北極点(North Pole)

 

〇地形:氷、海

 

概要

北極点。誰にも所有されず、誰もが欲しがる場所。資源がないにもかかわらず、北極点は何十年もの間、さまざまな国の羨望の的でした。ロシア、デンマーク、カナダは、世界の頂点に位置する氷に覆われた謎の地、北極点の領有権を主張しています。南極大陸にある南極点とは異なり、北極海の中央に位置し常に変化し続ける氷の上にある北極点。恒久的な居住地はありません。厚さ2〜3mの氷が毎年移動するため、長期間にわたって公式な目印を設置することは実際には不可能です。

世界の頂点に立つことができるということで、多くの人が「テラ・インコグニタ(未知の大地)」と考えている北極点への旅行者を魅了しています。最も近くに人が住んでいるのは、北極点から約800km離れたヌナブト準州クィキクタアルク地域のエルズミア島にあるアラートです。北極点に行くには砕氷船とヘリコプターが標準的な手段です。北極点には、どの方向を見ても南であるという別世界のような雰囲気があります。北極点に到達することは、宇宙の広大さに畏敬の念を抱くことです。

 

目的地のハイライト(Destination Highlights)

●北緯90度に立つ(Standing at 90° North)

地球の最上部に到達することは多くの旅行者にとって待望の瞬間であり、非常に感動的なものとなります。
中には限られた人しか足を踏み入れることのできない、世界の頂点に立っていることを実感する人もいます。(北極点へは年間約1,000人しか行くことができません)北極点に到着したときにシャンパンで乾杯するのも不思議ではありません。

 

●フランツ・ヨーゼフ・諸島への訪問(En route visit to Franz Josef Land)

北極点から約900km、モスクワからは約3,000kmの距離にあるフランツ・ヨーゼフ諸島は、ユーラシア大陸の最北端に位置する192の島々です。重い氷河に覆われたこの群島はユーラシア大陸で最も北に位置し、すべてが北極圏に属しています。1865年にノルウェーの海兵隊が最初に発見しましたが、1873年にオーストリア・ハンガリー帝国の探検隊が島の存在を報告し、フランツ・ヨーゼフ皇帝の名を冠して命名しました。

諸島は1926年にソビエト連邦に併合されました。

 

 

 

見所(Top Things to See)

●熱気球体験(Hot Air Balloon Rides)

北極点では熱気球の係留飛行で氷上から30mの高さまで上昇し、地平線の向こうに広がる雪をかぶった氷の尾根や巨大な裂け目、ターコイズブルーの雪解け水、氷に覆われた地形などを俯瞰することができます。静寂に包まれた世界の頂点に浮かぶ体験は一生に一度のものです。

 

●ヘリコプター遊覧飛行(Helicopter Flightseeing)

50イヤーズ・オブ・ヴィクトリーに搭載のヘリコプターで広大な氷の大地の上空を飛行し、滅多に訪れることのできない北極点の大きさを実感してください。

 

注目ポイント(Points of Interest)

「50 イヤーズ・オブ・ヴィクトリー」砕氷船の旅(50 Years of Victory:Journey on an ice-breaker)

北極点での体験に欠かせないのが原子力砕氷船「50 イヤーズ・オブ・ヴィクトリー」です。象徴的な存在であるこの船は厚さ2.5mの氷を砕くことができるスプーン型の船首を持ち、アルクティカ級で初めて建造した世界最大級のパワーを誇る原子力砕氷船です。ヘリコプターを搭載している「50 イヤーズ・オブ・ヴィクトリー」は他の船が行けない場所にでも行くことができる船です。この砕氷船は1年のうち9カ月間、シベリアの航路を商船に開放するための作業船です。北極圏の夏にはレストラン、設備の整った客室、図書館、バー、ラウンジ、プレゼンテーションスペースなどを備え、旅行者を北極点に安全にご案内いたします。

 

●大自然(Wilderness)

ホッキョクグマやホッキョクギツネは、時折、北極点に移動する数少ない動物種です。漂流する氷は予測不可能な生息環境です。常に氷が移動しているため、定期的な移動ルートもなければ、子育てのための巣穴を作ることもできません。

北極点の海底の生態系は、氷の上よりも変化に富んでいます。氷の下にはエビやイソギンチャク、小さな甲殻類などが生息し、アークティックコッドの餌となっています。ときには数頭のワモンアザラシ(たまに迷い込んでくるホッキョクグマの餌)が目撃されることもあります。

イッカククジラのような大型の海洋哺乳類が観察されることもありますが、そのような目撃例は稀です。北極点には鳥類もよくやってきます。地球上のどの種よりも長い年間移動をするキョクアジサシは、春から夏にかけて北極圏で過ごしますが、北極点まで到達することはほとんどありません。北極点で観察される他の渡り鳥には、小型のユキホオジロ、カモメに似たフルマカモメ、ミツユビカモメなどがいます。

 

いつ行くべきか(When to Go)

●最適な季節(Ideal Season)

6月から7月にかけては、24時間太陽が出ているため、絶好の観賞機会となります。

 

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