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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

オキアミ

オキアミとはエビに似た甲殻類の名前で大きな群れとなっています。
オキアミはサウスジョージア海域生物量のほぼ半分を占めていて、南大洋の最も重要な食糧源の一つです。語源はノルウェー語で小魚を意味するkrilです。
世界中に様々な種類のオキアミがいますが、南大洋では6種類が一般的で、最も大きなEuphausia superbaが最も多く(6cm)、ナンキョクオキアミと呼ばれています。オキアミは毛で覆われた5対の後脚で泳ぎますが、他のプランクトンとは異なって海水より重いため、沈まないように常に泳いでいる必要があります。
オキアミの一生は複雑です。其々の寿命は5~6年です。夏に産卵された卵は750m位まで沈んで小さな幼虫に孵化した後、プランクトンを食べながら水面に上昇します。
そして幼虫が成虫まで成長するのにさらに2~3年かかりますが、その間海流により孵化した場所から遠くまで運ばれてしまうかもしれません。

南大洋のオキアミは全人類の重量より重い1.2億㌧と推定されています。オキアミはよく直径数百mにもなる大きな群れとなって、それを食べる捕食動物と共に見られます。最も大きなものは200万㌧のオキアミで450㎢もの大きさの群れとなります。
膨大な量のオキアミは南大洋生態系の要であり、オキアミのエコロジーはサウスジョージア周辺海域のワイルドライフの豊かさを理解するうえで極めて重要です。

オキアミはヒゲクジラ類そしてオットセイ、マユグロアホウドリ、マカロニペンギンなどを含む食物連鎖の上の捕食動物にとって主食です。そのうえ、多くの魚やイカがオキアミを食べるので、直接オキアミを食べない種類のクジラやアザラシ、海鳥などもオキアミを食べるえさを食べているので、究極的にオキアミに依存している事になります。

オキアミはサウスジョージアよりさらに南の、冬の海氷海域で繁殖し、サウスジョージアは分布の北限です。サウスジョージア海域のオキアミはほとんどが成虫です。
それらは島の南や西から18頁のイラストで見るように海流で運ばれてきます。
オキアミは島を回り込み北側の豊かな海域ですくすくと成長するのです。

(南極旅行/サウスジョージア島10)