バレンツオーヤ(Barentsoya)
北緯78°51’東経21°89′

バレンツオーヤは面積約1,300㎢の四角い島です。名前の由来となったウィレム・バレンツは1594~1597年の間に数度にわたって北極海探検に来ていました。

最後の探検の際、スピッツベルゲンとビュルノーヤを発見し、その後ノヴァヤゼムリヤ諸島で越冬中に47歳で死亡しています。

 

バレンツオーヤ

バレンツオーヤの面積の半分以上はベセル、ウィリー、フリーマン、ダックウィッツの四つの氷河に覆われています。なかでも南に流れているフリーマン氷河が1950年代にフリーマン海峡を塞いでしまうほど発達したことがありました。

 

カップ・ヴァルドブルグ/上陸観光

バレンツオーヤがスピッツベルゲン島の一部ではなく、独立した島であることが分かったのも19世紀半ばに入ってからというほど観測も難しい場所です。現在でも上陸できる場所は限られており、南東部にはカップヴァルドブルグという上陸地点があります。

 

カップ・ヴァルドブルグ

沿岸部の平地は浸食された瓦礫が閃緑岩質の崖まで広がっています。崖の小さな割れ目は何千羽というミツユビカモメに恰好な営巣地を提供しています。

 

ミツユビカモメ/カップ・ヴァルドブルグ

雄大な断崖の背景と絶えず飛び交う鳥たちの声との不協和音をお楽しみいただけます。

 

ホッキョクキツネ

ホッキョクキツネが落ちて来る卵やヒナを狙って崖下をウロウロしていることがあります。

 

 

スンドネセット(Sundneset)
北緯78°20’東経21°2′

バレンツオーヤの南西端にあって閃緑岩を基岩としたなだらかな沿岸平地、浅瀬のスンドブクタとその東に続くのがスンドネセットです。

 

スンドネセット/上陸観光

厚いツンドラのコケの間に散らばる大小の湖はアビ、ハイイロヒレアシシギ、コオリガモ、カオジロガンなどの鳥たちの棲家となっています。

 

カオジロガン

断崖の巣で子育てをするのはミツユビカモメ、ハシブトウミガラスなどで、見晴らし台までの30分間、ツンドラの動植物を楽しめることでしょう。

 

 

エッジオーヤ (Edgeøya)
北緯77°86’東経22°91′

エッジオーヤは、スヴァールバル諸島南東に位置する3番目に大きい無人島です。かつてエッジオーヤ近辺では、捕鯨やアザラシ猟が活発に行われていたこともあり、小屋などが残されています。 スピッツベルゲン島とは異なり、エッジオーヤの地形は緩やかです。

 

エッジオーヤ

1973年には、周囲の島々とともに南東スヴァールバル自然保護区に指定されました。ホッキョクグマ、アゴヒゲアザラシ、セイウチ、また南西部にはフルマカモメの営巣地があります。

 

セイウチ/エッジオーヤ

カップリーでは、セイウチの群居地として広く知られています。日中寝そべるセイウチの皮膚がピンク色に染まるのは、体温冷却のために血液を送り出しているためです。

 

 

ストーフィヨルデン(Storfjorden)
北緯77°82’東経19°68′

スピッツベルゲン島とバレンツオーヤ、エッジオーヤの間にある幅150km、長さ200kmの広い海域がストーフィヨルドです。夏でも多くの海氷が残っているため、航行上難しい海域として知られています。

 

ホッキョクグマ/ストーフィヨルド

海氷の多い海域にはアザラシをはじめとする海生哺乳類が多くいる可能性が高いです。

 

 

ドレリット岬(Dolerittneset)
北緯78°8’東経20°81′

エッジオーヤの北西端のリー岬から約1km南にあるのが、周辺の急な崖に沿って湾曲する暗黒色の粗粒玄武岩(Dolerite)の名を取って付けられたドレリットネセトです。ここは、捕鯨、狩猟そして科学観測に至るスヴァールバルの歴史を表しています。

地形は広い丘陵地、急な崖、そして美しいツンドラの組み合わせです。 急な崖ではシロカモメ、ハジロウミバト、ヒメウミスズメなどが子育てをし、ツンドラではホッキョクヤナギやチョウノスケソウなどの植物とともにケワタガモ、ムラサキハマシギ、ハシブトガンなどが繁殖しています。

 

ハジロウミバト

18世紀頃、ロシア白海地方から移住したポモール族の名残は、狩猟基地跡の土台と煉瓦の欠片だけです。

ノルウェーの狩猟小屋は、荒廃してはいますが、まだ立っており、その中の一軒は珍しい8角形です。その小屋の北側には、3世紀にもわたる殺戮の証拠であるセイウチの骨がたくさん散らばっています。今では生きているセイウチと海鳥の繁殖風景を見る事が出来るでしょう。

 

 

フリーマン海峡(Freemandsundet)
北緯78°23’東経21°69′

北のバレンツオーヤと南のエッジオーヤの間にある幅6km、長さ約35kmのフリーマン海峡は、1619年にスピッツベルゲンを訪問したイギリスのモスクワ会社(イギリス初の勅許会社)の一重役の名前を付けたものですが、夏まで海氷が詰まっている事が多い場所です。

1956年から数年にわたってバレンツオーヤからのフリーマン氷河が極度に成長して海峡を埋め尽くしてしまった事がありました。流氷も多く潮流も早いため航行上の難所で、測量もほとんどされていません。

 

 

ネグリブリーン(Negribreen)
北緯78°34’東経19°2′

スピッツベルゲン島で最大の氷河のネグリブリーンです。スピッツベルゲン東部から氷帽の大部分は、ネグリブリーンの20kmの氷河の末端を通り、ストーフィヨルドに流れ込みます。近年、ネグリブリーンの一部が急加速、急増し、荒々しく深いクレバスを見せ、いくつかの切れ目をもたらしました。また水面から70mの高さまでそびえ立っています。