ノイマイヤー海峡(Neumayer Channel)
南緯64°47’西経63°30′


南極半島沿いの中部、パーマー列島の南端に位置する最大の島がアンバース島ですが、その東南沿岸とヴィンケ島に挟まれた水路が、鉤型に曲がったノイマイヤー海峡(長さ2.56km、幅平均1.8km)です。ゲーラーシェ探検隊(ベルギー1897~99年)によりドイツ地球物理学者の名が付けられたもので、ルメール海峡よりは幅広ですが鉤型に曲がっている為、90度の方向転換を数回必要とする事で航行上興味のあるところです。

ノイマイヤー海峡

アンバース島側にはこの界隈で最も高いフランス山(2,825m)をはじめ、アガメムノン山(2,570m)、ヘクター山(2,225m)といった山々がそびえ、そこから流れ出る氷河が雄大な景色を作っています。ヴィンケ島も氷冠に覆われほんのわずかの岩が露出しているだけです。ヴィンケとは嵐のために荷崩れを起こした燃料用石炭を整理しようとして海に落ちて遭難したゲーラーシェ隊の水夫、カール・ヴィンケの名前が付けられたものです。

流れ出る氷河

ゲーラーシェ海峡からノイマイヤー海峡にかけての海域は、ザトウクジラやミンククジラなどが見られる可能性の高い海域です。特に天気の良い日の夕刻から夜にかけては昼間水面近くで大量に増殖した植物プランクトンを食べにオキアミが数百メートルの深さから上がってきます。そしてそのオキアミを狙ってカニクイアザラシや鯨が集まるため、ホエールウォッチングの絶好のチャンスです。

 

◆ノイマイヤー海峡で見られる動物達◆

©Rlindblad150824