ゼンツーペンギン
ゼンツーペンギン(GENTOO PENGUIN)
ゼンツーペンギンの名前の由来は定かではありませんが、後ろに突き出ている尾が歩くときに左右に揺れる事からラテン語では「ブラシの様なしっぽ」という意味の「ピゴセリス」という名前で呼ばれています。ゼンツーペンギンの特徴は鮮やかなオレンジのくちばしと、目から頭にかけて伸びる白い模様です。
ゼンツーペンギンは南極に生息するペンギンの中で最も数が少ない種のひとつで、約60万羽が生息していると言われています。
ゼンツーペンギンは他のペンギンと異なり、あまり群れません。通常は小さなグループで行動し、時には他の種類のペンギンと一緒にいる事もあります。あまり群れないゼンツーペンギンですが、繁殖の相手は毎年同じ相手を選びます。
ゼンツーペンギンは低い丘や、浜辺に営巣します。小石や草を使い作られる頑丈な巣で卵を天敵から守ります。ゼンツーペンギンは通常2個の卵を産卵します。南極南部で生まれた雛は2羽とも生き残ることが出来ますが、北部の雛は、遅く生まれた1羽は死んでしまう事が多いことが分かっています。また、2羽とも死んでしまった場合には同じシーズンに再度繁殖を行う事もあります。
孵化した雛は約1カ月で巣立ちを迎えます。ゼンツーペンギンの孵化の時期は繁殖地によって大きく変わります。南部は62日~82日。北部は85日~117日と、南部の方が早く孵化します。また南部の雛の方が体が小さい事もわかっています。ゼンツーペンギンの繁殖の生存率は、ペンギンとしては珍しく、年によって大きく変動します。
(南極旅行/ポセイドン南極読本7-1-11)