南極点とコウテイペンギン

 

1. ビザ、パスポート、予防接種

南極大陸への旅行にビザは必要ありません。
ホワイト・デザート社は、南極大陸への旅行に関する英国の許可証を保有しており、お客様はこの許可証に対象になります。南アフリカを訪問する国籍によっては、別途ビザが必要な場合があります。南アフリカへのご旅行の際は、できるだけご旅行前に、お住いの地域の政府機関にご確認ください。

休暇中に2回、南アフリカに入国する場合は、マルチプルビザが必要となりますのでご注意ください。招待状に関するサポートが必要な場合は、estadmin@white-desert.comのゲスト・リエゾンまでお知らせください。
また、南アフリカ入国には、パスポートの未使用査証ページが連続で2ページ以上必要です。南アフリカでは予防接種が必要な場合がありますが、南極は不活性環境であるため必要ありません。

 

● 日本国籍の場合

日本のパスポート所持者は次の条件を満たし、90日以内の短期滞在であれば、査証なしで入国が認められます。

<渡航目的>
観光、短期商用、知人訪問

<旅券の必要残存期間>
南アフリカ出国後30日以上、駐日本帰国時6カ月以上有効であるこ
とが望ましいです。

<旅券の未使用査証欄>
南アフリカ入国時2ページ以上。
*2ページ以上無いと南アフリカへの航空機搭乗拒否されたケースも発生しています。また、南アフリカの周辺国に赴く場合にも、同様に訪問国数分の未使用ページが必要となります

<その他必要書類>
出国用航空券を所持していること。
*南アフリカ保健省が指定する黄熱汚染国から直接または汚染国に12時間以上滞在して(経由して)入国する場合には、イエローカード(黄熱予防接種証明書)の提示が求められます。

 

 

 

 

2. ケープタウンでのスケジュール


天候によりフライトが前倒しになった場合に柔軟に対応できるようにするために、南極大陸へのフライト予定日の2日前までにケープタウンに到着してください。

南極大陸へのフライト予定日前日に「安全についての説明会」が開催され、参加する必要があります。通常は15時から17時までおこなわれます。

 

少なくとも2日前1日前出発日
ケープタウンに到着安全についての説明会南極大陸フライト

 

 

 

 

3. 安全についての説明会

「安全についての説明会」は、フライト・スケジュールの変更や、南極大陸での滞在についてご説明する短いプレゼンテーションから始まります。この説明会は、キャンプでのシャワー設備から日々のアクティビティの進め方まで、あらゆる質問をするのに最適な機会です。

すべてはお客様の安全を念頭に置いて設計されており、参加は法的要件です。また、国際南極ツアーオペレーター協会(IAATO)による、南極大陸での私たちの責任についての短いビデオもご覧いただけます。

 

日付:南極大陸に飛行する前日 
時刻:通常、15~17時までに開催
場所:ご旅行が近くなりましたらお知らせいたします。
*説明会には、すべての手荷物をお持ちください。

 

● キットのレビュー(衣類と装備の点検)

以下のリストは、南極に持参すべき衣類です。各アイテムの画像を掲載した「ホワイト・デザート・キット・リスト」をご参照ください。ホワイト・デザート社で衣類を購入される場合は、注文書をご旅行前にご返送ください。在庫がなくなり次第終了となります。ウェアのご注文を希望される方は、説明会より前にゲスト・リエゾンにお知らせください。

ケープタウンには、サードパーティの衣料品サプライヤーがおり、説明会ではミニ「ショップ」を出店し、そこで衣料品の注文を受け取って支払いを行うことができます。このショップでは、サイズと色を取り揃えていますので、必要に応じて商品を変更することができますが、在庫に限りがありますのでご了承ください。

また、アイスクライミング用のブーツなど、必要なものは事前に購入し、サイズや仕様を確認しておくことを強くお勧めします。商品の代金は、説明会時にクレジット・カードまたは現金(南アフリカランド)でお支払いください。

説明会では、バフィン・ブーツやダウンジャケットなどの「レンタル品」のフィッティングも行います。

 

● 南極での荷物の規則

<南極大陸への飛行の際の手荷物許容量>
• 機内預けの手荷物は23kg
• 機内持ち込み手荷物は7kg

機内預けの手荷物はソフトダッフルバッグ1つに入れる必要があります。これは、限られたスペースのため、パイロットからのリクエストです。南極大陸内では、ベイズラー機(Basler planes)に積載可能です。(車輪付きのダッフルバッグは許可されています)

手荷物は30~40Lのバックパックに入れる必要があります
※このバックパックは、南極での活動時にデイパックとして使用いたしますので、これより小さいものは持ち込まないでください。

「安全についての説明会」には、機内持込手荷物と機内預けの手荷物の両方を含め、南極に持参するすべての荷物をお持ちいただく必要があります。説明会終了後、機内預けの荷物をお預かりして、事前に飛行機に積み込みます。機内預けの手荷物は、南極大陸に到着するまでは、受け取ることができません。

ケープタウン空港には、プライベート・ジェット専用の出入国審査がありません。そのため、ケープタウンでは通常の空港保安検査場を通過し、通常の手荷物規則が適用されます。したがって、液体はすべて 100ml 以下であること、禁止物品を持ち込んでいないことを確認してください

ケープタウンに残していく荷物は、ホテルのコンシェルジュにお預けください。

 

 

 

 

4. 南極大陸キット

以下のリストは、南極に持っていくべき衣類です。「ホワイト・デザート・キットリスト」は、各アイテムの画像と注文用紙を同梱して別途お送りします。ホワイト・デザート社を通じてキットを購入したい場合は、旅行前にこの注文書を返送する必要があります。在庫がある限り、商品はこのチャネルを通じてのみ入手可能であることにご注意ください。

南極大陸で暖かく過ごすには、正しく重ね着することが重要です。気温に応じて以下のレイヤーを組み合わせて着用できます。暑すぎると感じたら、一枚脱ぐことも同様に重要です。薄いものを何枚も着ることで、選択肢が広がることを意味します。体温調節に慣れるまでに時間がかかる場合があります。このシステムを覚えておいてください、私たちのガイドはいつでも喜んでお手伝いし、アドバイスします。

キャンプでリラックスするときは、ポッドからダイニング・ルームやラウンジまで歩いてすぐの距離にあるため、快適と感じる通常の冬服 (シャツ、厚手のジャンパー、頑丈なブーツなど)の着用で大丈夫です。しかし、キャンプを離れて何らかのアクティビティやフライトする際には、寒冷な気温に対応したテクニカルウェアを着用することが不可欠です。

アイスクライミング・ブーツ

これらは、氷に関連するすべてのアクティビティに使用され、この旅行の必須条件です。これらは、アイゼンに対応した足首サポート付きのしっかりした底のブーツでなければなりません。

例えば、
・La Sportiva Nepal Cube Gortex
・Boreal Triglav Mountain Boots.

毎日の外出には正しい靴を履くことが重要です。ブーツに関するご質問がございましたらお問い合わせください。氷の上を歩くことになるため、装備が不十分だと特定のアクティビティに参加できなくなります。

ハイキングブーツ

冬用の丈夫なハイキングブーツは、「アプローチ」シューズとして重宝します。これらは、歩行時の快適さと柔軟性を提供するため、氷上のアクティビティに到達するためのハイキング時に使用できます。

ベースレイヤーサーマルトップスとレギンス(防寒下着)
ミッドレイヤー軽量ストレッチフリース・トップス&ボトム(上下)
インサレーション・レイヤー

中厚手のフリースまたは合成繊維のジャケット
(保温性のある、中綿の入った防寒着)

防風レイヤーフード付きゴアテックス・ジャケットとゴアテックス・パンツ
アウター・レイヤー800g以上のフード付きダウンジャケットとパンツ※
頭部

非常に濃い色のサングラスとゴーグル(偏光レンズ付きが理想的)、
耳を覆う帽子、ネックゲートルまたはバフ、目出し帽。
ビーニー帽が、ヘルメットの下に収まることを確認してください。

薄手のライナーの手袋、ウィンドストッパー生地を使用したフリースの手袋及び、大きめの防水裏地付き手袋。 ダウンオーバーミトンは必要に応じてホワイト・デザート社より提供されます。
薄手のライナーソックス、厚手のスキーソックス。 登山靴(上記と同様) と、キャンプ周辺で使用する通常のハイキング ブーツやトレーナーなどの追加の履物。 バフィンブーツ
SPF50以上のリップ・クリームと日焼け止め
荷物

手荷物用の30~40リットルのリュックサック(カメラなど、および飛行中に着替える南極用の衣類などを収納)。
すべての荷物を収納できる90リットルのソフトダッフルバッグ。

※印キットは、南極認定の寝袋とともに、南極滞在期間中、ホワイト・デザート社からレンタルすることができます。
 これらのアイテムは、バフィンブーツ又は、類似の極地ブーツを除いて、通常、旅行の南極セクションでのみ使用されます。
 すべてのレンタル品は、「安全についての説明会」でお渡しし、滞在終了後に返却していただきます。

 

 

 

 

5. 南極大陸への/からのフライト

●往路 (ケープタウン → ウルフズファン滑走路)

ケープ
タウン
5時間飛行ウルフズファン滑走路車で20分エコー・
キャンプ


最新のフライト情報はすべて、「安全についての説明会」でお知らせします。
確定したフライトの2時間前に、ホワイト・デザート社の車がホテルにお迎えあがり、空港までお送りします。

 

○以下のものを持参する必要があります

・未使用の査証ページが連続で2ページ以上あるパスポート。 
 ※南アフリカの入国審査は非常に厳しく、入国を拒否されることが知られています。

・必要な薬と予備の薬

・「安全についての説明会」中に梱包するようアドバイスされた南極大陸での服装を含む
 機内持ち込手荷物(ラップトップ、カメラなどのアイテムと一緒に)
 ※これらすべてについては、「安全についての説明会」で詳しく説明します。
  南極キットの大部分 (つまり、機内預けの手荷物) は、「安全についての説明会」後
  にお預かりいたします。

・帰りの航空券(南アフリカから母国へ戻る航空券)を証明できるもの
 ※南極大陸からケープタウンに戻る際に税関で確認される場合があります。

 

フライトの正確な時間は、南極の天候に左右されることをご了承ください。スケジュールに変更が生じる可能性があり、旅行に関して柔軟に対応する必要があります。ホテルの手配や予約、フライトの遅延が発生した場合は、可能な限り通知され、次に飛行可能な時間枠も通知されます。このことを念頭に置いて、ケープタウンにいる間は、いつでも連絡が取れるようにお願いいたします。

 

南極大陸までの推定飛行時間:5時間

総飛行距離(ケープタウンから南極大陸まで):4,150km

南極へのフライトは、天候等によるスケジュールの遅延や直前でのスケジュール変更、稀に航空機の機材の変更も発生する可能性がございます。ご旅行者の皆様の安全のためご理解ください。

当社は、プライベートのエアバスA340、またはガルフストリームG550ビジネスジェットでの運航を実施しています。南極までの飛行時間は約5時間で、飛行中、乗組員は気象状況について常に確認を取っています。また、機内ではお食事、軽食、ドリンクが提供されます。座席は先着順で割り当てられ、グループと旅行の同伴者は可能な限り一緒に座れるようシーティングされます。

すべてのフライトは禁煙ポリシーを実施しており、不正行為があった場合、当社のパイロットは乗客を飛行機から降ろすか、返金なしで直接ケープタウンに送り返す権限を持っています。

南極大陸に到着する約1時間前に、南極大陸での服装に着替えるよう指示されます。南極大陸では日差しが非常に強いため、機内では日焼け止めを塗ることを忘れないようにしてください。

南極に到着したら、ウルフズファン滑走路に着陸し、滑走路から約5km離れたエコー・キャンプにご案内いたします。

 

 

 

●復路 (ウルフズファン滑走路 → ケープタウン)

ウルフズファン
滑走路
5時間飛行ケープタウン


ケープタウンに戻る時は、往路の逆ルートをたどります。

ケープタウン国際空港に到着すると、ホワイト・デザート社のスタッフがお出迎えし、空港ターミナルまでご案内します。その後、専用車でホテルまでお送りします。レンタル品を機内で着用した場合は、必ず機内に残して置いてください。

 

●スケジュールの変更

スケジュールに変更が生じ、南極大陸への出発が(天候や関連するロジスティクスのために)前倒しまたは延期になった場合でも、ケープタウンへの帰国便の日付は変更されませんので、それに応じて南極での滞在時間が短縮または延長される可能性があります。南極大陸での日々の旅程は天候にも左右され、南極点または、コウテイペンギン集団繁殖地へのフライト日は、パイロットの安全な運航状況の評価によって全く異なります。

このため、フライトが延期された場合に備えて、南極大陸へ予定されているフライトの夜に、ホテルの部屋を予約していただくようお願いいたします。また、南極大陸からの出発の遅延により変更が必要になった場合に備えて、変更可能な航空券をご用意いただくようお願いいたします。ホワイト・デザート社は、可能な限り、航空券の変更や、選択した旅行代理店やホテルとの連絡をお手伝いします。遅延が発生した場合、航空券を再手配するのは最終的にはお客様の責任であることをご理解ください。 

稀ではありますが、滞在中に南極点やコウテイペンギンの繁殖地に到達できない可能性があります。万が一、到達できなかった場合には、旅行のその部分については払い戻しをいたします。詳細については、第10 条に基づく当社の利用規約をご覧ください。

 

 

 

 


6. 南極大陸の気候

南極大陸は、厳密に言えば世界最大の砂漠で、年間平均降水量はわずか166 mmです。大陸のほとんどの地域では、雪が溶けることはめったになく、最終的には圧縮されて氷床を形成する氷河氷になります。


ドローニング・モード・ランドの海岸にあるキャンプでは、通常、周囲温度は -5℃~-8℃となります。その主な要因は風であり、ウィンドチル(風冷温度)を劇的に下げる可能性があります。また、カタバティック風(毎日の気温変化によって左右される規則的な風)のせいで、午後は風が静まり返り、夕方に風が強くなることがよくあります。現地では、私たちのガイドが適切な服装や暖かく保つために何をすべきかアドバイスいたします。


南極大陸の天候は、キャンプの際に外での活動をすることが不可能なほど極端になる場合があります。稀ではありますが、そのような場合には、いつでも安全で快適に過ごせるようにスタッフが対応します。


南極点を目指す旅行者は、周囲の気温が大幅に下がる南極高原に足を踏み入れることになります。気温は約-25℃~-35℃ですが、南極点では風が弱いことが多いです。これらの温度を管理する方法については、本書の後半と南極到着後のフライト前に詳しくご案内いたします。

 

南極の天気は非常に変わりやすく、状況が急速に変化する可能性があります。これは、状況によってアクティビティやフライトが直前に遅れたり、スケジュールが変更されたりする可能性があることを意味します。その際は、辛抱強くガイドのアドバイスを受け入れてください。

 

 

 

 

7. キャンプの安全性

 

エコー・キャンプは、飛行機ですぐのシルマッハ・オアシスに拠点を置く、宇宙にインスピレーションを得た、新しい有名なウィチャウェイ・キャンプの姉妹キャンプです。

エコー・キャンプは、地球上で最も印象的なヌナタク山脈に囲まれています。巨大な氷河の上に位置し、この地域の広大な景色は比類のないものです。この場所は、アイスクライミング、登山、懸垂下降などのより冒険的なアクティビティに最適です。

   
 

ホワイト・デザート社の代名詞である快適さと贅沢さはそのままに、このキャンプは、6つの個別のスリーピング「スカイ・ポッド」で構成されています。

エコー・キャンプの「スカイ・ポッド」は未来的な豪華さで、6つのベッドルームは複合グラスファイバーで作られており、床から天井までの窓があり、ゲストは魅惑的な大自然に浸ることができます。

   
 

各スリーピングポッドには暖房があり、専用の洗面エリアとトイレ設備が備わっています。洗い場にはシンクがあり、サーモス(魔法瓶)から温水が供給されます。ベッドはダブルベッドとして構成されていますが、ご希望に応じてツインベッドに変更することもできます。 プライバシー・パーテーションも設置可能です。リクエストに応じて湯たんぽもご利用できます。

すべての寝室には電気製品を充電するためのコンセント(南アフリカの3 極プラグ)とUSB ポートがあり、共用エリアにも複数の充電ポイントがあります。

   
 

ゲストは、他の部屋が放射状に広がる中央のポッド・ウェルカム・エリアなど、エコー・キャンプ内の多くの共用エリアにアクセスできます。

ダイニング・ポッドは豪華な3コース料理を味わうのに理想的な場所で、ラウンジにあるモダンなバーでは、夕食前のカクテルを旅行者と一緒に楽しめるエリアがあります。リラックスしたい場合は、美しく厳選されたライブラリ・ポッドをご利用ください。忙しい 1 日の活動の後に、素敵な本を読みながら寛げる、暖かく快適な空間です。

   
 

すべての共用ポッドは、昼夜を問わず様々な温かい飲み物と冷たい飲み物、軽食をご用意しており、自由にご利用いただけます。キャンプ中は、1日3食の温かい食事が提供されます。中央ポッドの外に位置する温水シャワー ルームには、更衣室付きのシャワー室が2つ、トイレ設備が2つと、中央のダブル化粧台エリアが備わっています。

キャンプでは水は貴重な資源です。すべての水は、手作業で氷をシャベルでかき集め、工業用氷融解装置で溶かされてからシャワー設備に送られます。

したがって、お客様には、大陸滞在中は水の摂取量にご注意いただくようお願いいたします。

 

 

 

 

8. 南極大陸での通信

世界で最も辺鄙な地で休暇を過ごすにあたって、私たちはコミュニケーションの面でお客様の期待に応えたいと考えていますが、それは限られています。

ゲストは、ホワイト・デザート社の iPad 経由でテキストのみのメールを送受信できます。当社は、お客様が使用できるゲストe-mailアカウント・アドレスを作成し、毎朝/毎晩に送受信されます。サービス料金は、送受信e-mail1件につき1米ドルです。リクエストに応じて添付ファイルを送受信できます。追加料金は1 MBあたり5米ドルです。エコー・キャンプでは、スタッフやゲストが利用できるウェブ閲覧インターネット・アクセスができる環境はありません。

【GUEST EMAIL: echo-guest@white-desert.com】

これはプライベートアカウントではなく、他のゲストと共有されることに注意してください。識別できるように、件名にゲストのフルネームを入力するよう送信者に依頼してください。

キャンプでの音声通話(voice calls)については、電話クレジット(プリペイド式テレホンカード)を購入して、キャンプで衛星電話を使用することができます。クレジットには 45分間60米ドルが課金されます。また、お客様がキャンプ外で衛星電話での通話を希望される場合は、事前にリクエストしていただくようお願いいたします(例:南極にいる場合)。これらの電話は私たちのチームによるキャンプ間の通信に使用されており、そのような目的で使用されていない場合にのみ利用可能であることに注意してください。

 

●南極大陸のタイムゾーン

南極大陸は経度のすべての線を事実上包含しているため、理論的にはタイムゾーンを選択することができます。国際拠点では、通信を支援するために、関連する国のタイムゾーンを使用することがよくあります。ホワイト・デザート社は、グリニッジ標準時(GMT)で、活動しています。

※例えば、日本の標準時区は、グリニッジの標準時間+9 時間(GMT+9)です。
 ホワイト・デザート社の南極大陸での時間は、日本の時間より9時間遅れています。

 

 

 

 

9. キャンプ周辺でのアクティビティ

毎日、私たちのフィールド・ガイドが天候に応じて選べるいくつかのツアーやアクティビティを提案します。
簡単でリラックスできるものにすることも、アドレナリンが出るようなものにすることもできます。それは完全にゲスト次第です。エコー・キャンプではゲストに対するガイドの割合が常に高いため、体験をカスタマイズすることができます。

 

キャンプでは、徒歩、自転車、スキー、スキドゥー(スノーモービル)で周囲を探索する時間を過ごすことができます。近くのアクティビティは、あなたの能力とフィットネスのレベルに応じて、長さ、専門性、難易度が異なります。
地元のヌナタクに登ったり、アイスクライミングに挑戦したり、目のくらむような高さから懸垂下降したり、ドリガルスキー山脈の頂上に登ったりすることもできます。

 

事前にルートを計画し、GPS、コンパス、衛星電話、VHF ラジオ、医療用品を携行し、緊急手順について十分な説明を受けた資格のあるホワイト・デザート社のフィールド・ガイドが常に同行します。ホワイト・デザート社のガイドは全員、その地域に ASMA(南極特別管理地区)があることを認識しており、ASMA の中をトレッキングしたり、いかなる形であれ科学実験を妨害したりしないように注意しています。

南極大陸で自分のドローンを飛ばす許可を得るのは非常に複雑で、営利目的の企業にしかできません。
また、異常気象時にはキャンプの外に出ることができない場合があります。

 

私たちのスタッフは、ゲストがいつでも安全で快適に過ごせるよう連絡を取るとともに、キャンプ内のエンターテイメントも提供します。これは、南極の側面や探検について、ガイド一人によるプレゼンテーションの形で行われる場合もあれば、夜に映画鑑賞として行われる場合もあります。また、共用エリアには書籍やボードゲームも多数あります。

 

●医療サポートと施設

ホワイト・デザート社には、3人の資格のある医師が南極大陸に常駐しており、各メインキャンプ(エコー、ウイッチャウェイ、ウルフズファンの滑走路) に1人ずつ配置されています。ガイドやその他のスタッフも、基礎から上級の医学訓練を受けています。医師は必要に応じて南極点への飛行やその他の小旅行にも同行します。キャンプでは医療キットを完全に取り揃えており、小旅行や一泊旅行用のモバイルキットも用意しています。

近くには緊急医療のためにアクセスできる国立の基地も多数あります。私たちのガイドチームは、遠隔地や山岳救助に熟練していますが、怪我の可能性を最小限に抑えるために、お客様はアクティビティを行う際に環境と自分の能力を認識する必要があります。私たちのガイドは、あなたのフィットネスレベルに関係なく、挑戦的で新しいアクティビティをサポートできるように訓練を受けています。

 

 

 

 

10. エクスカーション

●コウテイペンギン(EMPEROR PENGUINS)

 飛行時間:ベイズラーBT-67機で 2.5 時間

 ルート:ウルフズファン・スキーウェイ(氷上滑走路)- アトカ湾(ATKA BAY)

当日の集団繁殖地の場所によっては、コウテイペンギンに会うために少し歩く必要があります。また、お客様をソリに乗せて移動するためのスキードー(スノーモービル)もございます。コウテイペンギンに近づく際は、単独のコウテイペンギンからは 5メートル以内、またはコウテイペンギンの群れからは 30メートル以内に近づいてはなりません。また、コウテイペンギンに餌を与えたり、羽や卵の破片を営巣地から取り除いたりしないでください。パイロットの飛行時間が許す限り集団繁殖地に滞在し、その後、エコー・キャンプに戻ります。


コウテイペンギンの集団繁殖地に滞在中は、基本的なトイレ設備と同様に、軽食とホットドリンクをご利用いただけます。

アトカ湾へのフライト前に、IAATO ガイドラインの詳細についてご案内いたします。

 

 

●南極点(THE SOUTH POLE)

 飛行時間:ベイズラーDC3機 で約7時間

ルート:ウルフズファン滑走路 –  FD83(ディキシーズ・キャンプ)– 南極点

ウルフズファン滑走路を出発し、航空機に燃料を補給するために、キャンプの南、約5時間離れた燃料基地(ディキシーズ・キャンプとして知られる)へ向かいます。給油には約1時間かかるため、温かい飲み物を飲みながら足を伸ばしてお待ちください。その後、さらに2時間飛行して地理上の南極点(南緯90度)に到着します。

 

ウルフズファン・滑走路ディキシーズ・キャンプ南極点ディキシーズ・キャンプウルフズファン・滑走路









 5h給油1h2h 2h12h休憩5h 

 

私たちは加圧されていない飛行機で高度約3,000~4,000メートルを飛行します。私たちのガイドは、高山病の潜在的な影響とそれに対処する最善の方法をご案内する南極での「安全に関する説明会」を実施します。

ホワイト・デザート社の医師がこのツアーに同行し、旅行中いつでもお手伝いします。キャンプよりも、はるかに寒いこの極限の環境で暖かく過ごすために、ホワイト・デザート社のレンタル品であるダウンジャケットとバフィンブーツを活用します。旅行のこの部分では、ダウンパンツとオーバーミトンも支給されます。

ベイズラー機のパイロットが法定の休息を取ることができるよう、ディキシーズ・キャンプでキャンプを行います(毎日の飛行時間を超えないようにするためです)。ディクシーズ キャンプは南極点よりも低い標高に位置しているため、一晩の滞在がより快適になります。ここは地球上で最も辺鄙な場所の一つでもあり、南極探検家としての生活がどのようなものかを体験してください。この休息は、10~12時間続き、気象条件に応じてフライトの往路又は、復路で行われます。

このフライトの技術的な性質と好天の重要性を考慮して、ホワイト・デザート社では他のツアーよりも南極点への旅行を優先します。ちなみに、ツアーが実施されるためには、出発と到着の3カ所の場所(滑走路、途中のディキシーズ・キャンプ、そして南極点)で天候が晴れている必要があります。

 

 

 

 

11. 女性特有の情報

  1. 女性特有の情報

特に女性にとって役立つ情報やヒントをまとめました。

・南極大陸に飛行機で入る場合は、機内で南極大陸での服装に着替える必要があります。
 飛行機内で極地装備を着やすくするために、通常の服の下にサーマルレイヤー(防寒下  
 着)を着用することをお勧めします。

・南極大陸では電気の問題があるため、ヘアドライヤーの使用はご遠慮ください。

・ホワイト・デザート社では、生分解性の石鹸、シャンプー、コンディショナーを提供し
 ています。ご希望であればご自身の製品をご持参いただくことも可能ですが、必ず生分
 解性製品をご持参ください。

・ポッドが暖められているので、保湿剤などが凍ることはありません。より体を温めるた
 めの湯たんぽもご用意しております。

・各ポッドにはトイレ設備があります。ただし、月経中は月経カップ、生理用ナプキン、
 タンポンなどの製品を使用する必要があり、これらは空にするか、部屋に備え付けの生
 理用ゴミ箱に捨ててください。

・キャンプ場には女性スタッフも多数在籍しており、どんな些細な質問にも丁寧に対応さ
 せていただきます。

 

 

 

 

12. チップの目安

●南アフリカ滞在中のチップの目安

南アフリカの通貨=南アフリカ・ランド(ZAR又は、R)=日本円で約8円

・[ポーター]:荷物 1 個につき R 3 ~ R 5(日本円で約30~40円)

・[レストランの請求額]:代金の10%~20%

・[レンジャー]:カップル(お二人様あたり) 1日に付R 100 – R 200(日本円で約
         800~1600円)

・[一般スタッフ]:1 日あたり R1,250(日本円で約10,000円)

 

●南極大陸でのチップの目安

[キャンプのスタッフ]:

傑出した働きに対してスタッフに謝礼(チップ)を渡す場合は、スタッフ1人あたり150米ドルのチップをお勧めします。キャンプチームが12人の場合、これはゲスト1人あたり合計1,800 米ドルに相当します。

理想的には、チップは現金ではなく電信振替(electronic transfer)で受け取ることを好みます。これは、南極のキャンプ管理者または、ケープタウンのゲスト担当者が手配できます。

 

●南極大陸での現金

[ご注意]:エコー・キャンプ・ショップでのお買い物、イリジウムドームメール、衛星
      電話の使用、ドローン映像やチップの支払いには、米国ドルの現金が必要で
      す。

 

 

 

 

13. その他のインフォメーション




●南極大陸内のフライト

 ベイズラー機

南極大陸内のフライトは、ターボプロップエンジン搭載のベイズラーBT-67と呼ばれる航空機を使用します。
これらの航空機は、南極大陸の状況に合わせて特別に設計され、装備されています。当社のベイズラー機は、信頼性、耐久性、安全性に重点が置いています。


各航空機には、テントや睡眠用具、乗組員と乗客全員のための食料を含むサバイバルバッグが装備されます。ベイズラー機には、トイレの設備があります。南極大陸内は、天候とスケジュールに完全に左右されるため、毎日の厳密なスケジュールには固執しないことに注意してください。

この航空機は、積載量と飛行距離に応じて、最大18名の乗客を乗せることができます。

 

●コウテイペンギン



アトカ湾(ATKA BAY)にあるコウテイペンギンの集団繁殖地を見に行く2時間半のフライトは、冒険のハイライトのひとつです。このような集団繁殖地のすぐ近くに立つことができるのは、まさに自然の驚異のひとつであり、他では味わえない体験です。

コウテイペンギンは世界最大のペンギンで、体長は、130cm、体重は22~45キロにもなります。印象的な外観は、滑らかで流線型の体と鋭くて細い嘴(くちばし)が特徴です。

彼らの餌は、主に魚ですが、オキアミやイカも含まれる場合があります。彼らは飛ぶことはできませんが、水泳の達人で、深さ535メートルまで最長18分間潜水することができます。

コウテイペンギンは極寒の地で繁殖し、南極で冬を越す唯一の種です。
成鳥は集団繁殖地を作るため、海岸から30kmもの距離を移動します。メスは1個の卵を産み、それをオスに渡します。オスは自分の後肢で卵を抱き腹部にある皮膚のたるみ(抱卵嚢)で覆います。南極の冬のとても強い風と寒さの中で2ヶ月以上卵を温め続け、孵化させます。
オスは寒さから身を守るため輪状になって体を寄せ合う群れ(ハドル)を形成し、絶えず移動します。その間、絶食状態となり体重は半減します。
   
その日の場所に応じて、集団繁殖地まで短い距離を歩く必要がある場合もありますが、この距離を当社のスキドー(スノーモービル)に引っ張られるソリで移動することもできます。コウテイペンギンに近づく際、訪問者は単独のコウテイペンギンからは5メートル及び、コウテイペンギンの群れからは30メートル以内に近づいてはなりません。 


パイロットの飛行時間が許す限り繁殖地に滞在してから、エコー・キャンプに戻ります。ツアー中はスナックと温かい飲み物が用意され、基本的なトイレも完備されています。繁殖地への餌の持ち込みは禁止されており、ペンギンに餌を与える行為も禁止されています。また、繁殖地から羽や卵の破片を取り除かないようにお願いします。

繁殖地の端では、ヒナや負傷したペンギンを捕食する捕食性のオオフルマカモメやオオトウゾクカモメが見られるかもしれません。また、ヒョウアザラシやウェッデルアザラシも近くにいる可能性があります。

南極条約とIAATOには、観光がコウテイペンギンの繁殖地に影響を与えないよう設計された一連のガイドラインがあります。南極滞在時には、これらの規制について包括的な説明をおこないます。

 

●南極点(THE SOUTH POLE)


南極点への飛行中、高地の影響を感じた方のために医師が機内に待機しています。
高所用薬剤も取り揃えており、高圧室も備えています。高地による反応はまれですが、お客様の健康に問題がないか、旅行中は医師がすぐ対応できるような体制をとっています。

南極点に到着したら、写真を撮ったり、地球の最南端に到達した気分を楽しんだりする時間があります。ここには、東も南も西もありません。すべての方向が北となります。

このフライトの技術的な性質と飛行可能な天候を考慮して、ホワイト・デザート社は、他のツアーよりも南極点への旅行を優先します。また、フライトを実施するためには、出発と到着の3つの場所(キャンプ地、途中の燃料基地、南極点そのもの)で天候が晴れている必要があります。

 


●キャンプと食事




南極点への旅の間、ベイズラー機のパイロットが法定休息を取るために、ディキシーズ・キャンプで一晩過ごします。このキャンプでの滞在時間は通常10~12時間で、南極探検家になった気分を味わうことができます。

ディキシーズ・キャンプは6つの2人用テントで構成されています。
これらの大型の断熱テントは、立ち上がるのに十分な高さと、2つの簡易ベッドと手荷物を収容するのに十分なスペースがあります。

太陽放射の影響を考慮すると、就寝テントは外気温(通常約0℃)よりもかなり暖かくなります。この日射量は風や雲によって減少する可能性がありますが、当社が提供する南極仕様の寝袋は夜間も暖かく保ちます。寝ようとするとき、重ね着をしすぎないようにしてください。

効果的に機能するには、寝袋を温める必要があります。リクエストに応じて湯たんぽを提供する事ができます。

 


●安全プロトコル

南極点もディキシーズ・キャンプも高地にあります。南極点の実際の標高は2,850メートルですが、衛生学的な標高は3,350メートルで、身体への高度の影響は大きくなります。アルコールは高度の影響を悪化させますのでご注意ください。

高山病の最初の兆候として、次のようなものがありますのでご注意ください:
・吐き気

・頭痛又は、めまい

・正常な呼吸が困難

南極点やディキシーズ・キャンプではかなり寒いです。 専用の衣類を使用し、ガイドの指示に従うことで、寒さによる怪我を防ぐことができますが、いくつかの基本的なルールに注意してください。旅行中はダウンジャケットとパンツを着用してください。これらは、レイヤーを脱ぐと簡単に失われてしまう体温を効果的に閉じ込めます。

写真を撮るときは、カメラの金属が手から熱を奪うので注意してください。また、南極点およびディキシーズ・キャンプ滞在中は、日焼け止めを塗ったり、塗り直したりすることを忘れないでください。

四肢のどこかにうずきやしびれ、あるいは高山病の症状を感じた場合は、たとえ真夜中であっても、すぐに医師にお知らせください。

 

●南極点の背景と歴史

南極大陸の海岸線から南極点へのルートを最初に探そうとしたのは、イギリスの探検家ロバート・ファルコン・スコットで、1901年から1904年のディスカバリー探検でした。

スコットは、アーネスト・シャクルトンとエドワード・ウィルソンを伴い、可能な限り南下する目的で出発しました。そして1902年12月31日、南緯82度16分に到達しました。

シャクルトンはその後、イギリス南極探検隊(ニムロド探検)の隊長として南極に戻り、極点到達を目指しました。1909年1月9日、シャクルトンは3人の仲間とともに南緯88度23分、つまり南極点から180kmまで到達しましたが、やむなく引き返しました。

地理学上の南極点に最初に到達したのは、1911年12月14日にノルウェー人のロアール・アムンセンとその隊員(上の写真)でした。アムンセンは、当時のノルウェー国王に敬意を表し、自身のキャンプ地フラムハイムと南極点を取り囲む南極高原全体を「ノルウェー王 ホーコン7世の台地」と名付けました。

アムンセンと南極点到達を争ったロバート・ファルコン・スコットは、テラ・ノヴァ探検隊を組織しました。スコットと他の4人の隊員は、アムンセンの到達から34日後の1912年1月17日、南極点に到達しました。しかし、帰路、全員が食料デポまでわずか20kmしか離れていない地点で、飢えと寒さで命を落とすという悲劇に見舞われました。

1914年、アーネスト・シャクルトンの帝国南極横断探検隊は、南極点経由で南極大陸を横断することを目標に出発しましたが、彼の船エンデュアランス号は、ウェッデル海で流氷に捕まり、漂流した後、氷の圧力で11ヵ月後に沈没してしまいました。陸路の旅は実現しませんでしたが、シャクルトンの勇気と彼の部下たちの物語は、南極探検の伝説となっています。

リチャード・イヴリン・バード米海軍少将は、1829年11月29日、最初のパイロットであるベルント・バルヒェンの支援を得て、世界で初めて南極点上空を飛行しました。



●IAATO/南極条約


南極大陸は比較的自然のままの環境が残っており、ホワイト・デザート社は、IAATOと協力して、外来種(南極の自然界には存在しない種)が南極大陸に移入する(持ち込まれる)リスクを最小限に抑えています。

○南極へ向かう前にできること

衣類を清潔にし、定期的に検査する
 ポケット、縫い目、マジックテープ(ベルクロファスナー)、ブーツの底を含むすべての衣類を調べて、汚れや有機物質がないか確認します。

きれいなギアを詰める
 ギアやアウトドア用品は、汚れや有機物が付着していないことを確認します。

 

●南極訪問者のためのガイドライン

南極への訪問は全て、南極条約・環境保護に関する南極条約議定書と、南極条約協議国会議(ATCM)により採択された措置及び決議に従い行わなければならない。訪問は事前に国家当局の承認を得た上で行うことができる。

本ガイドラインは、南極の環境・科学的価値・景観的価値に対し取り返しのつかない影響を与えることを避けるため、南極への訪問時に留意すべき一般的な勧告を挙げている。ATCM サイトガイドラインは、いくつかの地域において、その地における追加的勧告を記している。

南極を訪問する前には、これらのガイドラインを熟読し影響を最小にするための計画をたてることが求められる。観光ツアーに参加する場合は、ガイドの指示に従うことが求められる。

個人で訪問を計画する場合は、各個人にガイドライン順守の責任がある。また、訪問の影響を受け易いサイトを訪問する場合はその特徴を認識し、サイトガイドライン、南極特別保護地区及び南極特別管理地区の管理計画、基地訪問ガイドラインに従わなければならない。特定の活動や危険に対するガイドライン(例:航空機の使用、外来種の持ち込みを防ぐこと)も適用される。

サイトガイドライン、管理計画や歴史的サイトと記念碑、また他の関連する情報はhttps://www.ats.aq/devASから閲覧できる。

 


●南極の野生動物を保護する

○野生動物
 許可書によって認められている場合を除き、南極の野生動物の採取またはそれらに関す
 る有害な干渉は禁じられている。
 
 ・
野生動物の近くではゆっくりと注意深く歩くこと。雑音は最小限にし、野生動物とは
  常に適切な距離を保つこと。サイトの地形が野生動物の脆弱性を左右することもある
  ため、地形を考慮すること。

 ・野生動物の行動を観察すること。もし、それらの行動が変化した場合には、動作を止
  めるか、ゆっくりと動物から離れること。

 ・動物は繁殖シーズン(巣作りの時期を含む)や換毛期は干渉に対し特に敏感に反応す
  る。コロニー周辺の外側に留まり、そこから観察すること。

 ・常に動物の移動を優先し、それらの移動ルートを妨げないこと。

 ・野生動物に餌を与えてはならず、食べ物の屑を周辺に放置することも許されない。

 

○植生
 ・蘚類や地衣類を含む植生はもろく生長が遅い。歩行や運転、離着陸などによりこれら
  の蘚類群生や岩を覆う地衣類へ損害を与えてはならない。

 ・徒歩で移動する際にはできるかぎり既存の経路に従い、土壌や植生表面に対する干渉
  や損害を最小にしなければならない。既存の経路が存在しない場合、最も距離が短く
  且つ植生、脆弱な地形、がれ場の斜面を避けることができる経路を選択すること。

 ※外来種の持ち込み
  ・南極にはいかなる植物や動物も持ち込んではならない。

  ・外来種と病気を防ぐため、南極に持ち込む前に長靴を十分洗浄し、物資(衣類、
   鞄、三脚、テント、歩行杖)を清潔にしておく必要がある。靴底、ベルクロファ
   スナー、ポケットに土壌や種子が含まれる場合があるため、特に注意すること。
   車両や航空機も同様に洗浄しなければならない。

  ・ 南極内での生物種と病気の移動にも気をつけるべきである。サイト間を移動する
    際は、衣類と物資の洗浄を確実に行うこと。

 

○保護地区への配慮
 南極特別保護地区(ASPA)や南極特別管理地区(ASMA)での活動は、関連する管理
 計画にある条件に従わなければならない。多くの南極史跡記念物(HSM)が保護指定
 を受けている。

 

○特別管理地区及び特別保護地区
 ・ASPA に立ち入るには国家当局による許可証が必要である。保護地区滞在時には許可
  証は常に携帯し、その条件には必ず従うこと。

 ・事前に ASPA 及び ASMA の位置と境界線を把握しておくこと。管理計画の条件に注
  意し、これらの地域の近傍での活動に対する制限を順守すること。南極史跡記念物、
  または他の建造物、歴史的な小屋や建造物が観光やレクリエーション、教育的訪問
  のために使用できる場合がある。上記以外の場合、緊急下でない限り、これらの小屋
  や建造物を使用してはならない。

 ・歴史サイト、記念碑、人工遺物、または使用中の如何に関わらずその他の建造物や緊
  急避難小屋を汚損したり破壊してはならない。

 ・当局の認知していない歴史的価値を有す物品を発見した場合にはそれを乱すことはせ
  ず、遠征隊の責任者や国家当局に報告すること。

 ・歴史的建造物に立ち入る前には長靴から雪や砂、また衣類から雪や水分を取り除くこ
  と、これらは建造物や人工遺物へ損傷を与える可能性がある。

 ・歴史サイトの近辺を移動する際には雪によって判別しづらくなった人工遺物などを踏
  まないように注意を払うこと。科学調査区域への配慮科学調査、施設や装置に干渉し
  てはならない。

 ・南極基地を訪問する前に許可証を所得すること。

 ・到着 24〜72 時間前までに訪問日程を再確認すること。

 ・全南極基地を訪れる全ての訪問者は各サイトの規則に従うこと

 

○科学調査区域への配慮 
 調査、施設や装置に干渉してはならない。 

 「担当者」:
  ・南極基地を訪問する前に許可証を所得すること。
  ・到着 24〜72 時間前までに訪問日程を再確認すること。
  ・全南極基地を訪れる全ての訪問者は各サイトの規則に従う事。

 「訪問者」:
  ・科学調査用装置やマーカーに干渉したりそれらを取り除いたりしてはいけない。実
   験中のサイト、フィールドキャンプ、保管中の物品を妨害してはならない。

 「南極の現状の維持」:
   南極は比較的原始の状態が維持されている。地球上で最も広大な原始地域である。
   訪問の痕跡を残さないよう心がける。

 「廃棄物」:
  ・地上や海にいかなるごみや廃棄物も捨ててはならない。

  ・基地やキャンプでは指定された位置でのみ喫煙し、ごみや建造物にたいする火事の
   危険性を抑えること。灰やごみは回収し南極外で処理をすること。

  ・環境保護に関する南極条約議定書付属書 III に従って廃棄物が管理されていること
   を確認すること。

  ・いかなる装置やごみも強風や野生動物の採餌行動により環境中に散布されないよう
   常に確認すること。

 「原始地域としての価値」
  ・湖、河川、その他の水系をかき乱したり、汚染したりすることは禁じられている
   (例:歩行、装置や体の洗浄、石を投げる、など)。

  ・南極にある人工物や自然に絵画、彫刻、落書きをすることは禁じられている。

  ・人工物、生物・地質由来の物質、のいずれも記念品として持ち帰ることはできない
   (羽、骨、卵、植生、土壌、岩、隕石、化石など)。

  ・キャンプサイトを設置する場合はできるかぎり、以前に使用されたことのある場所
   か雪の上に設置すること。

 「安全管理」:
   厳しく変わりやすい気候に対して十分備えること。装置や衣類を南極の基準に合わ
   せてそろえること。南極の環境は厳しく、予想ができない上、危険を伴う場合があ
   ることに留意する。

 「安全に対する予防措置/準備」:
  ・自身の能力の限界と南極の環境によりもたらされる危険を把握し、適切な行動をと
   ること。常に安全性を考慮しつつ活動を計画すること。

  ・オットセイなど危険な野生動物からは、陸上海上を問わず、可能な限り最低15m
   以上の距離を保つこと。

  ・団体で行動している場合、責任者の忠告や指示に沿って行動すること。団体から離
   れないこと。

  ・適切な装置や経験なしに氷河や広大な雪原を歩かないこと。隠れたクレバスに落下
   する危険がある。

  ・救助隊を期待しないこと。堅実な計画、高品質の装置、訓練された人材により危険
   が減り自足できる。

  ・緊急避難小屋には緊急時以外立ち入らないこと。小屋の食料や装置を使用する場
   合、緊急事態終了後に最寄りの研究基地または国家当局に報告すること。

  ・喫煙制限に配慮すること。燃焼型のランタンと裸火は歴史的建造物内及び周辺では
   使用は禁止されている。火による危険に対し、安全対策に特に注意を払うこと。南
   極の乾燥した環境下では大きな災害となる可能性がある。

 

 「上陸と移動に関する条件」
   環境及び野生生物と周辺の生態系、科学調査に与える影響を最小にするため、以下
   の条件に従って行動しなければならない。

 

 「移動」
  ・陸上海上に関わらず、野生生物に支障を来す航空機、船舶、小型ボート、ホバーク
   ラフトまたは他の移動手段は使用してはならない。

  ・鳥類やアザラシの密集地域では上空飛行は避けること。措置2(2004年)の「鳥
   類集中地近辺における航空機操作ガイドライン」に従うこと
   (以下のサイトから入手可能www.ats.aq/devAS/

  ・小型ボートの燃料タンクへの給油は流出した液を漏らさないよう、船の上などで行
   うこと。

  ・小型ボートには土壌、植物、動物または動物由来の製品が含まれていてはならず、
   これらの有無を船から陸への作業開始前に確認すること。

  ・小型ボートは、野生生物へ支障を来したり、衝突したりすることのないよう常に進
   路とスピードを制御しなければならない

 

 「船舶」
  ・サイトでは、一度に一隻の船舶しか利用できない。

  ・乗客 500 人以上の船舶は南極では上陸できない。

 

 「船舶からの上陸」
  ・上陸するサイトに特別な条件がない限り、一度に最大 100 人までの乗客が上陸す
   ることができる。

  ・上陸するサイトに特別な条件がない限り、ガイド1人につき乗客 20 人の割合を維
   持すること。