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南極クルーズ・北極クルーズの手引き

自然環境

自然環境(NATURAL ENVIRONMENT)

 

現在サウスジョージア島では約3,000万羽の鳥が繁殖し雛を育てています。それはまさに、常に荒れる猛烈な南極海の中にある自然の楽園です。記録された鳥類は81種で、そのうち31種(27種の海鳥を含む)が繁殖しています。サウスジョージア島には他の亜南極諸島と同様の鳥類が繁殖していますが、個体数の規模において他とは一線を画しています。

 

キバナウ

ここでは、マカロニペンギンの全世界の個体数の約半分(約200万ペア)、ハイガシラアホウドリ(80,000ペア、世界の繁殖個体数の46%)、キタオオフルマカモメ(約3,000ペア)、ノドジロクロミズナギドリ(約200万ペア)、そしてサウスジョージア島で最も多い海鳥種のナンキョククジラドリ(約2,200万ペア)が繁殖します。サウスジョージアムナジロヒメウの全個体数のほぼすべてがここに住んでいます(約7,500ペア)。島の固有種であるサウスジョージアタヒバリはネズミがいない地域でのみ見ることができます。サウスジョージアピンテイル(South Georgia pintail)は、キバシオナガガモの亜種と見なされています。

 

ワタリアホウドリ

 

サウスジョージア島の鳥類のメインハイライトは頭部にオレンジがかった黄色の斑紋を持った風格のあるキングペンギンです。キングペンギンの総数は約40万ペアです。過去80年間、毎年平均で約5%増加しています。ここで見つかった他のペンギン種には、ゼンツーペンギン(約10万ペア)とヒゲペンギン(約6千ペア)です。

 

サウスジョージア州政府の法律によってサウスジョージア海域の海洋哺乳類を保護しているため、クジラ保護区と見なすことができます。一部のクジラは回復が遅いため、近海で見つけることができます。カンバーランド湾ではミナミセミクジラとザトウクジラが見られ、シャグロック付近では、採餌しているナガスクジラの大群が発見されました。大型のシロナガスクジラの目撃は稀です。マッコウクジラとシャチの小群が延縄漁船の操業に相互作用しているのが時々見られます。ミナミトックリクジラ、ヒレナガゴンドウ、ダンダラカマイルカもまたサウスジョージア島の海域に生息しています。

 

サウスジョージア島では4種類のアザラシを定期的に見ることができます。島のビーチではゾウアザラシとナンキョクオットセイの両方がかなりの数で繁殖しています。ウェッデルアザラシの小さな群れはドリガルスキー・フィヨルドのラーセン・ハーバーで繁殖しています。ヒョウアザラシは一年中、特に冬に見られます。

 

植物の生息は島の孤立と涼しい夏によって制約されます。在来の植物相は、フォークランド諸島、ティエラ・デル・フエゴ、パタゴニア南部の植物相と密接に関連しています。

 

キャプテン・クックが報告したようにサウスジョージア島には、木や低木はありません。フォークランド諸島や他の南の冷温帯の海岸の荒れ地に広がる豊富な矮性低木はサウスジョージア島では見られません。唯一の低木状の植物は一般的にバーネットと呼ばれる木質茎のあるハーブです。

 

島で記録されている固有の高等植物は25種だけです。これらには、1種類のLycopod(ヒカゲノカズラ属)、6種類のシダ植物、5種類のイネ科、3種類(または4種類)のイグサ属、1種類のスゲ属、および9種類の広葉草本(草ではないようなハーブ)が含まれます。コレモコウ、ナンキョクコメススキ、tufted fescue grass、greater rush、タソック草、ブラウンラッシュの6種類だけが明確なコミュニティで繁殖しています。

 

島には多くの下等植物種が繁殖しています。コケは約125種類、苔類は約80種類、地衣類は約150種類あります。少なくとも50種類の大型菌類(毒キノコ)と約10種類の大型藻類が見つかりました。微生物相(土壌菌類、藻類、シアノバクテリアまたはバクテリア)についてはほとんど知られていません。

 

サウスジョージア島のいくつかの植物種は南半球でのみ見られます。一方、オオアワガエリ(イネ科の多年草)などは両極で見られます。ヌマハコベ(モンティア属の草本)とナヨシダ(シダ植物)のような他の種類は世界中で見られます。 1つの雑種を除いて固有の高等植物の存在は知られていませんが、いくつかの固有の地衣類および苔類が見つかりました。

 

(南極旅行/ポセイドン南極読本4-2)