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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

インデペンデンスⅠ文化と先ドーセット文化

グリーンランド北東部と高緯度北極に最初に到着した人々の文化はその遺跡が発見されたフィヨルド名にちなんで「インデペンデンス I」と考古学者は呼んでいます。

草原を彷徨っているジャコウウシを獲るために、彼らは小さなグループ毎に離れて暮らしていたようですが、春には限られた沿岸にいるアザラシを獲るために合流しました。当時のグリーンランドの天候は今より暖かかったとはいえ、彼らの住居は北極の冬には到底十分ではなかったでしょう。
住居は土間の中央に縦長の石板(中通路)を置いた毛皮のテントだけでした。そこに獲物の肉を蓄え、脂分の多いジャコウウシの骨を細々と燃やし続けていました。
冬には家族はほとんど冬眠状態で、暗い極夜の一日のほとんどの時間を暖かくなった中通路の近くに置いたジャコウウシの毛皮にくるまって寝てすごしたのです。

ほぼ同時に先史エスキモーの第二波が動物の多いフォックス海盆そしてハドソン海峡に沿って南下し始めました。
この先ドーセット文化人と呼ばれる人たちは定着性があったらしく、ほとんどの食糧をアザラシ、セイウチそしてカリブーから得ていました。
狩りには、刺さると十字形に開く爪を付けた銛や矢、流木とカリブーの腱を使った複合弓などを使いました。

1,500年の間に天候は徐々に寒くなり、インデペンデンスI文化は紀元前1,600年ころまでに高緯度北極から消滅してしまいました。
ところが先ドーセット文化の人々は生き延びました。
紀元前500年ごろにはさらに冷却が進んで地面が永久凍土となり今日まで続いています。その結果、フォックス海盆やハドソン海峡の人々は海生哺乳類が冬中、海氷に開けている呼吸用の穴を使った猟に力点を移しました。
時がたつにつれ、先ドーセットの生活様式や人工遺物なども大きく変わったので、考古学者はドーセット期と呼んでいます。

(北極旅行&北極クルーズ4-4)