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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

人類の数を上回るオキアミ数

南極のオキアミの個体数は600兆とみられていますが、その平均密度はおよそ1平方kmあたり1,900万匹です。しかしオキアミは特定の地域に群れを作って集まる傾向があります。
世界の海岸にいるオキアミの総重量は人類の総数より重いと考えられます。

オキアミは4℃以下の水温でしか生息できませんが、南極種は、平均で7年位生きられます。これは動物プランクトンでは並外れた生存率です。
最近の研究では冬に植物プランクトンが少なくなると成長したオキアミが小さな幼体に後退することが分かってきました。
夏が訪れるとオキアミはその生殖器を再生し、再び繁殖のサイクルに入り始めます。雌は1シーズンに最多6,000個の卵を産み、これが外洋に沈殿します。
卵は1,000~2,000mほど沈み、孵化すると小さなおたまじゃくしに似た幼体になります。この動物は生体になるまでに12回の脱皮をしなければなりません。オキアミはしばしば海面の真下で密集した大群となりますが、その際海面がピンク色に染まります。この群生行動の理由はまだ解明されていませんが、どうやら光の強度とオキアミの餌である植物プランクトンがどれだけ得られるかという要素にかかっているようです。群れは常に等しい成長段階にある仲間たちの集まりで、その捕食動物は特に苦労せずに食べ物にありつくことができます。

オキアミは様々な点で不思議な特性を持っています。他の動物プランクトンと異なり海水よりも体重が重いので沈まない様に絶えず動き続けていなければなりません。
オキアミは10本の足を櫂(かい)のようにこぎ続けて水中では、おおよそ55°の角度で漂っています。そのエネルギーの40%が海中で位置を保つために費やされます。
十分な食物が見つけられなかったり、弱い固体だったりすると、オキアミは海の底に沈んで酸欠のために窒息してしまいます。

(南極旅行&南極クルーズ6-15)