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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

オキアミ王国

南極の動物プランクトンは比較的種類が多様化しており、他の海で見られる様なカイアシ類、甲殻類の幼虫、クラゲ、ウニ、ヒトデの幼虫、ヤムシ、稚魚など多くの種類が生息しています。
しかし何と言っても動物プランクトンの中で圧倒的に多いのがオキアミなのです。

オキアミを意味するクリル(Krill)はノルウェー語に由来し、非常に小さな魚、またはクジラの餌の意味ですが、生物学的にはオキアミは甲殻類に属します。
世界には85種類ほどのオキアミがいますが、このうち11種類は南極水域だけで見られます。最も知名度が高く重要なのは最大の長さが5cmのナンキョクオキアミ(Euphausia superba)です。
これは非常に豊富で、南極にいる大きな動物生存の要となっています。

南極の食物連鎖は他の海のものよりはるかに単純で、一次生産者の珪藻類から高位の肉食動物(海鳥、アザラシ、クジラなど)までの段階が他の地域よりも少なくなっています。興味深いのは植物プランクトンを食べるオキアミが食物連鎖の重要なリンクを形成しているように見えることです。
なぜなら南大洋に生息するオキアミは、何百万もの魚、イカ、ペンギン、アホウドリ、ミズナギドリ、アザラシ、ヒゲクジラ類などの主要な餌になっているからです。実際に私たちが南極で出会う殆どの生物が直接的あるいは間接的に大量のオキアミに依存して生活しているのです。

(南極旅行&南極クルーズ6-14)