フォイン・ハーバー(Foyn Harbor)
南緯64°33′ 西経62°01′

南極半島中部西岸にある大きなウィルヘルミナ湾北部にあって、ナンセン島とエンタープライズ島に挟まれた捕鯨時代によく使われた係留地です。爆薬付捕鯨銃の発明者であるスヴェン・フォイン(ノルウェー1809-1894年)の名前が付けられた捕鯨母船が係留に使った(1921-22年)ことからこの名前が付けられました。

フォインハーバー

ここの見どころは捕鯨時代の遺品が残る小さな入り江、小島、浅瀬の間をゾディアックボートで回る事でしょう。

捕鯨時代の遺品

ゾディアッククルージング

なかでも忘れてならないのは、エンタープライズ島東部の小さな入り江、ガバナー・ハーバーで錆びついた舳だけを出して沈んでいる元捕鯨母船ガバナー号です。同号は第一次世界大戦前の時点で、従来の皮下脂肪だけでなく、骨や肉も全て船内で処理できる最新・最大の捕鯨母船でしたが、2季目の操業開始直前の1915年1月27日、それまでに貯蔵してあった5,050㎥の鯨油に火が付き大火災を起こしてしまい、今の価値に直して約7億円が燃えてしまいましたが、他の積み荷を救うためにわざと座礁させた85名の乗組員は全員救助されました。今でも波の静かな日には残りの船体部分が水中に見えます。

ガバナー号の残骸

残骸を巣に利用しているナンキョクアジサシが忙しく船窓から出入りし、周辺海域は今でもザトウクジラやミンククジラなどが見られる可能性が高く、水辺の岩にはウェッデルアザラシやオットセイもよく見られます。

 

◆フォイン・ハーバーで見られる動物達◆

ⒸRlindblad20191227