南極のガラパゴス 

サウスジョージア島は、「地球上で最も多くの野生生物に出会える場所」と言われています。10万羽ものキングペンギンが営巣し、海岸には寝転ぶオットセイ、ハーレムと海岸の占拠を巡りミナミゾウアザラシのオス同士が戦いをしばし繰り広げています。上空には、アホウドリやヒメウミツバメなど多くの海鳥が飛んでいます。

■目次 

キングペンギン(オウサマペンギン)

体長:約85~95cm 体重:約10~18kg 食べ物:魚類、イカ

コウテイペンギンに次ぐ大型種で、南極の高緯度部分や亜南極海域の島で繁殖します。頭部とフリッパー(翼にあたる部分)は黒色で、頭の両側と喉から胸にかけての黄色のグラデーションが鮮やかなペンギンです。コウテイペンギンと似ていますが、キングペンギンのほうが細身でクチバシも長く、フリッパーも大きくて長いのが特徴です。

 

キングペンギンの長い子育て

キングペンギンの子育ては約1年という期間を要します。繁殖活動は3年に2回です。1個の卵を産み、その卵をオスメス交代で足の上に乗せて抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれるだぶついたお腹の皮をかぶせて温めます。その期間は約2か月にもなります。ある程度まで大きくなったヒナは、親から離れてクレイシと呼ばれるペンギンの保育所のような集団を作ります。親はその間にヒナたちのエサを採りに行きます。過酷な冬場なので餌も少なく、春を迎える前に飢えて死んでしまうヒナも少なくありません。また、クレイシ期は親は餌だけ与えて、子を守ろうとはしません。ヒナたちはクレイシの中で外敵から身を守り、自力で生きる術を身につけていくのです。

 

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マカロニペンギン

体長:約70cm 体重:約5~6kg 食べ物:魚類、イカ

目の上に生えた黄色の羽が特徴です。名前の「マカロニ」は18世紀のイギリスの言葉からきています。当時、イタリア風ファッションを取り入れていた「伊達男」のことを「マカロニ」と呼んでいました。頭の黄色の羽がマカロニのようなのでマカロニペンギンという名が付けられたようです。抱卵期間は約1か月です。

 

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ゼンツーペンギン

体長:約75~90cm 体重:約5~8.5kg 食べ物:魚類、イカ、オキアミ

コウテイペンギン、キングペンギンに次いで3番目に大きいペンギンです。頭に両目をつなぐ白い帯模様と両側がオレンジ色のくちばしが特徴です。別名温順ペンギンとも呼ばれていて、その名の通り温順な性格をしています。小石を集めて円形にして巣を作ります。多くのペンギンは抱卵期間、長い絶食をしなければならないのですが、ゼンツーペンギンはオスメス毎日交代で抱卵するので絶食期間が短く済みます。

 

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ナンキョクオットセイ

体長:オス約180cm、メス約130cm 体重:オス約180kg、メス約50kg 食べ物:魚類、オキアミ

ナンキョクオットセイはほとんどがサウスジョージア島に生息しています。オスのほうがはるかに大きく、背中はオリーブグレイから銀色で、腹は褐色、真ん中に丸い切り替えがあります。年をとると頭部に鳥冠が生えます。メスは鳥冠も無く、胸や喉が薄いクリーム色をしています。

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ミナミゾウアザラシ

体長:オス約6m、メス約3.6m 体重:オス約4t、メス約1t 食べ物:魚類、イカ

ミナミゾウアザラシは亜南極のほとんど全域にわたる島々に生息しているだけでなく、南極大陸の2、3の沿岸地域にも生息している大型哺乳類です。世界最大のアザラシと言われ、その大きさは北極のセイウチを上回ります。オスの大きい鼻が特徴的です。ハーレムを形成します。

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サヤハシチドリ

体長:約40cm 両翼の長さ:約80cm 食べ物:雑食(ペンギンの卵、腐肉など)

ふっくらとしていて、白い鳩に似ています。前足は三本の足指の間に未発達の水掻きがあるだけで、後ろの指はよく発達しています。巣ごもり中のペンギンや海岸線に沿ってゆっくりと歩いているのをよく見かけます。

 

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マユグロアホウドリ

体長:約83~93cm 両翼の長さ:約200cm 食べ物:オキアミ、魚類

フォークランド諸島やサウスジョージア島にコロニーを営巣します。目の上の眉毛のような模様が特徴です。それが名前の由来にもなっています。生涯の殆どを空で過ごし、最小限のエネルギーで空中に浮かぶグライダー航法に熟達しています。ほとんど羽ばたくこともなく何時間でも飛び続けていられる鳥です。

 

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