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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

サウス・サンドイッチ諸島

サウス・サンドイッチ諸島はキャプテン・クックにより、サウス・ジョージア島に上陸した際と同じ航海の途上、1775年に発見されました。
海軍大臣(一般的には誰もが知っている軽食の発明者として有名ですが)のサンドイッチ卿にちなんでクックが名づけたものです。サウス・サンドイッチ諸島はサウス・ジョージア島とならんで英国海外領土ですが(上記参照)無人島群です。
クックは事実いくつかの島を見ていますが、ロシアのベリングスハウゼン船長が多くを測量した為、ロシア名の島名がつけられています。

サウス・ジョージア島の南東800kmに位置するサウス・サンドイッチ諸島は長さ350kmの海域に連なる11の大きな島と数個の小さな島で形成されており、総面積は約600平方kmになります。
島の山頂は氷に覆われその最高峰はモンタギュー島にある海抜1,370mの山です。気候は寒冷でしばしば雪と強風を伴います。

列島はもともと火山島で、その中のいくつかは現在でも活動を続けています。
例えばザボドフスキー島は絶えず噴火している様で、常に硫黄の臭気が立ち込めています。(火山そのものはアスフィクシア=窒息=火山)と名づけられています。
ビソコイ、キャンドルマス、ソーンダース、ベリングスハウゼンといった島々もすべて明確に活火山の様子を呈しています。ブリストル、クック、チュール島は厚い氷河で覆われ、地熱がある様子や火山活動は全く見当たりません。全ての島々は急勾配の断崖絶壁に囲まれ、海に向かって海中深く(1,500m)急激に落ち込んでいるのが特徴です。
島の周囲の浅い海域はごく狭く、船舶が投錨できる場所は殆どありません。唯一停泊可能と思われるのはチュール島で、1976年にアルゼンチンが海事/科学基地を設けたのもそうした理由からですが、1982年には撤退し、基地の建物はアルゼンチンのサウス・ジョージア島侵攻に使われたとして英国軍が破壊しました。
主として1960年代と1990年代に英国南観測隊が生物学や地質学に関する調査を行った割にはこの群島の事はほとんど分かっていません。しかし少なくともひとつ驚くべき現象があります。ザボドフスキー島の急斜面にはヒゲペンギンの巨大な営巣地があります。この壮大ともいえるペンギン・コロニーを目の当たりすれば誰でも畏敬の念にうたれることでしょう。

(南極旅行&南極クルーズ2-9)