スヴァールバル諸島(Svalbard)

 

〇人口:2,884人

〇面積:61,022km²

〇最高標高:ニュートントッペン/Newtontoppen(1,713m)※スピッツベルゲン島

〇地形:氷河、山、氷山、フィヨルド

 

概要

スピッツベルゲン島はノルウェーのスヴァールバル諸島最大の島で、ノールアウストランネ島(北東島)、バレンツオイヤ(バレンツ島)、エッジ島の3つの小さな島も含まれています。よく「白夜の国」と呼ばれています。また「北極圏の野生動物の首都 」としても知られています。北極点から約1,300km離れたスピッツベルゲン島は、1年のうち4ヶ月間は真っ暗(極夜)ですが、4月に太陽が戻ってくると日が長くなり6月頃には太陽が沈まなくなります。そのため、ホッキョクグマやセイウチ、トナカイ、ホッキョクギツネ、ベルーガ(シロイルカ)、アザラシ、海鳥などの野生動物を観察に適しています。
1920年代にスピッツベルゲン条約によってノルウェーの主権が正式に認められるまでは、スヴァールバル諸島は実質的に無人島でした。スピッツベルゲン島に位置する群島の行政の中心であるロングイェールビーンは、炭鉱の町として始まりました。現在では、野生動物、氷河、フィヨルドに焦点を当てています。

 

目的地のハイライト(Destination Highlights)

●ロングイェールビーン(Longyearbyen)

世界最北の都市であるロングイェールビーンはスピッツベルゲン島にあり、スヴァールバル諸島の首都です。
1906年に炭鉱の操業を開始しましたが、第二次世界大戦中に当初の町の多くが焼失し、炭鉱もなくなってしまいました。現在のロングイェールビーンの人口は2,368人でアートギャラリー、博物館、パブ、学校、大学、スポーツ施設などがあり、ノルウェーの北極圏を探索するための玄関口となっています。

※スヴァールバル博物館や北極点探査の歴史をテーマにした北極点博物館は、探検する北極圏について知るために訪れる価値があります

 

●スミーレンブルグ(Smeerenburg)

スミーレンブルグという名前は「脂身の町」という意味で、それこそがこの町がもともと設立された理由です。17世紀前半、この町は捕鯨基地でした。鯨の死骸を煮込んだオーブンの残骸がセメントのように残っているのが、当時の面影をよく表しています。捕鯨の歴史を残すために多くの努力がなされています。周辺にはフィヨルドや高い氷河、険しい山々などの景観が広がっています。スミーレンブルグには17世紀と18世紀に命を落とした捕鯨船員を称える記念碑があります。

 

●モナコ氷河(Monaco Glacier)

モナコ氷河(Monacobreen)はスピッツベルゲン島最大の氷河のひとつで、リーフデ・フィヨルドにあります。その名は、1906年と1907年にモナコ公国のアルベール1世が探険して氷河を調査したことに由来します。氷河の裾野は幅約7km、高さ約60mで、その青みがかった色合いは人々の目を引きます。フィヨルドに沿ってゾディアッククルーズをすると、氷河の崩落を目の当たりにすることができます。ホッキョクグマはアザラシの群れを捕食するために、この地域を頻繁に訪れます。

 

●7月14日の氷河(14th of July Glacier)

7月14日氷河は島の北西部に位置するホーコン7世ランドにある全長16km(総面積76km²)の氷河です。
この湾にはムラサキハマシギ、ホンケワタガモ、カオジロガン、キョクアジサシなどが生息しています。また、近くの崖には少数のニシツノメドリが営巣しており、スヴァールバル・トナカイやホッキョクギツネがくで目撃されることもあります。

 

 

 

見所(Top Things to See)

●アルケフィエッレ(Alkefjellet)

アルケフィエッレは「鳥の山」と訳され、スヴァールバル諸島で最も素晴らしい鳥の崖のひとつです。スピッツベルゲン島とノールアウストランネ島の間にあるヒンローペン海峡の水域から垂直にそびえ立つ玄武岩の断崖は、約6万ペアのハシブトウミガラスの生息地となっています。高さ100mにも達する切り立った岩壁は、ホッキョクギツネやシロカモメの餌食となっている鳥たちに、保護的な営巣地を提供しています。

 

●野生生物(Wildlife)

スピッツベルゲン島はホッキョクグマの生息地として知られていますが、島とその海域にはセイウチ、クジラ、アザラシ、ホッキョクギツネ、スヴァールバルトナカイなども生息しています。ホッキョクグマは島の北部を徘徊していることが多いのですが、どこでも見ることができます。一般的にはアザラシを食べますが、トナカイ、セイウチ、甲殻類、鳥、鳥の卵、クジラの死骸なども食べます。
ホッキョクグマはクマ科の動物の中で最も大きい動物で、雌の体重は150〜350kg、雄は300〜700kgが一般的です。

 

●スピッツベルゲン島の鳥類(Birds of Spitsbergen)

スピッツベルゲンには海鳥が特に多く生息しています。 約30種の鳥がここで繁殖することが知られています。最も多く見られるのはヒメウミスズメとハシブトウミガラスです。ミツユビカモメなどのカモメも生息しており、3種類のトウゾクカモメ(クロトウゾクカモメ、希少種のトウゾクカモメ、シロハラトウゾクカモメ)を見ることができます。
他にも、フルマカモメ、ホンケワタガモ、カオジロガン、コザクラバシガンなどの鳥類や、ハイイロヒレアシシギ、ムラサキハマシギなどのシギ・チドリ類がよく見られます。アビは、ツンドラの小さな湖の近くに生息する傾向があります。
攻撃的な性格のキョクアジサシは簡単に見つけることができますが、なるべく近づかないようにしましょう。

 

 

注目ポイント(Points of Interest)

南スピッツベルゲン国立公園(South Spitsbergen National Park)

南スピッツベルゲン国立公園はスピッツベルゲン島の南端に位置し、Wedel Jarlsberg Land, Torell Land and Sørkapp Land.を含みます。公園内には4つの鳥類保護区があり、そのうちの1つであるIsøyane Bird Sanctuaryは湿地帯で、カオジロガン、ホンケワタガモ、ミツユビカモメ、ハシブトウミガラスなどが繁殖しています。
→南東スヴァールバル自然保護区の詳しい説明を見る

 

●北西スピッツベルゲン国立公園(Northwest Spitsbergen National Park)

この国立公園にはボックフィヨルデン・フィヨルドの端に位置するトロル温泉とヨツン温泉という2つの温泉があります。これらの温泉は北緯80度に位置し、地球上で最も北にある温泉として記録されています。公園内にはニシツノメドリ、キョクアジサシ、ムラサキハマシギなどの北極圏の鳥類が生息しています。
→北西スピッツベルゲン国立公園の詳しい説明を見る

 

いつ行くべきか(When to Go)

●ホッキョクグマを見るためのベストシーズン(Best Time to See Polar Bears)

5月から8月。この時期は氷が十分に解け、船がまだ氷の張った海を航行できるようになります。餌を求めて流氷を追いかけるホッキョクグマの姿がよく見られます。24時間輝き続ける自然光(白夜)は、写真撮影に最適です。