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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ミズナギドリ科

ミズナギドリ科の海鳥のほとんどは、アホウドリくらい大きいオオフルマカモメを別にすれば小型または中型の鳥で、長く尖った翼と、二つの鼻孔が一つの鞘に収められた曲がったくちばしを持っています。
多くの鳥類学者は、その長い鼻管によって塩類線でこし取った体内の余分な塩分を濃塩水の形で顔からより遠くに飛ばす事が出来ると見ています。
顔の羽毛にこの塩滓(かす)がべったりつくと南極に棲む鳥にとっては命取りにもなりかねませんから南極では体を清潔に洗ったり毛づくろいしたりする機会がほとんどないのです。これらの鳥は繁殖期を除いて生涯を海で過し、南大洋で起こる最も厳しい嵐にも適応して生きています。彼らがグライダー飛行をしたり、方向転換して傾けた翼の先で水面をかすめて飛んだりしているのを見かけます。
ミズナギドリ科の鳥は長期間深く睡眠をとらずに飛び続けても耐えられると考えられています。

これらの管鼻類の鳥は主に水面で捕らえたプランクトン、甲殻類、イカ、小魚を食べています。しかし捕食性のオオフルマカモメは他の鳥の雛や卵を捕り、あるいは弱い成鳥や腐肉、換羽中のペンギンまで狙います。
捕鯨業者やオットセイ猟師たちはその捕食性と、侵入者に悪臭の油を吐き掛ける習性をみて「臭いやつら」(Sトンinkers)と呼んでいました。
ミズナギドリ科の鳥には水掻きがあり、身体が全く沈まず海面に浮かんで水をかきながら餌を探します。必要になれば海の中に少しだけ潜ることもできますが、浮揚性が強いため数秒以上潜り続けるのはかなり難しいのです。
殆どの種が群居性で繁殖期には大きなコロニーを形成するものもあります。
だいたいが土に掘った穴の中、岩の割れ目、岩棚を巣とするのですが、オオフルマカモメなどの2~3種類の鳥は実際に石や羽根、その他なんでも手に入るもので巣を作ります。

ミズナギドリ科の全ての種が普通一個の卵を産んで雌雄が交代で卵を温め、雛に餌をやります(常にどちらか一方が餌を探しに巣を離れると、もう一方が巣に残って卵や雛の世話をします)抱卵期間は種によりまちまちですが6週間から8週間が普通です。雛は親が吐き出す餌を口移しにもらいますが、その食べ物はしばしば非常に臭く多脂肪の分泌物から成り立っています。
特にオオフルマカモメなどは、この油を侵入者に吐きかけて身を守ります。
育巣期間はたいてい7~8週間ですが、大型種では14~19週間を要します。

(南極旅行&南極クルーズ6-27)