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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ヒョウアザラシ

ヒョウアザラシ(Leopard Seal)

 

 

ヒョウアザラシは、ミナミゾウアザラシに次ぐ、南極で2番目に大きいアザラシで、南極の食物連鎖の頂点にいます。一般的に南極の沿岸や亜南極の島々に生息しています。他のアザラシと同じく耳介が無いアザラシ科です。また唯一のヒョウアザラシ属の種です。

 

ヒョウアザラシは、大きく筋肉質です。背中は濃い灰色をし、お腹は薄い灰色をしています。その名前からも、のどは白っぽく、黒い斑点があります。一般的にメスは、オスよりも大きいです。オスは、体長2.5~3.2m、体重200~453.5kgあり、メスは、体長2.4~3.4m、体重225~591kgあります。寿命は26年または、それ以上生きること出来ます。

自然界では、唯一シャチが天敵です。ほとんどのアザラシ科と比べ、ヒョウアザラシは、キーストーン捕食者として高度な進化をとげています。アザラシと同じく、後肢で泳ぐ一方、アシカに似た強く、発達した前肢を持ち、同様の機動性を持っています。(それは、収斂(しゅうれん)進化の古典的な例です)アシカのように、ヒョウアザラシは、浅瀬で狩りをし、南極の他のアザラシ(ウェッデルアザラシ、ロスアザラシ、ゾウアザラシ)のように深く潜ることはできません。他のアザラシは、イカを求めて数百メートル潜水することが出来ます。ヒョウアザラシは、160度以上開けることのできる顎を持っており、より大きな獲物を噛むことが出来ます。

 

ヒョウアザラシは、南極大陸を囲む冷たい海に生息しています。夏季は、南極大陸の周りの流氷の中で狩りをして、ほとんどの時間を水中で過ごします。冬には、亜南極の島々がある北へと行動範囲が広がります。時々、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの南海岸やクック諸島と同じくらいの緯度で発見される個体もあります。若い個体ほど北部で見かけられます。

 

ヒョウアザラシは、単独で行動する生き物です。交尾の時だけ、集まり小さなグループになりまります。メスは、氷に穴を掘り、妊娠から9ヶ月後、南極の夏に1頭の子供を出産します。そしてメスは、子供が自立するまで、子育てをします。

 

ヒョウアザラシは、図太く、力強く、好奇心旺盛な動物です。水中では、好奇心と捕食の行動に微妙な境界があり、食べることを意図していない時は、ペンギンをおもちゃにすることがあります。犬歯は、長さ2.5cmあり、様々な生き物を食べることが出来ます。小さいアザラシは、ほとんどオキアミを食べているでしょう。またイカ、魚も食べていると思われます。

大型のヒョウアザラシは、キングペンギンやコウテイペンギンを餌として切り替えることがあります。まれにカニクイアザラシなどの他のアザラシを餌にすることもあります。ヒョウアザラシは、視力と嗅覚が良く発達しています。この感覚と水中を素早く動くことを可能にする流線型の体が相まって、恐ろしい捕食者となっています。

 

ペンギンを狩る時、ヒョウアザラシは、氷の縁近くの水中を偵察し、ペンギンが海の中に入るのを待ち伏せます。泳ぐペンギンの足を掴み、激しく振り回して、ペンギンが死ぬまで繰り返し水面に打ち付けます。以前の報告で、ヒョウアザラシは、食べる前に獲物の皮を剥ぐと言われていましたが、正しくないことが分かりました。ヒョウアザラシは、獲物を食べやすく切り身にする歯がないため、獲物を引き裂くために左右に揺さぶり、細かくして食べます。

 

2003年、ヒョウアザラシは、シュノーケリング中の生物学者を水中に引きずり込み、死なせてしまいました。それは、知らている中で、最初の死亡事故です。しかし以前から、攻撃的な行動やストーカー、及び人間への攻撃行為は、書面化されていました。またヒョウアザラシは、これまでに、ゾディアックボートなどの堅く黒いインフレータブル型のボートに攻撃をしてくる傾向を示していました。そのため、調査する際の船は、穴を開けられないように特殊な保護をする必要があります。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極8-4-2)