ハナ・ポイント(Hannah Point)
南緯62°39′西経60°37′

サウスシェトランド諸島で2番目に大きなリビングストン島の南海岸にあって、ウォーカー湾の東端に位置していますが、すり鉢状の形から古い火口の一部である事があきらかです。島の名前は1820年に近くで沈没したイギリスのオットセイ猟船「ハナ・オブ・リバプール」にちなんで付けられたものです。

なだらかな斜面にヒゲペンギンとゼンツーペンギンの営巣地が点在しています。時にはヒゲペンギンに混じって2~3羽のマカロニペンギンが見られる事もあります。

ヒゲペンギンの群れに混ざるマカロニペンギン

斜面の上の方には大きなミナミオオフルマカモメの雛が親鳥の帰りを待っています。海岸近くでは3-4週間ほどかかる換毛期をここで過ごすミナミゾウアザラシの群れが圧倒的な存在感を見せています。

そして1月下旬になるとサウスジョージアで生まれたナンキョクオットセイの独身族も将来のハーレム候補地を探しにやって来ます。空にはミナミオオセグロカモメやオオトウゾクカモメが舞い、本船後部の海面では、アシナガウミツバメが水面を蝶のように飛びながら船のスクリュウがかき回す海水に乗って水面に上がってくるプランクトンを、長い足でつまみ上げる姿も見られるでしょう。 

ペンギンの営巣地から流れ出る養分あふれる雪解け水と、夏の間の長い日照時間による活発な光合成作用によりナンキョクカワノリ等の藻類、そして南極で見られる2種類だけの顕花植物、ナンキョクコメススキやナンキョクミドリナデシコなども見られるでしょう。

狭い区域に多種類の動植物が生息しているため、繁殖保護のために1月中旬以降のみの上陸で、なおかつ引率者に従った20名毎の一列縦隊で旗印に辿っての観察となります。  

 

◆ハナ・ポイントで見られる動物達◆

 

©Rlindblad150824