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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

亜南極の影響を最小限に抑える規約

亜南極の影響を最小限に抑える規約(SUBANTARCTIC MINIMUM IMPACT CODE)

 

ニュージーランドの亜南極諸島は、地球上に僅かに残っている原始の状態に近い島々です。海洋哺乳類や鳥類は訪れる人々に恐怖感をほとんど示さず、自生植物も他に妨げられることなく広大に生い茂っています。

 

諸島を管理する自然保護省は、これらの博物学のタイムカプセルが自然の状態で維持されるように取り組んでいます。これは人間の過去および現在の活動によって従来の植物や動物種の分布、数、相互作用に悪影響を与えないようにすることを意味します。

環境への影響やリスクを最小限に抑えて島々への自然観光を可能にするために、以下の規則や規制が実施されています。ニュージーランド全域と亜南極諸島の地域は国の自然保護区で、許可なく立ち入りはできません。

自然保護省の代表者がグループに同行することを条件に訪問が許可されます。

代表者は訪問者が島の生態系に悪影響を及ぼさないように監督する役割をしています。

 

スネアーズ諸島、バウンティ諸島、アンティポデス諸島群やオークランド島とキャンベル島群内の手付かずの島々への訪問は許可されていません。これらの島々にはネズミがいないため、ネズミやリスなどの齧歯類(げっしるい)が偶発的に侵入してしまうと昆虫や鳥の個体数が減少し、絶滅を引き起こす恐れがあります。これらの島々はゾディアックボートで沖合から観光することができます。

 

自然保護省は、以下のグループの指定された場所への訪問を許可しています。

・オークランド諸島群:オークランド島とエンダービー島のみ

・キャンベル島群:キャンベル島のみ

自然保護省の代表者は動物の繁殖を妨げるリスク、悪天候、環境への影響等の理由で訪問を拒否または変更する権利があります。

 

動物(例:齧歯類、スズメバチ)および植物(例:種子、土壌)の検疫手順は、すべての訪問者に対して厳格に行われます。これは島の固有の動植物に影響を与える可能性がある新しい害虫、植物、病原体の偶発的な侵入を防ぐためです。

 

また、島と島または諸島群内の外来種の拡散に警戒する必要があり、すべての靴と衣類は、各島へ訪問前後に徹底的にチェックし洗浄する必要があります。

すべてのギアは上陸直前まで梱包してはならず、齧歯類が侵入しないよう密封する必要があります。

 

植物、動物、岩を故意に妨害、取り除くことはできません。島への訪問中に、標本や記念としての収集は禁止されています。これは亜南極地域における人類の歴史的建造物も含まれます。オレンジの皮、ティッシュ、フィルム、包み紙等、あらゆるゴミを島に残してはいけません。ゴミは分解するまで長い時間がかかる上、齧歯類を引き付け、この地域の自然の景観を台無しにしてしまいます。鳥に病気を広げる危険性があるため、鶏肉や卵など鳥類の食品の持ち込みは許可されていません。

 

 

すべての野生生物への空間は常に尊重されなければなりません。

そのため訪問者は以下に注意してください

 

・すべての動物が優先です。動線を妨げないでください。野生動物、特にアザラシは動きに非常に敏感で、地面から見る人間は非常に高く感じます。

・すべての野生動物に5m以内に近づかないでください。亜南極の夏は求愛、交配、営巣、子育ての時期であることを覚えておいてください。近づきすぎると育児放棄や捕食者に攻撃される原因となります。

・野生動物に触れないでください。このような行動は親子の絆を危険にさらす可能性があります。

・音は最小限に抑えてください。海鳥の巣を乱すと卵が冷えてしまい、日光や捕食者にさらされる可能性があります。

・壊れやすい泥炭の土壌や植物への損傷を最小限に抑えるために、決められた道や遊歩道を歩いてください。島内での喫煙は禁止されています。

・泥炭の土壌と夏の間に乾燥した植生は、火災のリスクが高まります。

・観光目的の訪問者用のトイレはありません。

 

動物や植物の有害生物の偶発的な侵入は、脆弱な島々のコミュニティを破壊してしまう可能性があります。継続的な保護はヘリテージ・エクスペディションズ社の船上プログラムの一部となっています。適切な消毒剤でブーツ、ウォーキングポール、三脚を洗浄し外来種の侵入を防ぐ必要があります。

 

(南極旅行/ロス海・亜南極2)