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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

家畜化されたトナカイ

家畜化されたトナカイ (Domesticated reindeer)
ユーラシアでは5,000年ほど前に、人類が野生のトナカイを飼いならし始めました。現在家畜化されているトナカイ全てはその子孫と考えられます。
なぜなら、近代になって試みられた野生トナカイの家畜化は成功していないからです。おそらく初期の狩人が、飼いならして綱を付けたトナカイを囮に使えば野生の群れにも近づきやすい事を発見したのでしょう。やがて人はトナカイの群れを、食糧と毛皮の確実な供給源、そして輸送手段として飼いならし続けたのです。

現在、スカンジナビアのサーミ(ラップ)からユーラシア大陸北部一帯そしてベーリング海周辺までの原住民の多くは経済的基盤をトナカイ飼育に置いています。
近代のトナカイ利用方法は肉と毛皮の販売です。
かつて、シカ角の粉末に替わる漢方薬が開発されるまでは枝角の東洋への販売が重要だった時期もありました。

トナカイ放牧キャンプの生活は多くの面で昔ながらのままで、トナカイと人間の相互依存関係です。
トナカイの毛皮は酷寒の中で働く人々のための軽くて暖かい装備の材料になります。カリブー/トナカイの毛皮は短い先太の単層状に生えていて皮膚の近くに空気層を閉じ込めます。
しかも毛の一本ずつが空洞になっていてその中の空気が断熱と浮力を生み出しています。特に冬毛は自然界で最良の断熱材で、テント、寝具に、さらに腱を糸にして縫い合わせるとヤランガスと呼ばれる冬の大きな円形テント覆いになります。
但し、トナカイの毛は脆く常にぬける傾向があるのが難点です。

(北極旅行&北極クルーズ6-35)