南極・北極旅行&クルーズ 株式会社クルーズライフ

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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

南極の氷床

地球の歴史の大部分を通じ、極地、温帯、熱帯といった異なる気候帯の間で、今日ほど際立った相違があった時代は過去に例をみなかったばかりか、古代、両極地には万年氷がありませんでした。それでも両極地は常に低い角度で太陽の放射エネルギーを受けてきたため、熱帯地方より涼しかったのです。それならなぜ今日、これほどまでに大きな違いが生じたのでしょうか。

氷床は地球が徐々に冷えてゆく長い過程で徐々に発達していきました。この冷却は1億5,000万年ほど前に始まり約300万年前まで続きました。科学者たちはこの期間に平均地表気温が約20℃から10℃に落ち込んだものと判断しています。
この気温の落ち込みは恐らく極地方にあった大陸塊と海洋の分布が変化して起こったと考えられます。

極地の構成はこの2億年ですっかり変わりました。というのは大陸間の相対的位置がプレート・テクトニクス(地質構造作用)によって変わってしまったからです。
科学者たちは、極地に、万年氷ができるほど極寒になったのは大陸の陸塊ないし陸に閉じ込められた海で極地の海流の移動が中断させられてからのことだと考えています。両極が海上にあった頃にある間は主だった海流は比較的暖かい海水を低緯度から高緯度へ運び、季節海氷はそれが永久海氷となる間もないうちに散乱させられていたに違いありません。

今日北極は北極海に位置していて、北極海は北米大陸やユーラシア大陸に取り巻かれ、暖かい海流とほとんど混じりあわない為、年間を通じて海氷が存在しています。南極は南極大陸に位置しているため暖かい海水を寄せ付けないだけでなく、大陸の高い標高が万年氷の形成を更に促進しているのです。
この現象は今後も無限に継続する可能性があります。雪原と海氷の輝く白い表面が太陽放射をはね返し、通常の季節による温暖化を妨げているからです。
実際、真夏のごく短期間を除いて、南極大陸の中心部は太陽から受ける熱よりも多くの熱を放射しています。

(南極旅行&南極クルーズ5-28)