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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ミズナギドリ目アホウドリ科

ミズナギドリ目アホウドリ科(Albatrosses)
体が大きく、長く細い翼を持ち、短い尾と特有の飛翔パターンを持つアホウドリは海上で容易に見分けることが出来ます。その生涯の殆どを空で過し、最小限のエネルギーで空中に浮かぶ滑空航法に熟達しています。実際アホウドリが飛んでいるのを見ると、風の強い嵐のような気象条件を楽しんでいるように見えます。風とともに波のすぐ上まで急降下すると今度は風を利用して空高く舞い戻ってゆき、それからまた旋回してスピードを上げ、また風と一緒に滑空する。そんな光景を見るのはとても面白いものです。アホウドリはこの様な飛び方で、ほとんど羽ばたくこともなく何時間でも空を飛び続けていられるのです。

アホウドリはしばしば外洋で見かけられますが、船が航行する際につくりだす気流を利用して船の後を追いかけてくることがよくあります。主食はたいていイカ、小魚、オキアミで、着水して頭を水中に入れ餌を捕ります。アホウドリは短くてたくましい水かき付きの足を持っていて、難なく水面に降り立って休んだり、あるいは食べ物を求めて泳ぎ回ったりします。再び飛び立つには水面を風に向かって助走しなければなりません。アホウドリは識別のため大型と小型に分類されます。大型種はシロアホウドリとワタリアホウドリで、後者は翼を広げると3.45mにもなり、現存する鳥の中では最も長い翼を持っています。小型種はよく「モリモーク=mollymawk=馬鹿なカモメを意味するオランダ語」と呼ばれることがありますが、広げた翼は全長2~2.25m程度です。

この大型で優美な鳥は長距離飛行を行う事でも知られています。チャンピオンは何といっても最大のワタリアホウドリです。科学者たちが衛星遠隔測定法でワタリアホウドリの親鳥を観察したところ、親鳥が時速90kmで一日に1,000kmも飛ぶのを発見しましたが、これは餌を求めて一回飛行するのに驚異的な2,900kmから15,000kmに及ぶのです。若い成鳥のワタリアホウドリは数年間海で過した後、約7歳で陸に戻り繁殖し始めます。アホウドリはたいてい複雑な求愛の踊りを繰り広げた末に、晩春か初夏には繁殖を開始します。巣は強い風に向かって飛び立ち易い場所がある島に作ります。普通、泥や草、コケ、分泌物などで作った巣に一つの卵を産みます。

抱卵期間は小型種で通常60~70日、大型種で80日ぐらいです。雌雄交代でで抱卵し、雛が巣立つまでは口移しに吐き戻した餌を与えます。小型種は毎年繁殖しますが、大型種は一年おきにしか繁殖できません。

(南極旅行&南極クルーズ6-7-3)