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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

カムチャツカとチュクチの地質(GEOLOGY OF KAMCHATKA AND CHUKOTKA)

カムチャツカ半島と南の千島列島、東のアリューシャン列島は、太平洋を囲む地震や火山の地域である環太平洋火山帯の北西部分を形成しています。
一方、カムチャツカは、100万年の地質の歴史を持ち、世界遺産の多くの活火山でよく知られています。
カムチャツカの新しい火山は、プレート・テクトニクスの過程で形成された大きな断層線に沿って融合された古い大陸、海、諸島の古代地質地形の上に形成されています。これらの過程は、カムチャツカとチュクチの北で何百年間も活動しています。

これらの古代の地形を分ける断層は、何百kmにも延び、いくつかの地形の断面はカムチャツカの長さとチュクチやベーリング海に遡ることができます。
それぞれの地形は異なった地形の歴史を持ち、異なった時代で異なった岩の記録があります。ゆっくりでありながら抑えがたい構造プレートの動きは、地形の衝突の結果かもしれません。
もう一つの結果は、太平洋プレートのような海洋の岩が大陸の下で押されることによるプレートの沈み込みです。沈み込むプレートが溶け、溶けた岩が表面に上がり、カムチャツカや近くの千島列島の火山を形成しています。最も古い地形の断面は、カムチャツカの西の山と北のチュクチにあります。

これらの山は、古代の火山岩、砂岩や泥岩などの堆積岩から構成され、片岩や片麻岩になり、古い岩はよく断層により折り曲げられ切断されます。

進歩的で新しい地形は、太平洋プレートの北西への動きによって、半島に押し込まれカムチャツカの東側に増えました。新しい地形の岩は、古い岩よりも変形しにくくなっていて、シプンスキー、クロノツキー、カムチャツカ半島やコマンドルスキー諸島などで見られます。新しい地形は、植物や貝の化石が残らない火山の砂岩や泥岩の緩く傾いた層で形成されています。火山岩は、 溶岩流、層状火山灰、岩滓、火山活動によりできた砂岩が含まれます。

時々、海底火山の噴火による溶岩でできた斑点や球根の形の枕状溶岩は、通常の溶岩の流れと一緒に見られます。他の地形は、古い海底にある玄武岩、斑糲岩、オフィオライトとして集合的に知られる蛇紋石で構成され、ノーザンカラガンスキー島でも見られます。

カムチャツカの最も広範囲に分布する岩石は、火山であり、現代火山の先駆者であり、それらと同様に、沈み込みの産物でもあります。南カムチャツカと東カムチャツカの多くを覆う火山岩は、古い地形のほとんどを埋め尽くし、現在の千島活火山の基礎をなしています。

昔、沈み込みで形成されたすべての溶融した岩が表面に達しているわけではなく、時の経過と共に風化し浸食され、もはや昔ながらの火山の形ではなく、部分的に新しい活火山で埋められています。そして、ゆっくり冷え、地殻の深くで、花崗岩のような粗い目の岩を形成しています。
カムチャツカ半島の南東海岸線は、花崗岩がより古い堆積火山岩に貫入しているのが見られます。これらの花崗岩は、より古い火山のから出来ています。

千島列島は、海から海への衝突や沈み込みを繰り返すプレートの構造的過程により形成されています。

オホーツク東の海には、古代の大陸はありません。沈み込みに関連した火山が島弧を作っています。島弧は、深海の海溝を持ち、海底が沈む地域を示しています。よく似た多くの島弧は、アリューシャン列島など太平洋を縁取っています。

火山活動は、アリューシャン列島の最も西のコマンドルスキー諸島で古代に停止しています。これらの島々は現在のアリューシャン海峡を形成する断層に沿ってできた古い堆積物のマイクロプレートになっています。コマンドルスキー諸島と境界を接する断層の両側にあるプレートは、互いに向かっているのではなく、横に動いています。 その結果、沈み込みがないので、カムチャツカの火山はカラギンスキー島に向かって消滅します。

現代の火山から別として、カムチャツカのすべての山々とチュクチの 範囲は、地形境界の断層を持ち上げた結果で、その隆起は現在も続いています。

この証拠は多くの場所で見られます。平坦な地形がかつての海底から次第に表出し海岸から離れています。

カムチャツカの断層線の大地震では、ミリメートルもしくはメートル単位で土地を持ち上げるかもしれません。津波はこれらの地震と一緒に起こり、過去にはすべての北西太平洋が大きな津波によって破壊されてきました。
カムチャツカの火山の多くは、氷河に覆われています。氷河期時代にカムチャツカ半島やチュクチ山脈の広範囲に氷河で覆われていた事を物語っています。これらの氷河は、チュクチやカムチャツカ半島の南東の海岸線到達し、多くのフィヨルドを形成しました。

氷河の氷堆石とアウトウォッシュ礫岩(れきがん)平原は、内陸の多くの場所で見られます。膨大な礫岩は、氷河の山から落ちて海岸線に沿って残り、海岸段丘やウェスタンGovena半島のような海岸ビーチ海嶺を形成しています。
※礫岩とは、堆積(たいせき)岩の一種で、礫を主要な構成物とする粗粒な砕屑(さいせつ)岩です。カムチャツカ半島の現代の火山は、地形形成の次の段階の一部です。溶岩流や降灰、横から浸食した砂や泥は、別の一連の岩を作り、次第に別の地形になり、環太平洋に押し出されています。

(北極旅行/極東ロシア2)