です。気象学者や数人の軍人を除き、人間は住んでいません。この公園には世界のジャコウウシの40%が生息していると言われており、ホッキョクグマや沿岸部にはセイウチや各種のクジラも生息しています。
その他の哺乳類としては、ホッキョクギツネ、オコジョ(尾の短いイタチ)、レミング、ホッキョクウサギなどがいます。

※オコジョはイタチ科イタチ属に分類される動物の1種。別名ヤマイタチ(山鼬)、エゾイタチ(蝦夷鼬)、クダギツネ(管狐)と呼ばれます。

 

●ウマナック(Uummannaq)

小さな島のウマナックは、世界でも数少ない狩猟と漁を中心とした伝統的な生活を営むイヌイットの島のひとつです。
グリーンランドの西海岸に位置し、かつてはチューレ人(現代イヌイットの祖先の名前)と呼ばれていました。1763年に設立され、約1,200人のイヌイットが暮らしており、北グリーンランドで2番目に大きな町です。国土の約80%は、厚さ4kmにも達する氷床に覆われています。

 

●タセルミウト・フィヨルド(Tasermiut Fjord)

冒険家たちは 「北極圏のパタゴニア 」と呼んでいます。グリーンランド南西部に位置する全長70kmのタセルミウト・フィヨルドには、クライミングの世界では「ビッグウォール」と呼ばれる岸壁を登りたいと願う世界中のクライマーや登山家が集まってきます。タセルミウト・フィヨルドへは、グリーンランド語で 「Polar Bears (ホッキョクグマ)」または、「Place Where the Polar Bears Go(ホッキョクグマが行く場所)」を意味するNanortalik(ナノタリック)島からボートでアクセスします。

 

注目ポイント(Points of Interest)

 

イトコルトルミット(Ittoqqortoormiit)

多くの人はイトコルトルミット(人口:約450人)がグリーンランドで最も孤立した町であると信じています。1年のうち約9ヶ月間、海氷がこの町への船のアクセスを妨げているので、それは事実かもしれません。
グリーンランド国立公園の近くにあるイトコルトルミットは、1925年にタシーラクからの入植者と西グリーンランドからの数家族によって設立されました。真の大自然を探索したり、グリーンランドの伝統的なライフスタイルを体験したり、「犬ぞり」に挑戦したりすることに憧れる人にとっては天国のような場所です。イトコルトルミットに住む多くの人々は、今でもアザラシ、ホッキョクグマ、イッカク、ジャコウウシなどを狩っています。

 

●イガリク(Igaliku)

グリーンランド南部クヤレックにある人口約50人の小さな村イガリクは、グリーンランドで最も古い羊飼いの集落で歴史好きな人は、12世紀初頭に建てられたガーダー大聖堂(中世のグリーンランドで最大の教会)と司教の住居の赤い砂岩の遺跡を見に行きます。

 

●グヤダー(Kujataa)

グヤダーの史跡は、氷冠の端にあるノース人やイヌイットの農耕に関連する遺跡や遺物があります。ここでは、イヌイットの農家の跡や、かつて地元の農場の一部であった畑や牧草地など、ノース人の入植地に関連する遺跡を見ることができます。

 

●フヴァルセー遺跡(Hvalsey Ruins)

フヴァルセー聖堂は、グリーンランドで最も保存状態の良いノース人の遺跡で、グリーンランドのノース文化の最後の記録である1408年9月の結婚式の記録が残っています。南グリーンランド最大の町、カコトックの近くにあるフヴァルセーのフィヨルドには様々な遺跡があります。

 

●エラ・オヤ(Ella Oya)

エラ・オヤ(またはエラ島)は、北東グリーンランド国立公園内にあるハイカーのためのパラダイスです。その周りには、高く険しい崖、氷に覆われた海、そして美しい青い氷山に囲まれています。ハイカーは急な登りに挑戦することになりますが、空色の氷山、険しい崖、ツンドラなどの素晴らしい景色を見ることができます。

 

いつ行くべきか(When to Go)

●オーロラ鑑賞のベストシーズン(Best Time to See the Northern Lights)

9月から10月。
暗くなるにつれてオーロラが見えやすくなるため、オーロラ鑑賞にはシーズン後半が適しています。