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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

カニクイアザラシ

カニクイアザラシ(Crabeater Seal)
カニクイアザラシは世界中で最も個体数が多いアザラシで、推定で約3千万~7千万頭いると思われます。更にここ数十年間は南極海域のクジラの減少に伴って以前より多量の餌が行き渡るようになったため、個体数が増え続けるようになったのです。その名前とは異なり、カニクイアザラシはカニではなくオキアミだけを餌にしています。

成獣は雌雄ともほぼ同じ大きさで、体長は2.7m、体重227kg位です。カニクイアザラシは中型のアザラシで長くほっソリとした体型をしていて、そのクリーム色の毛皮から白アザラシと呼ばれる事もあります。尖った犬のような鼻をしていて、天気の良い日には流氷の上にいるのをよく見かけます。多くの成獣の脇や腹にはヒョウアザラシ、あるいはシャチに襲われたと思われる古傷がハッキリ見えます。

カニクイアザラシの歯はオキアミを食べるのに最適に出来ています。上下の歯とも凹凸がたくさん出来ていて、顎を閉じた時に漉し器の役割を果たします。これでオキアミを含んだ海水を口いっぱいに含み、舌をつかって水を押し出してオキアミだけを残すことができるのです。これはやはりヒゲで海水を濾過しながらオキアミを食べるヒゲクジラの食べ方と似た環境適応のひとつです。雌は流氷上で、他のカニクイアザラシとは1kmも距離をとりながら、9月中旬から11月初旬にかけて出産します。子供は誕生後約一ヶ月で離乳します。それから海に入るわけですが、たちまち天敵であるヒョウアザラシの攻撃を受けてしまうこともあります。カニクイアザラシは主として拡張したり後退したりする流氷群の縁辺に棲んでいますが、開水面を必要とします。大体一頭または小グループで浮氷の上に寝そべっているのを見かけます。一年を通じ大陸の周辺で生息していますが、特にロス海および南極半島周辺に数多くみられます。

(南極旅行&南極クルーズ6-8-4)