※このページはヘリテージ社(Heritage Expeditions)の資料より日本語に訳して公開しています。

 

コマンドルスキー諸島

COMMANDOLSKY ISLANDS

 

 

概要(OVERVIEW)

コマンドルスキー諸島はベーリング海峡に位置し、カムチャッカ半島の東にあります。1741年にコマンダーのヴィトゥス・ベーリングによって発見され、名づけられました。

発見当時は無人島でした。

1825年にアリューシャン列島からアレウト属がロシアの毛皮貿易を拡大し、島の主権を主張するためにコマンドルスキー諸島に移住しました。

メードヌイ島とベーリング島の両方に移住しましたが、現在ではベーリング島の北西端の人口約800人の村にコリスコエという小さな村に住んでいます。

 

コマンドルスキー諸島とその周りの30マイルの海域は、1933年に連邦自然保護区に宣言し、ユネスコの生物圏保護区の世界ネットワークにも含まれています。世界遺産にも推薦され、バードライフインターナショナル、国立オーデュボン協会とロシア鳥類自然保護連合によって世界的に重要な鳥の生息地として挙げられています。動植物はアジアとアメリカ起源の種が混ざり、驚くべき素晴らしさです。

 

 

地理(GEOGRAPHY)

 

地理情報(Geographical Information)

コマンドルスキー諸島は南からベーリング海に接する壮大な海底火山の尾根の頂で、アリューシャン列島の弧の西側を形成しています。この島の弧はアジアと北米を結び植物や動物が移動した橋だと考えられています。

 

地域(Area)

島のトータル面積は185,379haで、海洋保護区を含めると、3,648,679haです。

 

最高高度(Max Altitude)

最も標高が高い地点は海抜755mです。海洋保護区を含め深海地点は7,030mです。

 

地形的特性(Physical Features)

島には山のツンドラ、牧草地、沼地、海岸エリアがあります。2つの大きな島はベーリング島とメードヌイ島で、2つの小さな島はアリカメン島(Arii Kamen)島とトポルコフ島でその他に多くの小島があります。

 

動植物(FAUNA AND FLORA)

植物相と植生(Flora and Vegetation)

山のツンドラはガンコウランとヘザーに覆われています。植生はArctus alpine、エゾツツジ、ツツジ属aurea、ミネズオウ、Motley-grass meadows、コイワガリヤス、チシマフウロ、ハクサンイチゲに代表されます。

湖や川の湿地帯があり、ワタスゲ、柳、ミズゴケやエゾオグルマ、Leymus mollis、Ammodenia peploide、Mertensia simplicissimaが生息し、海岸線のエコシステムを作り出しています。

 

鳥類ハイライト(Birding Highlights)

合計で203種類の鳥が島で記録され、6種の固有種とウミスズメなどの鳥の亜種がいます。ここで見られる25種の鳥がロシアのレッドデータブックで絶滅のおそれがあるとして挙げられています。たくさんの種が回遊種で、島に繁殖のために毎年やってきます。19種の海鳥が毎年岩崖に沿って巣を作ります。その総数は100万羽と推定されています。

 

哺乳類(Mammals)

島は海生哺乳類の多様性と豊富さにとって重要な場所です。キタオットセイは世界中の個体数の22%にあたる225,000匹が生息していると考えられています。トドやラッコは、18世紀に毛皮ラッシュのため絶滅の危機に瀕した後、現在は比較的昔の個体数に回復しつつあります。

保護区の海には18種類のクジラやイルカが生息していますが、10%或いは56%が絶滅の危機に瀕しています。島は極端に隔絶されているため、陸地の哺乳動物は稀です。島で発見されたホッキョクギツネは世界で最も古く孤立した犬のような集団を構成しています。