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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

シャチ

シャチまたはオルカはイルカの中では最大で、おそらくクジラ目の中で一番簡単に見分けられる種類でしょう。シャチは中型で、雄の体長9.5m、雌は7mに達します。頭部が丸くずんぐりした体をしています。体色はかなり印象的です。
体の大部分がつやつやした黒で、これとは全く対照的に腹部はくっきりとした白でこれが脇腹に続いています。そして眼のすぐ後ろに白点があり、背びれの後ろには灰色の鞍(くら)状の模様があります。
一番目立った特徴はその巨大な背びれですが、クジラ目の中では最も長く尖ったものを持っています。成長した雄はこの背びれが真っ直ぐ上に向いて2m近くにもなりますが、雌や若い雄の背びれは曲がっていてサメの背びれのような形をしています。

シャチは通常5~20頭の複合家族の群れを作り移動します。これらの集団は大変団結力があり、獲物を捕るときや他のクジラの面倒をみるときなどはお互いによく協力し合います。シャチは非常に貪欲でイカやサメ、エイ、魚、海鳥、アザラシ、さらには他のクジラも食べます。大型のクジラがシャチの群れに襲われることもあり、まるでヘラジカを襲う狼の群れのようです。
しばしば南極を航行する船上からシャチを見かける事がありますが、そのシャチは、船をみると進路を変更して近寄りしげしげと観察する様子を見せることもあります。また獲物を探す為に立ち泳ぎをしながら水面に頭を出してぴょんぴょんと「偵察跳び(スパイホッピング)」をしているのを見ることがあります。

(南極旅行&南極クルーズ6-58)