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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

植物

海から見るサウスジョージアの海岸近くの斜面は緑色です。これはほとんど植物の生えていないさらに南の地とは対照的です。
しかし、クック船長は木立の無い様、「一本の木や灌木さえ見られない。楊枝一本さえ作れない。」と表現しました。

サウスジョージアには25種類の背の高い原産植物があります:9種の広葉草類、5種のイネ科、3種のイグサ科、1種のカヤツリグサ科、6種のシダ類、そして1種のヒカゲノカズラです。
その中で6種だけが簡単に目につく占有種です。それらはタソック草,アカエナ属、ナンキョクコメススキ、ウシノケグサ、トウシンソウ、そしてマゼランイグサ属です。

さらに、それほど目立たない、非維管束植物(茎の無い植物)も多くあります:125種の蘚類、80種の苔類、150種の地衣類です。そのうち何種かはサウスジョージア特有種です。他に約50種の菌類(いくつかは毒キノコ)、そして10種の藻類です。
緑藻のナンキョクカワノリはペンギンやアザラシの集まる湿った場所で見られます。

ここの植層はフォークランドや南米大陸南部に似ていますが、何百㎞もの海で隔てられた場所で増殖するのは困難なので、種類はかなり少なくなっています。
海、風又は鳥に付いて運ばれた種や花粉のうち長い冬と寒い夏に適応できたものだけが根付くことが出来ました。

さらに、人間が持ち込んだ外来種60種があります。ヤマチモシーはグリーンランドとパタゴニアを含む両極地に分布している面白い種類です。ナンキョクヤエムグラは白くて小さい花びらがあって、この島唯一香りのある植物です。

サウスジョージアのほとんどの植物は、極地の植物によくあるように、花を咲かせて種になるまでに1年以上かかります。
持ち込まれたイネ科の草であるスズメノカタビラは通常なら1シーズンで成長し、花が咲いて死ぬ一年草ですが、サウスジョージアではもっと長く生きる多年草になりました。最近では、いくつかの持ち込まれた種類が苗木を造り広がっており、夏が暖かくなっているためかもしれません。

(南極旅行/サウスジョージア島13)