フォークランド諸島(Falkland Islands)
〇人口:2,921人
〇面積:12,170km²
〇最高標高:東フォークランド島のウスボーン山(705m)
〇地形:ロッキー、山岳地帯、起伏のある平野部、いくつかの湿地帯
アルゼンチン人は、この群島を「マルビナス諸島」と呼んでいますが、英国人はこの南大西洋の群島をフォークランド諸島として知られています。南米の最南端でありながら、フォークランド諸島は英国の文化と伝統の拠点です。ティエラ・デル・フエゴの北東約400kmに位置するフォークランド諸島は、野生動物(ペンギンや鳥類が多い)とドラマチックな歴史で知られています。イギリスとアルゼンチンの間で主権争いが起こり、1982年にフォークランド紛争が勃発しました。フォークランド諸島は、フォークランド海峡を挟んで東フォークランドと西フォークランドに分かれており、南極大陸に向かう旅行者に人気のある場所です。
●ポート・スタンリー(Port Stanley)
東フォークランド島に位置するポート・スタンリーはスタンリーとも呼ばれ、フォークランド諸島の首都です。
イギリスの典型的な町のようにパブ、教会、小さな博物館が散在し、文化や野生動物が好きな人には魅力的な町です。
主な見どころは、1982年のアルゼンチンとイギリスの紛争で大きな戦いの舞台となったタンブルダウン山や、ジプシー・コーブのマゼランペンギンの営巣地などがあります。
●フォークランド諸島のビーチ(Beaches of the Falkland Islands)
南極の島々には白い砂浜があるとは限りません。フォークランド諸島には数多くのビーチがあり、多くの極地旅行者を驚かせています。
特に南極半島を訪れるクルーズに参加している場合はなおさらです。
ペブル島のエレファントビーチは全長6.4kmにも及び、イルカが頻繁に訪れます。
東フォークランド島のボランティア・ビーチは3.3kmの砂地で、フォークランド諸島で最大のキングペンギンの営巣地があります。
また、フォークランド諸島の北西端にあるカーカス島では、白い砂浜をのんびりと散歩することができます。
●世界最大のマユグロアホウドリのコロニー(World’s largest black-browed albatross colony)
西フォークランド島の北西に位置するスティープルジェイソン島には世界のマユグロアホウドリの約70%が生息しており、世界最大のコロニーを形成しています。
しかし、翼のある生物はアホウドリだけではありません。専門家の推定では、フォークランド諸島には63種の繁殖鳥類と23種の渡り鳥が生息しています。その中でも特に人気があるのはジョニー・ルークスと呼ばれるフォークランド・カラカラで、光り物を盗むのが好きなようです。
●フォークランド諸島の鳥類(Bird species of the Falkland Islands)
ペンギンとの時間を最大限に楽しみたいというバケットリスターにとって、フォークランド諸島は最重要な場所です。
ここには世界で最も多くのジェンツーペンギンが生息しています(121,000ペア以上)。ジェンツーペンギンは鮮やかなオレンジ色のくちばしと、両目をつなぐ白い帯模様が特徴な事で知られています。
マゼランペンギンは両目の真上からあごまで伸びる広い三日月形の白い羽を持ち、栄養豊富なパタゴニア大陸棚とチリ、フォークランド諸島、ブラジルの繁殖地の間を移動することができます。
イワトビペンギンは小さくて目の上の黄色い飾り羽と、頭部の羽毛が長く伸び赤い目が特徴です。
キングペンギンの体長は85~95cmほどで、フォークランド諸島で最も大きなペンギンです。
また、マカロニペンギンは目の上に生えたオレンジ色の羽で識別できます。
●歴史的なドックヤード博物館(Historic Dockyard Museum)
ポート・スタンリーはフォークランド諸島の海の歴史を知りたい人にとって、絶好の寄港地です。
歴史的なドックヤード博物館はフォークランド諸島の海の歴史、最初の入植者の時代からの島の生活、イギリスとアルゼンチンがフォークランド諸島とその属領であるサウスジョージア島・サウスサンドウィッチ諸島の支配権をめぐって争った1982年の6週間にわたるフォークランド紛争で繰り広げられた劇的な出来事などを記録しています。フォークランド諸島に座礁した船の模型や遺物、忘れられない航海の記録などが展示されています。
●カーカス島(Carcass Island)
フォークランド諸島の北西に位置するカーカス島には岩の多い尾根、白い砂浜、険しい崖、隠れた入り江、広々とした平原、豊富な種類のタソックグラス(最後に数えたときには30種以上)など、変化に富んだ地形があり、鳥たちにとって格好の生息地となっています。18世紀にこの地を訪れた船の名前にちなんで名付けられたカーカス島には、フォークランド諸島の固有種であるフォークランドミソサザイやマゼランシギなど、最も捕まえにくい鳥類が生息しています。その他の鳥類としては、砂浜で休むことが多いジェンツーペンギンやマゼランペンギン、波打ち際で泳ぐ姿がよく目撃されるフナガモ、草むらで餌を食べて過ごす鮮やかな赤色のオナガマキバドリなどが挙げられます。
●ウエストポイント島(West Point Island)
フォークランド諸島の北西端に位置するウエストポイント島には、フォークランド諸島の中でも最も素晴らしい海岸風景が広がっています。その西向きの崖のうち、少なくとも1つは高さ380mに達しています。島の面積は1,469haと小さく、人口も2~4人と推定されています。古くから野鳥愛好家の間では、マユグロアホウドリやイワトビペンギンを観察できる特別な場所として島を高く評価してきました。
その他の鳥類としては、ナガモ、チャガシラコバシガン、イワトビペンギン、マゼランペンギン、フォークランド・カラカラ、フォークランドミソサザイなどが挙げられます。
また、周辺の海ではイロワケイルカが頻繁に見られます。
●ブリーカー島(Bleaker Island)
ブリーカー島は決して荒涼とした島ではありません。元々は、巨大な波が海岸に打ち寄せることから「ブレーカー・アイランド」と呼ばれていました。サンディベイと呼ばれる長い砂浜には、さまざまな鳥類が生息しています。湾の北端にはジェンツーペンギンが集まり、島には巨大なキバナウのコロニーがあり、野鳥愛好家にも人気があります。
最適な季節
フォークランド諸島のベストシーズンは晩春から初秋で、南半球では10月から3月になります。