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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

サヤハシチドリ科

サヤハシチドリはふっくらとして鳩位の大きさをしていて、どちらかと言えば白い鳩に似ています。前三本の指の間に未発達の水掻きがあるだけですが、後ろの指はよく発達しています。体は純白で(屑や泥のなかでゴミあさりをして薄汚れている場合もありますが)ピンク色のたっぷりとした肉垂れがあり、巣籠もり中のペンギンや海岸線に沿ってゆっくりと歩いているのを良くみかけます。

サヤハシチドリは短く丸い羽根で必死な様子で飛んでいます。
泳ぐことができ、時々海で浮氷の上にいるのを見かけます。巣は岩の割れ目か、穴の中あるいは岩棚の下に、石ころ、羽、骨などで作り上げられています。

サヤハシチドリは南極では最も注目すべき腐食動物です。彼らはアザラシの糞、こぼれた(吐き出された)ペンギンの食べかす、アザラシの胎盤、死んだアザラシの幼児、死んだ雛など有機物であればなんでも食べます。
そしてしばしば卵を盗んだり、生きているペンギンの雛を殺したりもします。

サヤハシチドリ類はわずか2種いるだけで、両方とも南極、亜南極諸島で生息しています。よく見かけるのはカオジロまたはユキイロの方です。
これらはサウス・ジョージア島をはじめとするスコシア海の島々や南極で繁殖しています。後者の個体群の一部は冬になると北方の南米やフォークランド諸島を目指して飛んで行きます。カオグロサヤハシチドリも良く似ていますが、この鳥は黒いくちばしをしていてハード島やインド洋の亜南極の島々で繁殖をしています。

(南極旅行&南極クルーズ6-32)