南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

  • ホ-ム > 
  • 南極クルーズ・北極クルーズの手引き

南極クルーズ・北極クルーズの手引き

エンダービー島、オークランド諸島

オークランド諸島も火山性の諸島です。本島は南極海随一豊富な植物群が繁殖しており、維管束植物(シダ類など)は233種を数えます。この諸島は1806年に捕鯨業者のアブラヒム・ブリストーによって発見されました。
歴史上重要な年は1840年で、3人の有名な南極探検家がエンダービー島の対岸にあるオークランド島のロス港に投錨したのです。
最初に到着したのが、パーパス号に乗ったアメリカ人のチャールズ・ウィルクスでした。ウィルクスは自分の発見に満足し、乗組員たちは「チャウダーとフライで到着を祝った」と報告しています。その二日後、フランス人のデュモン・デュビルがアストロラブ号とゼレー号で港に到着しました。お抱えの芸術家ル・ブレトンはロス港で素晴らしい風景画数点を描き上げています。最も重要な訪問者はイギリス人のジェームズ・クラーク・ロスで彼はエレバス号とテラー号を率いてやってきました。
同乗していたのが植物学者のジョセフ・フッカーとデービッド・ライアルで、二人はそれまでに報告された事が無かったものを含めて80種の顕花植物を採取しました。
エンダービー島ではその後の訪問客や居住者たち(アザラシ猟業者やヨーロッパ人、
マオリ族の家族から漂流した人々を含む)によって植生が著しくゆがめられてきました。こうした人々と持ち込まれたたくさんの動物は島の植物相に大きな被害を与えたのです。上陸海岸には小規模の夏季研究センターがあり、その背後には絡み合ったラータ(フトモモ科、フトモモ属)の森が広がっています。

長さ約3km、幅2km足らずの小さなエンダービー島は野生生物の楽園です。
世界に三ヶ所しかないニュージーランド・アシカの主要繁殖地のひとつがこの島にあります。集団繁殖はしない為、世界で最も絶滅の危機に瀕しているキンメ・ペンギン(キガシラ・ペンギン)も他のどの島よりも多くここで繁殖しています。
他にも繁殖中のシロアホウドリ、オークランドヒメウ、オークランドチドリ、それに飛べないチャイロコガモなどもこの島に生息しています。

(南極旅行&南極クルーズ2-27)