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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

探検初期

探検初期(EARLY EXPEDITIONS)

 

ジェームズ・クック

 

1768年、ジェームズ・クックは、南太平洋に派遣されました。最初は金星の太陽面通過の観測のための航海、続いて伝説の南の大陸を求めて航海しました。彼は3年後に地理学的、生物学的、人類学的な新しい豊富な情報を持ちイングランドへ戻りました。しかし、南の大陸に関することはありませんでした。南の大陸の海岸線は、彼らが測定する位置から遥か南にありました。

 

1772年7月、今回はイギリス海軍本部の命令及び本人の意向に従い、南の大陸の探索を主要な任務としてクックは再びイングランドを発ちました。その年の12月初め、クックは、南極収束線を越え最初の氷山に出くわしました。1773年1月17日、東経40度の地点で彼は、歴史上初めて南極圏を横断しました。南緯67度15分で到達しましたが、流氷により北へ押しやられました。それは南極の海岸線から僅か128kmの所でした。

 

1773年11月下旬、クックは再び南へ向かいました。12月に2回目の南極圏を越え南緯67度31分に到達しました。しかし、また氷によって北へと押し戻されました。1774年1月26日、クックはレゾリューション号で3回目の南極圏を越え、アムンゼン海の南緯71度10分、西経106度54分に到達しました。これはかつて誰も到達したことの無い最南に位置していました。

 

1775年1月14日、クックはマゼラン海峡を通過し、新しい土地を見つけました。1月16日に、そこはウィリス諸島とバード島と名付けましたが、発見し直され、サウスジョージア島と名付けられました。1月26日、レゾリューション号は、現在サウスサンドウィッチ諸島で知られている場所の南端に辿り着きました。そこは、南緯60度に近い場所であり、彼らは当時、最南端の土地を見つけていました。

 

1775年2月の終わり近くに、クックは1772年に彼がおこなった航路を横切り、初の南極大陸の周航を成し遂げ、南の大陸が存在するとしても、かつて考えられていたほど大きく居住可能でもなかったことを、すべての人に証明しました。たとえ、南の大地が存在したとしても、かつて考えられていたほど大きくも居住可能でもありませんでした。クックは、南の大地があると信じていましたが、それは誰にとってもほとんど役に立ちませんでした。ジェームズ・クックの南極周航は、人間による探査の中で最大の航海の1つでした。彼の徹底的な調査と南極大陸の価値の合理的な却下は、政府にさらなる支出を思いとどまらせるのに十分でした。実際、イギリスとロシアの1つの探険を除いて、政府資金での南極海での探査は60年の休止期に入りました。しかし、クックは人間の欲望を考慮に入れていませんでした。

 

(南極旅行/ポセイドン南極読本6-1)