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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

海岸地帯の植物

海岸地帯の植物(Coastal Zone Vegetation)

 

マッコーリー島の海岸地帯の植物群落は、一部、絶えず波や強風に打たれる海岸線にあります。嵐になるのは、一般的で、海しぶきによって、着実に塩が堆積していきますが、頻繁な小雨によって、半分は、埋め合わせされます。これらの植物群落は、水際から最高水位の上まで広がっています。主に2つの海岸地帯の植物群落があり、岩の海岸線の群落と砂浜や砂利、または玉石の浜辺の群落です。

 

岩の海岸線の典型的な海岸地帯の群落は、昆布や海藻類の層が潮間帯で見られ、藻類地帯を形成しています。最高水位の上には、地衣類が占める地帯があります。荒天時、この地帯は、海に浸水します。通常この場所では、地衣類のアナツブゴケ属、オオロウソクゴケ属、Turgidosculum (Mastodia)、チャシブゴケ属やコケのMuelleriella crassifoliaが見られます。この地衣類が占める地帯の上では、コケや地衣類の種類がPuccinellia macquariensisの草の茂みやクッション性のColobanthus muscoidesと混ざりあっています。強い悪天候時には、この地帯も波の影響を受ける可能性があります。

 

砂や砂利の浜辺では、通常、植物は育ちません。いくつかの維管束植物は、玉石の浜辺の最高水位の上で成長します。主にLeptinella plumosa、スズメノカタビラ、Callitriche antarctica。

また岩は、いくつかの地衣類の種を支えていると思わます。最高水位を遥かに上回った浜辺は、Poa foliosaの背の高いタソック草原に覆われています。これらのタソックは、2m以上の高さになることがあります。多くの場合、岩山は、海岸線または海自体の上に聳え立ちます。このような積み重なる岩は、通常、タソックの草地などの植生が覆い、鳥の繁殖地も提供します。海岸地帯の構成と構造は、いくつかの要因によって決まります。海岸線が波や風にさらされる範囲を決める海岸の地形、浜辺が存在するかどうか、そして構造となる周囲の植生の構想と動物が与える影響の程度があります。

 

最も顕著な影響は、年を通して様々な時期に、この地域に生息する300~400万の動物たち、主に鳥やアザラシによって引き起こされます。離乳後の子供のゾウアザラシは、露出した浜辺からタソック草群落の休息地へ移動することがよくあります。脱皮中の若いアザラシは、タソック草群落を休息地や脱皮に使用します。その結果、多くのタソック草は、横たわっていたり、踏みつけられたり、こすりつけられたりし、アザラシによる損傷を受けます。オットセイは、群れになる場所として岩場を好みます。ペンギンの営巣地(及び程度は低いがアザラシ)は、糞や排尿の影響により。生息する地域の栄養水準に劇的な影響を与えます。タソック草の1つであるPoa cookiiは、主にペンギンの営巣地近くに生え、より多くの栄養を必要としているのかもしれないと思われています。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極8-3-1)