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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

ペンギン目ペンギン科

ペンギン目ペンギン科(Penguins)
ペンギンは南極の縮図そのものです。17種いるペンギンがすべて南半球で見られますが、その殆どは南極収束線の北側で生息しています。ガラパゴスペンギンなどは赤道直下に棲んでいます。全てのペンギンのうちコウテイペンギンとアデリーペンギンだけが南極のみで棲息しています。ペンギンはいずれも飛ぶことができず、冷たい海水に適応しています。従って低緯度で見られる種類でもそこを流れる寒流に依存して暮らしているのです。

ペンギンは最も水に適応している鳥で、換羽と子育ての時期を除き、生涯の殆どを海で過します。ペンギンの胸帯が現代の飛べる種類の鳥に似ている様に、祖先は飛ぶことができたのです。鳥が飛ぶ主な理由は餌を探すためと捕食者から逃れるため、それに移動するためですが、ペンギンはいわば水中を飛んでいるのです。ペンギンの翼は小さくて硬く平らです。空気より密度の高い媒体である水をかき分けて推進できるようになっているのです。他のほとんどの鳥が水の中では脚で漕ぐのに比べてペンギンは水面下で翼をバタつかせて泳ぎます。

ペンギンは1844年に絶滅してしまった北半球の飛べない鳥オオウミガラスに姿も習性も似ています。この鳥も長らく英語名では「ペンギン」と呼ばれていました。英国の船乗りが初めて南大洋にやって来た時に、この新発見の飛べない鳥がすでに知っているオオウミガラスに似ていたため、その名前を移し変えたのです。

空を飛ぶ鳥は軽量で、中空になっている骨と、体重を減らすのに役立ち翼面荷重を低下させる体内空気嚢(のう)があります。しかしペンギンは浮力に逆らって深く潜れるよう密度のある堅い骨をもっており空気嚢もありません。ペンギンの身体は流線型になっていますが、それでも翼の動きを止めるとたちまち速度が落ちてきます。水面に出て息継ぎをするたび毎に、いちいち止まらなくて済むように、ペンギンはイルカ泳法(ドルフィン・キック)と呼ぶ身体を上下させて前進する泳ぎ方を発達させました。これによって水面の真下を素早く泳ぎ、必要に応じて低く弧を描くように水面から飛び出して息継ぎをしてまた泳ぎ続けることができるのです。これはまたヒョウアザラシのような天敵から逃れるのにも役立ちます。殆どのペンギンは5~7分間潜ることができますが、最も大きな種(コウテイペンギン)は18分間も潜ることができます。コウテイペンギンは630mの深さまでも潜ることが可能です。その他のペンギンの多くは普通100m以上潜ることは出来ません。ペンギンの最大遊泳速度はおそらく時速24kmくらいでしょうが身体が小さいので実際よりスピードがあるように見えます。

ペンギンは通常海岸近くか流氷群の端際の水面近くで捕らえた食べ物を餌にしています。南極の大型種はイカを主に食べ、小型種は主にオキアミや若干の魚、イカを食べています。しかし夏の間は、ペンギン特有のピンク色の排泄物から明らかなように、どの種もオキアミを主食にしています。ペンギンはどの種も社会性があって集団営巣地(ルッカリー)を形成して巣づくりをしています。コウテイペンギンのコロニーは定着氷の上にあります。雄のコウテイペンギンは足の甲でバランスをうまく取りながら一個の卵を乗せて下腹の育児嚢でおおって温めます。(キングペンギンも同じ抱卵方法をとります)雄のペンギンは約二ヶ月間、真っ直ぐ立ったまま、卵を乗せた足を引きづりながら歩き回らなければなりません。この間、雌のペンギンは遠くの海に餌を探しに出かけます。雌が交代に戻って来るまでに卵が孵化した場合は、雄が生まれたばかりの雛に脂質や蛋白質を含んだ少量の分泌物を餌として与えます。

雛たちが集団、あるいはクレーシュ(creche=保育所)を形成したりする種もあります。数羽の親鳥が雛たちを保護している間に、雛の他の親たちが長い時間海に出かけてより多くの餌を捕ることに専念出来るというわけです。ペンギンのコロニーではいつ見ても様々な営みが観察でき、その光景、音、匂いは忘れがたいものです。大型ペンギンの抱卵期間はおおよそ5~6週間ですが、育巣期間は種によって変わり、アデリーペンギンとヒゲペンギンは大体7週間、ゼンツーペンギンは14週間で成長し巣立つことになります。雛は親から口移しに半消化の餌を貰って食べます。ペンギンは滑りやすい岩や氷を登る為に、よく発達した大きな爪が付いたたくましい足を持っています。羽毛はペンギンの断熱効果の80%の機能を果たし、他の20%は皮下脂肪が果たします。ペンギンは代謝率が高いことはもちろんですが体温も極めて高くなっています(約38℃)。南極の冷たく厳しい気候を生き延び、更に力強く成長してゆくには何ら支障がない動物なのです。

(南極旅行&南極クルーズ6-7-1)