フランクリン海軍大佐が指揮する129名の隊員と2隻の軍艦からなるイギリスの北極海探検隊は、1845年5月19日、イングランドのテムズ川河口のグリーンハイスを出港。

この探検隊の目的は、ヨーロッパとアジアを結ぶ北西航路の中でまだ航海されていない部分の発見であった。

しかし、探検隊は、カナダ北極圏のキングウィリアム島に近いビクトリア海峡で氷に閉ざされてしまった後、消息が不明となった。

以来、約30年にわたり大捜索が行われたが、探検隊の消息は依然として不明のままであった。

それから169年後の2014年、パークス・カナダ(カナダ国立公園管理局)とカナダ王立地理学協会が合同で大がかりな捜索を行い、9月8日、

キングウィリアム島沖のビクトリア海峡の海底に眠る1隻の船の残骸を発見。フランクリン探検隊のH.M.S.エレバス号と確認された。

その後、2016年には、カナダ北極圏の科学研究活動を支援する北極研究財団(Arctic Research Foundation)という非営利団体の探検家たちによってH.M.S.エレバス号の発見地点よりもさらに北方の海底に眠るH.M.S.テラー号を発見。フランクリン探検隊の謎が解き明かされつつある・・・