クルー&スタッフ
ウェイター(Waiter)
レストランで飲食サービス全般を担当するスタッフ。レストラン全般を目配り、気配りしているヘッド・ウェイター、各テーブルに担当するテーブル・ウエーター、その補助をするアシスタント・ウェイター(バス・ボーイともいう)がいる。
エクスペディションスタッフ(Expedition staff)
上陸観光やゾディアックボートの操縦、観光中の安全管理を行うスタッフ。海洋生物、鳥類、地質、歴史など様々な分野の専門家やカヤックや登山などアウトドア・アクティビティに精通したスペシャリストたちがメンバーに含まれている。エクスペディションチームをまとめるエクスペディションリーダーを中心に、極地観光でのガイドや船内でのプレゼンテーションを行います。
オフィサー(Officer)
士官。上級乗組員。➔クルー
キャビンアテンダント(Cabin Attendant)
客室(キャビン)担当の客室係。キャビン・クルーともいう。男性の場合はキャビン・ボーイ、キャビン・スチュワード、女性はキャビン・スチュワーデスとも呼ぶ。ベッドメイキングやキャビンの清掃、ルームサービスなどが主な職務。お客様には最も身近な存在。
キャプテン(Captain)
船長。コマンダー(Commander)ともいう。客船の総指揮官・最高責任者。制服は肩章、袖章に4本の金筋。船の運航部門の総指揮官であると同時にホテル部門を含めた最高責任者としてキャプテン主催のキャプテンズ・パーティーではメイン・ホスト役を務める。また、ディナーでは中央にキャプテンズ・テーブルが設けられて、キャプテンがVIPや誕生日などの特別ゲストをテーブルに招く。時にはダンスのお相手役を買ってでるなど、総指揮官として厳しい表情を見せる一方、柔和な海の男としてお客様の相手も務める。
クルー(Crew)
下級船員を指す。航海士、機関士、通信士、船医、事務長などの上級乗組員はオフィサー(Officer)と呼ばれる。また、オフィサーを含む運航部門のスタッフを総称してクルーと呼ぶこともある。
クルーズ・ディレクター(Cruise Director)
船内イベントやエンターテイメントなどクルーズ中のレクリエーションの企画、演出、運営の最高責任者。ステージ・マネージャー、スポーツ・インストラクターなどを統括する。船内のお楽しみプログラムを支えるクルーズならではの役職。乗船直後に開かれるクルーズ説明会(オリエンテーション)では司会も務める。
スタッフキャプテン(Staff Captain)
副船長。安全航海やセキュリティの責任者。キャプテンがパーティーなどで接客しているときは運航業務の総指揮を執っている。バイス・キャプテン(Vice Captain)ともいう。
チーフエンジニア(Chief Engineer)
機関長。エンジン、発電機などの運転や整備にかかわる機関士、操機手を指揮・監督する。
テーブルスチュワード(Table Steward)
ダイニング・レストランでのテーブル付きのウェイター。着席が指定されるシーティングの場合はテーブルスチュワードが毎日、同一人物になることが普通。
パーサー(Purser)
事務員。その長がチーフ・パーサー。職務の範囲は広く、船内の金銭管理は総てパーサーに依る。接客、CIQの手続き、物品購入、郵便物の管理、船内新聞の発行、貴重品預かり、客船関連の各種サービス、クルーの人事までこなす。
バスボーイ(Bus boy)
アシスタント・ウェイター。ウェイターがサービスするときの助手、補助役
バトラー(Butler)
元来は執事の意味。クルーズでは乗客の個人秘書的存在でダンスのパートナーなどパーソナルなリクエストに応じて、マン・ツー・マンで対応してくれるスタッフ。日本の高級旅館の仲居さんサービスを欧米のホテルが導入されたともいわれている。クルーズではきめ細かなサービス対応としてラグジュアリー・クラスの船などで導入されている。
ホテルマネージャー(Hotel manager)
クルーズ船は浮かぶホテルでもある。そのホテル部門の最高責任者がホテルディレクター。ホテルのGM(総支配人)に該当する。キャプテンに直結する要職。お客様へのサービス、ソフト部門の総責任者でチーフ・パーサー、クルーズ・ディレクターをはじめシェフ、カジノ、メイトル・ディーなどを統括している。
メイトル・ディー(Maitre D’)
給仕長(レストラン・マネージャー)。正式にはメイトル・ドテル(Maitre D’hotel)と言う。ダイニング・ルームの入口でお客様のシーティングを決めるのがメイトル・ディー。お食事や食事中のサーボスの責任者で、お客様の相談役、要望の窓口でもある。シーティングなど食事に関するリクエストはメイトル・ディーへ。
ワインスチュワード(Wine Steward)
ワイン係。ソムリエの事。
船体&船内施設
アフト(Aft)
船尾。船の後部。スターン(Stern)。↔船首:フォア(Fore)、バウ(Bow)
アンカー(Anchor)
錨。通常、船首部分に左右一対ずつ格納されている。小島や接岸できない港やサンゴ礁の近くに停泊するような場合にアンカーを下ろす。通常のクルーズでは岸壁へ着岸するのでアンカーは使用しない。
カジノ(Casino)
船内エンターテイメントの1つ。外国船ではカジノ収入の比率が高く、クルーズ料金を低下させ、大衆料金を実現させる要因にもなっている。日本籍船は、公海上であっても、国内法(刑法)で現金を賭けることが認められていないので、獲得したチップ数に応じてロゴグッズなどの景品が提供されている。
キャビン(Cabin)
船室のこと。主として客室をいう。キャビンの種類、グレードは面積、位置によって決まる。船の外側に面して、バルコニーや窓があるアウトサイドキャビンなどがある。また上方階ほど高級キャビンになるのが一般的。
ギャレー(Galley)
船の調理室。ダイニング・レストランをはじめ、クルーズ船には数種類のレストランがあるので、ギャレーも複数になる。シェフやコックはイタリア、スペイン、オーストリア、モーリシャスなどの人が多い。
ギャングウェイ(Gangway)
乗/下船の時に使われる取り付け式のタラップ。舷門。船員仲間をギャングと呼称したことから、船への出入りタラップに転じた。
航海用電子海図(ENC/Electronic Navigational Chart)
航海用電子海図。デジタル化された海図。
コンシェルジェ(Concierge)
クルージング中のよろず相談スタッフ。船内のファシリティ、イベント、レストラン、ショア・エクスカーションなどの案内や予約手配も行う。ホテルのコンシェルジェと同等な職務。元の意味は門番。
自動船舶識別装置(AIS/Automatic Identification System)
自動船舶識別装置。船舶の識別符号、種類、位置、針路、速力、航行状態およびその他の安全に関する情報を自動的にVHF帯電波で送受信し、船舶局相互間及び船舶局と陸上局の航行援助施設等との間で情報の交換を行うシステム。
スターボードサイド(Starboard Side)
船首に向かって右舷をいう。面舵、つまり進行方向の右側をさす。舷灯は緑色。バイキング時代の船は右舷に操舵装置(スティア:Steer)が装備されていた。これが転じてスティア・ボードからスターボードになったといわれる。舵が右舷から出ていたので着岸するときは支障になった。このために着岸は左舷で行われるようになった。↔ポートサイド、左舷
スターン(Stern)
船尾、アフト
スペシャリティレストラン(Speciality Restaurant)
ダイニング・レストラン、カフェテリア、コーヒーハウスなどの他に船内に設けられているレストラン。イタリアン、メキシカン、中国、カリフォルニア、アジア各国、そして和食など世界各地の味覚を専門店スタイルでサービスしている。乗客の自由度と選択幅を拡大して、好みに応じた食事が楽しめる様に多くのサブ・レストランを設けるクルーズ客船が増えてきた。
船籍国
船舶が登録されている国(港)のこと。すべての船舶は、船籍を持つことが義務付けられ、登録国の法律に従い、船舶の検査、税金の支払いがなされる。外航船は外国の領海では船尾に船籍国の国旗を掲げる。
ゾディアックボート(Zodiac boat)
エンジン付きのゴムボート。探検クルーズで、上陸観光の際に、乗客の送迎やクルージング観光で使用されます。本船では行くことのできない、狭い水路や浅瀬、氷山への接近などへのアクセスを可能。また桟橋のない場所や浜辺、岩場など自然な場所にも上陸することができます。
タグボート(Tugboat)
曳船のこと。パイロットや船長からの指示に従い、大型船の船首や船尾を押したり引いたりして移動させたり、方向を変えたりして安全に離着岸させる。
ダビット(Davit)
救命艇の昇降機。ボート・ダビットともいう。
デッキ(Deck)
甲板。クルーズでは船内の各階層を指す。クルーズ船や会社によってデッキ名は一定ではないが基本的には、搭乗ゲートやレセプションがある階層はメイン・デッキ、屋根付きで雨天でも船内歩きができるプロムナードデッキ、最上階でスポーツ施設がまとめられているオープン・デッキ、プールがあるプール・デッキなどがある。デッキ事に機能が異なっているので、クルージング中はデッキの名称を覚えておくと便利。
テンダーボート(Tender Boat)
小島や接岸できないときに船と陸の間を行き来する小型ボート。略してテンダーという。救命艇とは異なって、テンダーボートにはそれぞれ名前が付けられて、独立して登録されている。
電子海図情報表示システム(ECDIS/Electronic Chart Display and Information System)
電子海図表示システム。ENCを表示する航海計器。電子海図(ENC)上に、レーダー情報をはじめ、船位、方位、船速などの公開情報を1つのスクリーン上に表示し、安全で効率的な航行をサポートする。
ドラフト(Draft)
喫水。船が水に浮くとき、船体が水中に没している部分の深さ。船の最下部から水面までの垂直の長さ。
トン(Ton)
船の重量、容積などを表す基準。船の客積を表すトンが総トン(Gross Tonnage)、純トン(Net Tonnage)。また、重量を表示するものとして排水トン(排水量トン)、載貨重量トンなどがある。クルーズ船は通常、総トンで表示されている。
ノット(Knot)
船の速度を表す単位。1ノットは、1時間に1海里を勧む速さ。1海里は1852メートル(地球の子午線の1分の長さ)。一般的にはノットは「結び目」も意味する。昔、一定間隔でマークされた結び目のロープを海中に投げ入れて、一定間隔にいくつの結び目が放出されたかで船の速度を計った。通常のクルーズ船は15~20ノット。
バウスラスター(Bow Thruster)
船首の喫水線下にある横方向への推進器のこと。船尾部分に付くとスタン・スラスター。その両方を指してサイド・スラスターと呼ぶ。着岸、離岸の際に使用されて、タグボートへの依存を減らす。
バース(Berth)
停泊地。転じて桟橋・埠頭(ピア:Pier)、波止場(ワーフ:Wharf)の総称。また客室のベッドの意味もある。
バルバスバウ(Bulbous Bow)
船首の水面下にある球状の突起物。波の抵抗によるエネルギーロスが軽減できるため、スピードも出すことが出来る。
ビルジキール(Bilge Keel)
船底と喫水線との間にあるヒレ状のもの。船体の左右の動きを押さえて安定に保つために左右一対ある。ビルジは船底の湾曲部分、キールは竜骨といい、船底を縦に通る構造材のこと。
ピッチング(Pitching)
船が前後、縦に揺れること。外洋での波のウネリの最大波長は、150mと言われる。したがって、これより長い船ならばピッチングは吸収できて、縦揺れが感じられなくなる。船が大型化するほどピッチングが少なくなるのはこのため。↔ローリング(Rolling)横揺れ。
ビーム(Beam)
船幅。
フィンスタビライザー(Fin Stabilizer)
船の横揺れ(ローリング)防止装置。船体の中央付近に左右一対ある、魚のヒレのような小翼。コンピューター制御によって動揺に対応して船の横揺れを最小限に止める装置。日本人の発明である。ほとんどのクルーズ船に装備されており、これによって船酔いが減少されている。
ファンネル(Funnel)
船の煙突。
フォア(Fore)
船首のこと。へさき、艦首。バウ(Bow)↔アフト(Aft)
ブリッジ(Bridge)
船橋、操舵室。大型船では操舵室が左右に長く、前方左右に架かる橋のような格好をしていることから、こう呼ばれる。
ポートサイド(Port Side)
左舷の意味。昔から港への着岸は左舷で行われていたので、この意味になった。単に「ポート」ともいう。船での慣行は航空機にも継承されており、航空機の搭乗も機首に向かって左側で行われている。ポート・サイド(左翼)に赤色の表示灯が付けられているのも同様だ↔スターボードサイド、右舷。
ポートホール(Porthole)
舷窓。船の丸い小窓。昔の軍艦・海賊船では砲門の意味もあった。
マッドルーム(Mad room)
極地旅行に必要な防寒着やゴム長靴を収納することのできるロッカールーム。船外活動の際には、装備の準備や着替える際に便利なスペースになっています。
ライフジャケット(Life Jacket)
船の横揺れ。フィン・スタビライザー(横揺れ防止装置)の装着でローリングが大幅に解消されている。
ライフボート(Life boat)
救命艇。
ライフボートドリル(Life Boat Drill)
非常時の緊急避難訓練。略してボート・ドリルともいう。各キャビンには緊急避難する際のボート番号が明示され、ライフジャケットが常備されている。旅客が24時間以上船内にいることが予定される航海を行う船舶は、出港前または出港後、ただちにライフボートドリルを実施することがぎむづけられている。ライフボートが備えられている甲板がボートデッキ。
リド(Lido)
デッキ後部のプールなどがある部分。リド・カフェは、カジュアルスタイルの喫茶室やレストランを指す場合が多い。「リド」の本来の意味は屋外プール、海岸の保養地。
レセプション(Reception)
ホテルのフロントに該当するサービス・スポット。各種の相談や郵便物の発送、遺失物の問い合わせなどお客様の色々な質問、サービスに対応する。通常、メイン・デッキにある。
ローリング(Rolling)
船の横揺れ。フィン・スタビライザー(横揺れ防止装置)の装着でローリングが大幅に解消されている。
船内サービス
ウェルカムパーティー(Welcome Party)
出港当日、または翌日の夜に行われる船長主催の歓迎パーティー。
オールインクルーシブ(All-inclusive)
元々は、移動、宿泊、食事、エンターテイメント等をふくんだ込々の料金という、クルーズのレジャーとしての料金の特性を説明するために広く使われてきた。近年は、ラグジュアリー船などで採用している、チップやアルコール代(特別高価なものは除外)などもすべてクルーズ代金に含めたシステムを「オールインクルーシブ」と呼んでいる。
オンボードクレジット(On Board Credit)
一定額付与されるもので、船内での買い物(ドリンク、物品、ショアエクスカーションなど)や有料サービス(クリーニング、スパなど)に利用できる。通常、譲渡や換金、返金は不可。
オンボードブッキング(On Board Booking)
乗船中に次回クルーズを予約すると、一定の割引が適用されるリピーター制度。
ガラパーティー(Gala Party)
クルーズ中に開かれる最も華やかで盛大なパーティーのこと。ディナーでは最も豪華な料理がサービスされる。船長主催のパーティーを指す事もある。「ガラ」はイタリア語で「祝典」「お祭り」の意味。
クルーズカード(Cruise Card)
乗船証明カード。当該クルーズの乗客である事を証明するカードで身分証明書、キャビンのカードキー、クレジットカードの登録書などを兼ねた万能カード。乗船時に発効され、下船の時はこのカードで精算する。また、寄港地で乗船/下船するときは提示を求められ、セキュリティ確保にも役立っている。
ショアエクスカーション(Shore Excursion)
寄港地での観光旅行。オプショナルツアーになるのが一般的である。半日、1日のツアーから次の寄港地まで数日かけて列車やバス、航空機で旅行するオーバーランドのショアエクスカーションも少なくない。乗船前に予約できるが、寄港直前に船内で申し込むことが多い。
セイルアウェイパーティー(Sail away Party)
出港時にプロムナードデッキなどで行われる出港セレモニー。
デイリープログラム(Daily Program)
船内の日替わりイベントやアクティビティ。前日の夜にキャビンへ届けられる船内新聞で案内される。
デッキプラン(Deck Plan)
船内の平面見取り図。各階層(デッキ)ごとにキャビンやレストラン、シアターなどの配置が表示されている。パンフレットやブローシャーに掲載されている。船首は右側か上方に位置して表示される。乗船しなくてもデッキプランを読み取ることでお客様のクルーズ・ライフが想定できて、説明も具体的になる。クルーズセールスの第一歩はデッキプランの解読から始まるといっても過言ではない。
ドレスコード(Dress Code)
夕方から就寝までの船内ナイトライフの服装基準。カジュアル、インフォーマル(セミフォーマル)、フォーマルの3段階に分けるものが一般的。
ファーストシーティング(First Seating)
2回に分けてダイニングで食事するときの第1回目の食事、または席順。第2回目の食事はセカンド・シーティング。また、2回に分けてダイニングで食事することをツー・シーティングという。クルーズ中のダイニングの着席順は最初の食事で決められてしまうことが多い。通常は変更できないが、お客様同士の了承を得て、失礼にならない限り、変更する事が出来る。テーブルの席順を決めないシステムをフリー・シーティング、オープン・シーティングという。
フェアウェルパーティー(Farewell Party)
下船前夜、開かれるお別れパーティー。
リキャップ&ブリーフィング(Recap & Briefing)
エクスペディションスタッフにより、その日に起きた出来事や見たもの、訪れた場所、歴史、動物の生態などをおさらいします。また明日の予定や天候、船内イベント、その他の案内事項についてなどを発表するプレゼンテーションを行います。
その他
インターポート(Inter port)
コース上の複数の港を発着港として、乗客が乗下船できるシステム。広域な市場からの集客が可能となる。乗客によっては、自宅近くや便利な港で乗下船できるなどの利点がある。➔ホームボート
インマルサット(Inmarsat)
国際海事衛星機構(The International Maritime Satellite Organization)のこと。1979年に設立。サービス開始は1982年。静止軌道に打ち上げられた9つの衛星により、船舶をはじめ航空機、陸上交通機関による電話、テレックス、ファックス、パソコン通信などの世界的な利用を可能とするシステム。
海上人命安全条約(SOLAS条約)
SOLAS条約(International Convention for the Safety of Life at Sea)のこと航海の安全を図るため、船舶の検査、証書の発行などの規定を設け、船舶の構造、設備、救命設備、貨物の積み付けに関する安全措置等の技術基準を定めている。
海洋汚染防止条約(MARPOL条約)
MARPOL条約(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships)のこと。海洋汚染の防止を目的に、船舶の構造や汚染防止設備等の技術基準を定めている。
カボタージュ(Cabotage)
国内輸送権。国内輸送は該当国籍船でなければできない。外国籍船が寄港しても、例えば横浜~神戸間の国内輸送が出来ないのはこのため。外国籍船は寄港しても国内館での輸送は禁止されている。貨物船、航空機も同じで国内企業の擁護策となっている。アメリカのクルーズ会社の多くは税制上の利点からクルーズ船をパナマ籍、バハマ籍にしている。このため、ハワイ諸島間やロサンゼルス/サンフランシスコ間の国内輸送が出来ない。
国際海事機関(IMO)
IMO(International Maritime Organization)のこと。1958年3月に政府間開示協議機関IMCO(Inter-Governmental Maritime Consultative Organization)としてロンドンに設置された。1982年5月、IMOに名称変更。海上の安全、運航の能率および海洋汚染の防止等、海運に影響する技術的問題や法律的な問題について、政府間の協力を促進するとともに、最も有効な措置の採用や条約等の作成を行っている国連の専門機関。
国際信号旗
他船や陸上とのコミュニケーションに使用される旗1858年、英国で制定された国際通信書によって世界的に統一されている。アルファベット旗、数字旗、回答旗、代表旗がある。
〈アルファベット旗の主な使用例は次の通り〉
■G旗=本船は水先人が欲しい
■H旗=水先人を乗せている
■P旗=本船は出港するので全員帰船せよ(港内の場合)
■Q旗=本船は健康であり、検疫を求む。別名イエローフラッグ
■W旗=本船は医療の援助が欲しい
チャート(Chart)
海図のこと。
パイロット(Pilot)
水先人。運航が制限される水域や強制水先区域に指定されている港湾では船長の助言者という立場で船舶の操縦を指揮する。各海域には専門の水先人が常駐して安全航海を支えている。船長など長いキャリアを持つ人が多い。航空機の機長(パイロット)はこれに由来する。
パナマックス(Panamax)
2016年拡張以前の旧パナマ運河を通航し得る最大船型で、船幅約32m。拡張後のパナマ運河を通航し得る最大船型はネオパナマックスと呼ばれ、船幅は約49m。
ファンネルマーク(Funnel Mark)
船の煙突に表示されている船会社のサイン、マーク。旅客機の尾翼のマークに当たるもの。ロゴマークや文字を描いているもの、色で表示するもの、ストライプで示すものなど多種ある。遠くから見ても船名や船会社が分かるように、ファンネルマークは船には欠かせない表示である。
ポートチャージ(Port Charge)
入出港に要する費用で、入港料、水先料、曳船料、岸壁使用料、網取/放し料などがある。日本船ではクルーズ料金に含まれているが、外国船では別払いになる事が多い。船の大きさ、停泊時間などによって港ごとに定められている。
ホームポート(Home port)
船舶の基点となる港。母港。船会社が船舶を登録、または運航の基地になっている港の事。クルーズでは、クルーズの基点となる発着港を指す場合が多い。➔インターポート
ポンツーン(Pontoon)
浮き桟橋のこと。船が地勢などから接岸できない場合、ポンツーンを使用して、ここを基点にテンダーボートで船と陸の間を行き来する。
ログブック(Logbook)
航海日誌。船長が記入する。航海の記録を毎日、記入する。単にログともいう。
MS(Motor Ship)
モーターシップ(Motor Ship)。MS、M/Sと略して船名の前に表示する。MV(Motor Vessel)と表示する場合がある。➔SS。Steam Ship(蒸気船)