ゾディアック・ボート

南極観光で本船から離れた海岸に上陸する為にゾディアック・ボート(以下、ゾディアック)と呼ばれるエンジン付きゴムボートを利用いたします。ゾディアックは過酷な条件下での航行にも耐える堅牢な仕様のエンジン付きゴムボートで、どなたでも安全にスムーズに乗り降り出来る様になっています。

ゾディアック・クルージング

ゾディアックは大きく膨らんだ数個の部分が連結された構造になっており、たとえ一部が破損しても他の部分に影響が出ない様に設計されています。底面は平らになっていて、小石だけだったり雪に覆われたりしている沿岸でも滑らかに上陸することが可能です。ゾディアックからの乗り降りの際に波打ち際の浅瀬を歩かなくてはならない場合があります。

上陸観光

 

ゾディアック・ボートの注意事項

安全なゾディアック利用の為に以下の事を守ってくださいますようお願い致します。

1.出発前に適切な装備をしましょう。

●常に防水のパンツとジャケットを着用してください。

●防水パンツは長靴の中に入れないでください。

●持参するアイテム(替えの手袋、水、バックパックなど)

 

左側は×。防水パンツは長靴の中に入れてはいけません。

 

2.ライフジャケット

ボートに乗船する際は安全のため、常に着用して下さい。天候や海況に関わらず着用が義務付けられています。

 

ゆるみがないよう、しっかりと締めてください。

万が一、海に転落してしまった場合は、ライフジャケットが自動で膨らみます。

 

3.ボートに乗る時は、カメラ、双眼鏡、手袋などバックパックに入れ、両手を空けた状態にしてください。

三脚など大きな荷物はスタッフがお手伝いします。※バックパックはライフジャケット着用後に、背負ってください。ボートに乗船後、リュックは背負わず足元へ置いてください。

 

4.スタッフの指示に従い、順番に下船します。

下船の際は、人数把握のため、スタッフに名前と客室番号を伝えるか、船内で配布されるIDカードをスキャンします。(船により方法が異なります。)

IDカードをスキャン

 

直接スタッフへ伝える場合もあります。

 

5.下船の際は、ブーツを消毒します。

 

6.ゾディアック乗り場(ギャングウェイ)までは急な階段を降りることもありますので、手すりに掴まりながらゆっくりとお進みください。

 

7.ボート乗下船の際は、ゾディアック・ドライバーと乗組員の両方の手助けを受けて、「船乗りの握手」と呼ばれる両手首を握り合う方法で行ってください。※通常の握手は手が解けてしまい、危険です。

船乗りの握手

 

8.ボートの縁→ステップ→腰を下ろして所定の位置へスライドします。

その後、背負っていたバックパックを足元へ置いてください。

ボートの縁へ一歩

ステップへ一歩

 

腰を下ろして所定の位置へスライド

 

9.ゾディアック・ボートが揺れる時は、黒いロープにお掴まりください。船首はより弾み、揺れます。ドライバー近くの席が一番揺れません。

 

10.ゾディアック・ドライバーの指示に従ってください。航行中に立ち上がることは禁止です。

止まってほしい時やスピードを落としてほしい時はドライバーにお伝えください。

 

11.ボート航行中にカメラを使用することはできますが、水しぶきがかかることがありますのでご注意ください。

撮影スポットではボートを停め、ドライバーの許可を得てから立ち上がって撮影することができます。ボート内ではみなさんが写真を撮りたいと考えていますので、譲り合いながら撮影をお願いします。

 

12.上陸の際、船首側より順に降ります。はじめにボートのヘリに腰を掛け、片足を挙げて跨ぎ、残りの足を持ってきて降ります。上陸の際は、常にスタッフの指示に従ってください。

 

陸側に背を向け、おしりで回って降ります。

 

岩場での上陸は滑りやすいのでお気をつけください

 

上陸地によって下船方法が異なる場合があります。

 

13.上陸後、ライフジャケットを所定の場所で外し、観光をお楽しみください。

 

14.帰船後、ブーツや三脚などについた泥を洗い流し、消毒液につけてください。

 

15.スタッフに帰船のチェックを受け、お戻りください。

 

防水対策

船内放送で陸地の状況と予想される気候を事前にお知らせ致します。

波や風が強い時はボート航行中にしぶきでリュックサックが濡れる可能性が高くなります。カメラや双眼鏡などはジッパー付のビニール袋に入れておくことをお勧め致します。

また、手袋が濡れた時のために予備の手袋をリュックサックに入れておくとよいでしょう。

 

ゾディアック・ボートの非常設備

ゾディアック・ボートには以下の設備を搭載しています。

1.予備の燃料

2.非常用の食料

3.緊急時用の設備

4.パドルと救命ロープ

5.パンクしたら、それ以外の隔室に詰めて座ることができますのでご安心ください。

 

ゾディアック・ボートから転落した場合(Man Over Boat)

・ゾディアック・ドライバーの横に座っている2名のお客様以外は、床に座ってください。

・ゾディアック・ドライバーの横に座っている2名のお客様は、着座したまま、海に転落した人を指さし続けてください。

・ゾディアック・ドライバーの指示に従って落ち着いて行動してください。

・転落者はロープを投げられたら、袋ではなくロープにしっかりと掴まってください。

 

 

訓練です(イメージ)

 

・ゾディアック・ドライバーが海に転落した場合、安全コードが抜ける事によりエンジンは自動的に止まりますので、お客様は床にお座りください。

 

・エンジンをスタートさせたりしようとせずに、ゾディアック・ドライバーが泳いで帰ってくるまでお待ちください。救命ロープやパドルを使って頂いても構いません。