ブラウン・ブラフ(Brown Bluff)
南緯63°32′ 西経56°55′

南極半島の北端にあるホープ湾から約15kmウェッデル海側に回りこんだところにあるタバリン半島東岸にあるのが高さ約750m、の頂上が平らのブラウン・ブラフ(茶色の断崖)で、赤茶色をした凝灰岩の断崖が約11km続いています。

ブラウン・ブラフ

茶色の凝灰岩層の中にたくさんある黒い岩石はハイアロクラスタイト(水冷破砕)と呼ばれる作用でできたガラス質の黒曜石です。100万年ほど前に、約400mもの厚さの氷床下に火口の直径が15km近くもある大噴火が起こりました。その際地中から噴出した溶岩が氷河の溶解水に接して水蒸気爆発を起こして急冷して小さな破片となって飛び散り(水冷破砕)、氷河の下側に堆積したものなので上部が平らです。その後、氷床が後退して水面上に隆起したのです。このあたりは南極で最も氷の状態が厳しいと言われるウェッデル海の定着氷が夏の半ば過ぎまで水面を覆う事が多く、時折崖の上から大きな岩が落ちてきます。

断崖の岩の隙間では南極のアイドルであるユキドリやマダラフルマカモメが巣を作り、水際近くの黒砂の部分ではアデリーペンギン(約2万番)とゼンツーペンギンが子育てをしています。

アデリーペンギンの群れ

打ち上げられたクラゲ類をマダラフルマカモメが食べ、沖合の岩礁にはミナミオオセグロカモメやキバナウが群れているのが良く見られます。また、すぐ隣の氷河の末端部分では昼寝をしているウェッデルアザラシが見られるかもしれません。氷河の白と赤茶色の断崖そして七色に輝く氷山の景色はとても雄大です。 

 

◆ブラウン・ブラフで見られる動物達◆

 

ⒸRlindblad20171222